ポケットコイルマットレスおすすめ:選び方
ポケットコイルマットレスの選び方は基準がたくさんありますが、あえて3つに絞るなら、
・硬さ
・価格
・防ダニなどの特殊加工の有無
これだけ見て選べばOKです。
硬さは健康にかかわる部分です。腰痛持ちの人は硬め(特に腰周り)のものをチョイスしましょう。
価格が高いマットレスはコイルの質もいいし、使っているコイルの量も多いです。
防ダニ・抗菌・防臭加工は、敏感な人やアレルギー体質の人は考慮すべき項目です。
なにしろポケットコイルマットレスは金属製で重いので、気軽に干したりといったお手入れができません。
そのため、ケアをサボっても清潔さを維持してくれる仕様が備わっていると助かりますね。
以上、最低この3点だけ押さえておけば大丈夫です。
ポケットコイルマットレスの選び方①コイルの質が寝心地を決める
ポケットコイルでもっとも寝心地を左右するのは、コイルの質です。
スペックでいうと
・コイル数
・線径
・コイルの巻き数
・コイル高
・線種
など色々ありますが、これらが総合されて寝心地や強度にかかわってきます。
最初に着目すべきは硬さです。
ふつうだと「かため・ふつう・やわらかめ」という表記に分かれています。
高級マットレスになると5段階で表しているものもあります。
ウレタンマットレスだとN(ニュートン)という数字で表されていたので、硬さが推し量れたのですが、ポケットコイルマットレスは基準となる数字がありません。
同じ「かため」でもガチガチのものからそれほど硬くないものまで幅が大きいため、可能ならお店にいく、または返金保証のあるマットレスを選ぶなど、リスクのない状態でお試ししたいところですね。
コイル数
同じサイズであれば、コイル数が多ければ多いほどコイルが小さくなり、体圧分散性が向上します。ただし、たくさんの金属を使うため、重量が重くなります。
安いマットレスだと、シングルサイズでコイル数は500個程度。高価なものになると1000個程度のコイルを使っているものもあります。
一般に価格が高くなるほどコイル数は多くなる傾向があります。
ニトリのNスリープなど、コイルを上下2段構造にしているマットレスもあります。
線径
線径とは、コイル線の直径のことです。要は「どれくらい太いコイルを使っているか」です。
コイルの太さはマットレスの硬さと比例します。線径が細いほどマットレスは柔らかくなり、太いほどマットレスは硬くなります。
線径は通常1.5mm~1.8mm程度です。細いものでは1.1mm程度まであります。
細くて強度の高いコイルを作るのは難しいので、高い技術力が求められ、おのずと値段が高くなります。
巻き数
コイルの巻き数が多いほど弾力性が高く、強度が上がります。子供が飛び跳ねるようなベッドでは巻き数が多いものを選んだほうが良いかもしれません。
コイル高
コイル高(長さ)は長いほど沈み込みが大きくなります。
通常は5.5インチ(約14㎝)ですが、メーカーによっては6~8インチの長いコイルもあります。
コイルが長いほど使う金属も多くなるので値段が上がりますが、深く沈むマットレスが好みならコイルが長いものを選びましょう。
線種
マットレスの製品表示ラベルを見ると以下のような表示があります。
「SWRH67B高鋼線A種」
これは4つに分解できます。
①SWRH
②67
③B
④高鋼線A種
①最初の4桁は線材の種類を表します。といっても合計2種類だけ。
SWRH:高鋼線
SWRS:ピアノ線
大部分は高鋼線です。ピアノ線は高価で、アンネルベッドをはじめ一部のマットレスにしか使われていません。
②次の2桁は炭素の含有量を表します。数字が大きいほど炭素量が多く、耐久性が高いとされています。マットレスに使われているのは62~82程度まで。
③マンガン含有量を表します。マンガン含有量は高いほど硬く高反発なコイルです。AとBの2種類があり、Aのほうが含有量が多いです。
④線材の引張強度を表します。
参考:岡野家具
ポケットコイルマットレスの選び方②硬さは体重で選ぶ
硬さは好みももちろんありますが、体重で選ぶのがおすすめです。
体重が重い人は硬め、体重が軽い人は柔らかめのマットレスを選びましょう。
その理由は、最も体に負担のかからない自然な寝姿勢を保てるからです。
仰向けのときは、起きて直立しているときと同じく、背骨が自然なS字カーブを描いているのが理想です。
横向きのときは、背骨が地面と水平に一直線になっているのが理想です。
マットレスが身体のラインに合わせて適度に沈むことで、こうした理想的な寝姿勢が実現できます。
体重が重い人が柔らかいマットレスに寝ると、腰を中心に沈み込んで体が「く」の字に曲がってしまい、寝姿勢が崩れて腰に負担がかかります。
逆に、体重が軽い人が硬いマットレスに寝ると、腰や肩が浮いてしまい、これまたバランスが崩れます。
以上の点から、体重が重い人はかため、体重が軽い人は柔らかめのマットレスを選びましょう。
腰痛には高反発が向いているといわれるわけ
「腰痛の人は高反発のマットレスが向いている」とよく言われますが、これは寝返りが打ちやすいからです。
腰周りの負担を軽減するには、ダメージを分散させる必要がありますが、寝返りが打てないと、同じ場所に負荷がかかり続けてしまいます。
そのため寝返りをうって、負荷がかかる場所をずらします。
「腰痛持ちだけど柔らかい感触が好き!」
という人は、腰周りを強化したゾーニング仕様のマットレスを選びましょう。
ゾーニングとは、部位ごとに硬さを変化させることです。
腰周りに硬いコイルを配置して、それ以外を柔らかくするのが一般的です。
また、ベッドに腰かける人のために、フチがへたりにくいように左右のフチを強化したものもあります。
「Hゾーン」「5ゾーン」「中心が硬め」「腰周りを強化」などと書かれたマットレスを選べば、寝返りは打ちやすく、なおかつ柔らかい感触も味わえます。
ポケットコイルマットレスの選び方③コイル配列
ポケットコイルマットレスのコイル配列は2パターンあります。
「並行配列」と「交互配列」です。
並行配列はコイルが格子状に配置されているスタンダードな配列方法です。
交互配列はコイルを互い違いに噛み合わせるように配置する方法で、並行配列に比べてよりコイルの数が多くぎっしり配置され、その結果、マットレスが硬くなります。
コイルの数が多いということは、それだけ使う材料が多いため、値段が高く、重量が重く、長寿命になります。
交互配列を採用するマットレスは、価格でいうとおおむね5万円以上。ニトリNスリープの上位モデルやサータ、アンネルベッドの一部ラインナップで使われています。
ポケットコイルマットレスの選び方④ウレタン層の厚み
ウレタン層の厚みは、寝心地にかかわる部分です。
寝心地はコイルだけで決まるわけではなく、その上のウレタン層がクッションの大事な役割を果たしています。
ウレタン層は厚いほどコイルの影響が少なくなります。
逆に日本ベッドのようにわざとウレタン層の厚みを最小限にしてコイルで勝負しているメーカーもあります。
ポケットコイルマットレスの選び方⑤側生地
側生地とは、マットレス表面の生地のこと。
高級なマットレスはキルティング加工をしています。
(キルティングとは、生地と生地の間に中綿を挟んで膨らみを持たせた模様を作ること)
キルティングには2種類あります。
・ジャンプキルト
ボリューム感と高級感のあるラグジュアリーなキルティングです。柔らかな肌触りで寝心地を求めるならこちら。
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・連続キルト
しっかりした寝心地です。生地同士がくっついているので二人以上で寝るときは互いの体重で生地が引っ張られます。気になる人は気になるかもしれませんね。
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なお、側生地の素材はコットン、ポリエステル、レーヨンなどがあります。
コットンはシーツ素材として最も普及している天然素材で、吸水性に優れ耐久性も高い素材です。選び方としても一番無難な選択ですね。
ポリエステルは化学繊維で、安さがウリで耐久性も高いですが、あまり汗を吸収しないので、特に夏は蒸れて寝心地はイマイチ。安いシーツでよく使われます。
レーヨンも同じく化学繊維で、吸水性が高いという長所がありますが、洗濯すると縮みやすいので扱いが手間です。
ポケットコイルマットレスの選び方⑥片面仕様か両面仕様か
片面仕様か両面仕様かは寿命にかかわる部分です。
両面仕様なら、定期的に裏返して使う「ローテーション」を行うことで、マットレスにかかるダメージを分散させることができ、長寿命につながります。
見分け方は構造です。表裏の構造が対称になっていれば両面仕様。そうでなければ片面仕様です。断面図が掲載されたカタログがあれば一目瞭然です。
片面仕様のマットレスは、コイルの下に詰め物をほとんど挟んでいません。
そのため、もし裏返しても、ベース層に寝ることになるので、寝心地が悪いです。
ポケットコイルマットレスの選び方⑦防ダニ・防臭加工
防ダニ・防臭加工を施したマットレスだとより安心ですね。
ポケットコイル製はウレタン製などのノンコイルマットレスに比べて重く、お手入れがしづらいです。
シーツを替えるのも、裏返すのも、干すのも一苦労。
そこで、最初から抗菌・防ダニ・防臭加工がなされていれば、ズボラさんでも清潔さをキープしやすくなります。
ただし、この加工をしているマットレスは少ないので、最優先で選ぶ項目ではありません。
関連記事:マットレスのダニ対策
ポケットコイルマットレスの安いおすすめはニトリ
「安いポケットコイルマットレスがほしい!でもどこのメーカーかもわからない得体のしれないマットレスはイヤだな・・」
そんなあなたには「お、値段以上」でおなじみニトリの「圧縮ポケットコイルマットレス」をおすすめします。
税込8,990円。
スペックは正直いって並ですが、これで1万円を切るならコスパは充分以上です。
圧縮ロール梱包でコンパクトな形で配送されてくるので、狭いアパートでもつっかえずに難なく搬入できます。
パッケージを開封するときは刃物で生地を切らないようにだけ気を付けてください。
なおネット限定販売。ニトリの公式サイトまたは楽天で買えます。
ポケットコイルマットレスおすすめ人気メーカー
ポケットコイルマットレスのおすすめ人気メーカーを紹介します。
ネルマットレス
価格:75,000円
ネルマットレスは寝返りに特化した国産マットレスです。
エアウィーヴのように芸能人を起用した派手なテレビCMは展開していないため、一般的な知名度は低いですが、ネットではその品質が認められて人気上昇中。
通常の倍以上のコイルを敷き詰めてきめ細かく体圧分散。
スペックは10万円以上の高級マットレスに引けを取りませんが、価格はシングル7万円台に抑えたコスパのよさがウリです。
また、返金保証が充実しているのもウリの1つで、満足いかなかったら全額返金してくれる上、家まで取りに来てくれます。まさに至れり尽くせり。
寝返りを科学したマットレスで腰痛の人や体を気遣いたい人におすすめです。
(参考:ネルマットレスのクーポン情報)
(NELL)ネルマットレスの口コミは悪い?腰痛い評判と体験レビュー
源ベッド 日本製ポケットコイルマットレスハイグレード
価格:28,900円
源ベッドはコスパの良い国産マットレスです。
国産マットレスは10万円以上が当たり前の世界ですが、源ベッドはなんとシングル2万円台で入手でき、ダントツに安いです。
その割に品質は一級品。
コイルも耐久性の高い良いものを使っていますし、詰め物は抗菌防臭防ダニ加工で安心。
硬さも3種類から選べるので、それぞれの好みでそろえられます。
またサイズも豊富で、通常だとあまりないSSサイズからクイーンまで幅広いラインナップがあります。
そのコスパの良さで、小さな子供のいる30~40代の夫婦に人気です。
ちなみに、源ベッドの看板商品はヒノキ製ベッドです。
ヒノキの家具があると、それだけでお部屋が高級旅館の香りになります。
ヒノキベッドも一緒にあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
ちなみに買うなら限定特典として3年保証のつく公式サイトをおすすめします。
東京スプリング アワーグラス アールグレイ
東京スプリングのアワーグラスは、その名の通りコイルがアワーグラス(砂時計)の形をしているのが特徴。
大きいコイルと小さいコイルの長所を兼ね備えていて、最初はやわらかく受け止めて、深いところではググっと押し返してくる、たまらない寝心地のよさがウリです。
中でもアールグレイは体感温度を調節するドイツの「ボデット&ホースト社」の生地を採用していて、キルティング方法もバネの特性を生かす特殊な加工をしています。
日本職人の手で1つ1つ丁寧に作られた特殊コイルで、オンリーワンの寝心地が味わえます。
関連記事:東京スプリングマットレスの評判
東京ベッド rev7ブルーラベル
価格:88,000円
東京ベッドは1928年創業、100年近くの歴史がある日本最古のマットレスメーカーの1つです。
ポケットコイルマットレス一筋の歴史と伝統が生む手作りマットレス。
コイルは二度焼きして耐久性を高めているため、長寿命です。
おすすめはrev7ブルーラベル。
東京ベッドの中で唯一10万円を切る最廉価モデルにして一番人気商品です。
直径の違う3種類のスプリングを使い分けて硬さの違いを出しています。
関連記事:東京ベッドの評判
日本ベッド シルキーポケット
価格:170,500円
日本ベッドは皇室御用達の高級マットレスです。
コイルの質で勝負している職人気質のマットレスで、詰め物はあえて薄く、必要最小限のものしか使っていません。
シルキーポケットはウール入りでしっとりとした感触。その肌触りと沈み込みの気持ちよさで一番人気です。
硬さが3種類から選べます。
決して安くはありませんが、それだけの価値があるマットレスといえます。
関連記事:日本ベッドの評判
シモンズ ゴールデンバリュー
価格:176,000円
シモンズはマットレス御三家とも3Sともいわれる海外の高級マットレスです。
フォーシーズンズ・マリオット・帝国ホテルなど名だたる一流ホテルに採用されている輝かしい実績。
ピアノ線と同じ規格の最高級コイルを使用。通常の長さから40%圧縮しているため、ほどよく強い弾力性が味わえます。
また、ポケットコイルは一般的に通気性が悪いのですが、シモンズはニードルパンチ製法で通気性を向上させています。
中でもゴールデンバリューはスタンダードかつロングセラーの看板商品です。
やや硬めの寝心地でしっかり体を支えてくれます。
関連記事:シモンズマットレスおすすめ
サータ ポスチャーベーシック
マットレス御三家の一つ、サータ。
高級ホテルでの採用実績が多数あります。
特徴は難燃性の「ファイアーブロッカー」層が組み込まれています。
ポスチャーベーシックは10万円を切る比較的お求めやすい価格のスタンダード版。
やや硬めの寝心地ですが、腰はしっかり支えて他は柔らかく受け止めるゾーニングを行っています。3ゾーンまたは5ゾーンの区切りで、それぞれの部位の重さに応じた最適な反発力で体を受け止めます。
関連記事:サータマットレス評判
アンネルベッド
アンネルベッドはピアノ線を使った高級コイルが特徴。
不純物が少なく炭素含有量の高い最硬鋼と呼ばれる材料を使っているため、引っ張り強さやねじり強さ、いわゆる「動荷重に耐える力」が圧倒的に高く、理想的なバネといわれています。
このしっとりした寝心地が味わえるのはアンネルベッドだけ。
また、コイルの二度焼き(デュアルテンパー)をして耐久性を高めています。
通気性を高める工夫として、側面にボーダーラッセルというメッシュ生地をくまなく配置し、空気の出入りがしやすいようにしています。
一番おすすめは「アソート7 SO/HA P750 ニューワインド7Hゾーン」です。
おすすめの理由は、
・腰部分が強化されて腰痛持ちでも寝返りがラク
・左右の端も強化されているのでフチがへたりにくい
・ハニカム配列でコイルぎっしりだから耐久性が高い
関連記事:アンネルベッドの評判
ポケットコイルマットレスおすすめ比較一覧表
ポケットコイルマットレスの比較一覧表
ネルマットレス | 源ベッド | 東京スプリング | 東京ベッド | 日本ベッド | シモンズ | サータ | アンネルベッド | |
ネルマットレス | 日本製ポケットコイルマットレスハイグレード | アワーグラス アールグレイ | rev7ブルーラベル | シルキーポケット | ゴールデンバリュー | ポスチャーベーシック6.8F1N |
アソート7 SO/HA P750 ニューワインド7Hゾーン
|
|
価格(シングル税込) | 75,000円 | 28,900円 | 不明 | 88,000円 | 170,500円 | 176,000円 | 176,000円 | 79,000円 |
生産国 | 日本 | 日本 | 日本 | 日本 | 日本 | アメリカ | アメリカ | 日本 |
厚さ | 21㎝ | 23㎝ | 30㎝ | 27㎝ | 25㎝ | 29.5㎝ | 27㎝ | 29㎝ |
硬さ | ふつう | 3種類から選べる | ふつう | 3種類から選べる | 3種類から選べる | かため | かため |
2種類から選べる
|
返金保証 | 120日 | なし | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
品質保証 | 10年 | 3年 | 不明 | 2年 | 2年 | 2年 | 2年 | 2年 |
抗菌防臭加工 | あり | あり | あり | あり | あり | なし | なし | なし |
ポケットコイルマットレスとは?
ポケットコイルマットレスとは、名前の通りコイルがポケットと呼ばれる不織布の袋に入ったマットレスです。
コイルはらせん状。1つ1つ独立していて、(シングルサイズで)500~1000個程度ぎっしり隙間なく並べられていて、体を点で支えるのが特徴です。
ポケットコイルとボンネルコイルの違い
ポケットコイルとボンネルコイルははっきり構造が違うのですが、言葉だけ聞いてもわかりづらいですよね。
そこで特徴の違いを表にしました。
ポケットコイル | ボンネルコイル | |
特徴 | 点で支える | 面で支える |
価格帯 | 高い | 安い |
硬さ | 柔らかめ~硬め | 硬め |
寿命 | 6~8年 | 8~10年 |
通気性 | 悪い | 良い |
振動 | 伝わりにくい | 伝わりやすい |
どれを重視するのかでおすすめするものが変わってきます。
なお、「高密度連続スプリング」というワードを聞いたことがあるかもしれませんが、これはフランスベッドの独自のコイル構造です。
ボンネルコイルに近い構造で、一本の鋼線から編み上げるため品質ムラが少なく耐久性が高いとされています。
関連記事:ポケットコイルとボンネルコイル
ポケットコイルマットレスのメリット・デメリット
ポケットコイルマットレスのメリット:
・体圧分散性が高い
・振動が伝わりにくい
・好みの硬さを選べる
ポケットコイルマットレスのデメリット:
・耐久性があまり高くない
・通気性が悪い
・重い
・処分が大変
順に解説します。
ポケットコイルのメリット①体圧分散性が高い
ポケットコイルは体圧分散性が高いです。
コイルが1つ1つ点で支えるので、周囲の重さに影響されません。
重い部分のスプリングは深く沈み、軽い部分のスプリングは浅く沈み、身体の凹凸にフィットして、体に負担のかからない最適な寝姿勢で眠れます。
体圧分散性が低いと、腰や肩甲骨など重心となる部分に重みが集中して、腰痛や背中の痛みの原因になることがあります。板張りの床に寝ると体が痛くなりそうなのは容易に想像できますね。
寝たきりの人を放置すると床ずれになるのは、圧力の分散ができず一か所にダメージが集中するのが原因です。
体圧分散性が高いのは優秀なマットレスの条件です。
参考:(論文)力学試験と超弾性モデルの適用によるウレタンフォームマットレスの骨突起部圧分散メカニズムの解明
ポケットコイルのメリット②振動が伝わりにくい
ポケットコイルは振動が伝わりにくく横揺れも少ないです。
夫婦や子供と一緒に寝るとき、隣の人が寝返りするたびに自分に振動が伝わってくると、眠りの浅い人ならそれだけで眠れなくなってしまいます。
しかし、ポケットコイルマットレスだと体重を支えているのは単独のコイルで連結されていないため、どれだけコイルが沈んでも揺れても、他のコイルにあまり影響しません。
パートナーの寝返りが気になって眠りづらいという人には、ポケットコイルをおすすめします。
ポケットコイルのメリット③好みの硬さを選べる
ポケットコイルはボンネルコイルと違って好みの硬さを選べます。
ボンネルコイルはコイル同士が連結されているため、沈み込みが少なく、硬さを変えようと思うと、ほとんど詰め物の違いで出すしかありません。
しかし、ポケットコイルはコイルの太さや長さを調節することで、幅広い硬さのバリエーションを作ることができます。
埋もれる寝心地が好きな人は長いコイルを選べばいいですし、硬めの寝心地が好きな人は太いコイルを使っているものを選べばOK。
特に柔らかいマットレスが好みの人は、ポケットコイルだと選択肢の幅が広がります。
ただし、柔らかいものほど高級になる傾向があります。
柔らかい感触にするためにはコイルを細くする必要がありますが、細くすればするほどもろくなるので、細さと耐久性を両立させるには高い技術が必要だからです。
ポケットコイルのデメリット①耐久性があまり高くない
ポケットコイルの耐久性はボンネルコイルに比べて高くありません。
その理由は、ボンネルコイルはコイル同士が連結されていて、衝撃をマットレス全体でカバーするのに対し、ポケットコイルは単独のコイル1本1本で体重を支えているためです。
同じコイルでも、隅っこに位置するコイルと、腰を乗せる部分のコイルでは、後者のほうが消耗が早くなります。
使う頻度や強度が違うので仕方ありませんね。
そのため、コイルやその上の詰め物は腰部分からへたってきます。
側生地をひっぺがしてそこだけ取り換えるわけにはいかないので、へたったら丸ごと交換することになります。
なお、へたりを回避して寿命を長くするには、ローテーションが有効です。
マットレスの上下や表裏を2~3ヶ月に一度ひっくり返すことで、腰が当たる部分がズレて同じ場所にダメージが蓄積することが抑えられます。
関連記事:マットレスの寿命
ポケットコイルのデメリット②通気性が悪い
ポケットコイルは通気性が悪いです。
その理由はコイルが1つ1つ袋に入っているため。
マットレス内部に小さく仕切られた小部屋がたくさん並んでいるイメージです。
袋の材料は不織布といって、マスクにも使われれる素材。一応空気は通しますが、風通しがいいとはお世辞にも言えません。
不織布で仕切られた空間が何百個も並んでいるので、どれだけ強い風が吹いても、おいそれと内部の空気は入れ替わりません。
ここで心配になるのがカビです。寝ている間にかいた汗がマットレスに染み込み、内部に湿気がたまってカビの原因になります。
「マットレスの内部は見ることも触ることもないから大丈夫」といってしまえばそれまでですが、中にカビが生えているかもと思いながら生活するのは、気持ちがいいものではありませんよね。
通気性の悪さを改善するために、各社ともエアレット(通気口)を設けたり側面をメッシュ地にしたりと工夫をこらしていますが、ポケットコイルという構造上、限界があります。
そこで、汗がなるべく染み込まないよう、シーツや敷きパッドをちゃんと敷きましょう。
あるいはマットレスプロテクターで包んで物理的に水分を遮断する方法もあります。
身体から出た水分がマットレスに到達するのを避ければ、内部にカビが発生することは避けられます。
マットレスの上になにも敷かずに直に寝るのはおすすめしません。
関連記事:通気性の良いマットレス
ポケットコイルのデメリット③重い
ポケットコイルマットレスはマットレス素材の中でもっとも重いです。
使われている金属の数が多いため、自然と重量が増えてしまいます。
シングルサイズで軽いものでも15kg。コイルが2段になっているなど、コイル数が多いと、30kgを超えるのもザラです。
ちなみにウレタンマットレスだとせいぜい7~8㎏。女性でも動かせる重さですね。
でも、15㎏や20㎏もあると、お部屋の模様替えをしたいときなどに気軽に動かせません。
飲み物をこぼしてしまい、ちょっとベランダで干したいなと思っても、なかなか難しいですよね。
無理に動かすとむしろ腰を痛めてしまう心配があります。
いったん設置したら動かさない!と決めているなら問題ありません。
ポケットコイルのデメリット④処分が大変
ポケットコイルは処分が大変です。
捨てるなら粗大ゴミ一択。
費用も手間もかかりますし、休日しか動けないという制限もあり、何かと面倒です。
解体して燃えないゴミ(コイル)と燃えるゴミ(詰め物)に分別して捨てることも、不可能ではありません。
しかし、生地を切り裂いて中を開け、500個もあるコイルを不織布の中から1つ1つ取り出して・・・といった手間を考えるととても現実的ではありません。
ちなみにウレタン製やファイバー製だと、カッターで切って燃えるゴミに出せばいいのでお手軽です。
あまり長く使わない、いつ引越しするかわからないのなら、パッと捨てられるノンコイルマットレスをおすすめします。
ポケットコイルマットレスおすすめ:処分方法
ポケットコイルマットレスの処分方法はいくつかあります。
・粗大ゴミに出す
クリーンセンターに自力で持ち込む方法です。運ぶための車が必要なのと、処分費用がかかるのがネックです。
・廃品回収業者に引き取ってもらう
不要なものを一切合切引き取ってくれるサービスがあります。
引越しなどの際に活用できます。処分費用がかかりませんし、家まで来てくれるので、ラクです。
・近所で引き取ってもらう
ジモティーなどのネット掲示板を使えば無料で掲載できます。
「引き取りにきてくれたらタダ!」といった条件をつければ、自分で運ぶ必要がないのでラクです。引越し直前なら、自宅バレしてもあまり気にしなくてすみますね。
・ネットで売る
メルカリやヤフオクで出品します。
かなり年季の入ったマットレスでも、それなりの低価格に値付けすれば売れます。
ただし梱包・発送が手間です。自宅での引き取りを条件にして価格を下げるというのもアリですね。
また、あまりにへたったマットレスを出品すると評価が下がるので、得策ではありません。
関連記事:マットレスの処分方法