横向き寝マットレスの選び方
マットレスに横向きになって寝る習慣や癖があって、
・寝ても疲れがあまり取れていない
・落ち着いて寝れない
・体にマットレスがフィットしない
などと悩んでいませんか?
横向き寝の場合、仰向け寝とはマットレスに求める内容が異なるため、どれだけ世間的にいいといわれるマットレスを使用していたとしても、合わないことがあるのです。
くわえて、横向き寝なのか、仰向け寝なのかによって、体に負担をかけにくい理想的な寝姿勢も異なります。
ですから、寝方によって選び方が変わることは、むしろ当然のことなのですよね。
わざわざ合わないマットレスを選んで失敗してしまわないためにも、横向き寝に適したマットレスを選べるよう、ポイントを5つご紹介します。
①硬さはふつう~柔らかめ
横向き寝の場合、マットレスの硬さはふつう~柔らかめのものを選ぶようにしましょう。
理由は、横向き寝の場合、肩の高さがあるからです。
肩の沈み込みがない硬めのマットレスを使用していると、
・頭の位置が下がり首筋や頸椎に負担がかかる
・肩に痛みや圧迫感が出る
など、姿勢の崩れや痛みの原因になります。
横向き寝の理想的な寝姿勢は、頭から腰までの背骨がまっすぐ一直線になり、地面と平行になっている状態です。
肩がある程度沈まないと、この姿勢にはなりません。
どの程度の柔らかさがいいかは、体型(体重)や骨格によっても異なります。
マットレスの選ぶ基準として、硬めのものはNG、かといって柔らか過ぎてもよくないので、ふつう〜柔らか過ぎない程度のものを選ぶように意識してみましょう。
②センターハードで寝返りがうちやすい
肩が当たる部分は柔らかめ、腰の部分は硬めという具合に、場所によって硬さを変えて作られているマットレスがあります。
こういった構造はセンターハード、もしくは3ゾーン構造と呼ばれていているのですが、その最大のメリットは、腰をサポートしてくれるので寝返りがしやすいことです。
柔らかいマットレスを使用して、肩の沈み込みがあるものを選んだとしても、腰まで深く沈み込んでしまうと、今度は腰がマットレスに埋もれてしまう状態になってしまいます。
すると、
・腹筋を使用しないと寝返れない
・寝返りの回数が減る、寝返りの妨害する
・寝返りがスムーズにできず目覚める
などの安眠を妨げる原因が生まれるのです。
寝返りは生理現象ですから、スムーズな寝返りをできる工夫が施されたセンターハードのマットレスを選ぶようにしましょう。
ちなみにセンターハードは腰の負担軽減もできるので、腰痛対策としてもおすすめされることがあるのですよ。
③厚みは10㎝以上
肩の沈み込みもふまえて、厚みが10㎝以上あるマットレスを選ぶようにしましょう。
いくら柔らかめで肩の負担が軽減できるマットレスを選べていたとしても、厚みが足りないと底付き感(地べたで寝ているような状態)があって、かえって痛みや圧迫感の原因になってしまいます。
マットレスは体の負担を緩和するために使用するものです。
それにもかかわらず、マットレスが体の重さ(体圧)を受け止める役割をできていないのであれば逆効果になってしまいます。
仰向けとは違って、特に、横向き寝はマットレスに接する面が曲線になる寝姿勢です。
厚さがあまりないものを使用すると、出っ張っている部分に負担が集中しやすくなってしまいますので、厚みがあるタイプを選ぶとよいでしょう。
④体圧分散性が優秀
寝転んだときに、バランスよく体圧分散してくれる素材を使用しているマットレスや、工夫が施されているマットレスを選びましょう。
体圧分散性が高いマットレスの素材は、
・ウレタン
・ポケットコイル(スプリング)
・ジェルトロン
・ファイバー
・ラテックス
などがあります。
こういった素材の特徴から選ぶのがおすすめです。
また、体圧分散の工夫がされているマットレスの特徴としては、
・何層かの構造になっていて負担を軽減する作りになっている
・体圧分散性の高い素材を組み合わせている
・へたりにくい設計になっている
などが挙げられます。
こういったマットレスを選ぶことで、理想の寝姿勢を保てるうえに、体の負担も軽減することができ、体をしっかり休められるメリットがありますので、参考にしてみてくださいね。
⑤セミダブル以上の広めのサイズ
横向き寝の場合、横幅が狭いマットレスを使用していると、寝返りしたときにベッドから落ちることがあります。
そのため、広々と寝返りができる大きめのサイズのマットレスを選ぶようにするとよいでしょう。
仰向け寝のときよりも横向き寝のときのほうが、寝返りに使用する範囲が広いうえに、勢いよく寝返りをしてしまうことがあるからです。
自分がベッドからずり落ちてしまうのみならず、その勢いで掛け布団が体からずり落ちてしまい、体が冷えてしまう原因にもなります。
寝室の広さなどの理由から、難しい面もあるかもしれませんが、幅に余裕のあるマットレスを使うだけで、こういったトラブルは防げますので、できればセミダブル以上の広さがあるものを選ぶようにしてみましょう。
横向き寝マットレスおすすめ
横向き寝のマットレスの選び方がわかったところで、実際にどんなマットレスがあるのか気になるところですよね。
知識が増えても、どんなものがあるのか見てみないと、比較検討しようがありません。
ですのでここでは、横向き寝におすすめなマットレスをいくつかピックアップしてご紹介します。
なぜ横向き寝におすすめなのか、どういった特徴があるものなのかを知れば、具体的にどんなマットレスがいいのか、どんなものが自分に合いそうなのかイメージしながら確認してみてください。
ネルマットレス
ネルマットレスはコイルタイプのマットレスです。
・肩のあたりは柔らかめのコイル
・腰のあたりには硬めのコイル
・下半身から足あたりは柔らかめのコイル
を使い分けた、センターハード構造になっています。
小さめのコイルを使用しているため、コイルの数の使用量も他のマットレスよりも遥かに多く、お陰で細かい体のパーツに合わせた体圧分散力に長けているのが最大のメリットです。
21cmの厚みがあるのですが、ただ単に厚みがあるというわけではありません。なんと21cmの厚みは13層にもおよぶ層でできているのです。
薄めのウレタンと不織布を交互に積み重ね、なおかつ、消臭・抗菌効果のある綿生地を使用して衛生面にまでバッチリ配慮されています。
分厚いウレタンを使用してしまうと、ムレや熱のこもりの原因になり、熟睡できない原因になってしまうことがあるのですが、そのデメリットを排除するために、これほどの工夫がなされているのですね。
また、120日間のトライアル期間があり、試してみて合わなかったら、返品送料はネル負担で全額返金という保証がついてきます。
さらに10年もの保証がついてくるので、それだけの自信があるからできることですよね。
なお、ネルマットレスのスペックは以下のとおりです。
種類 | サイズ |
シングル |
縦195cm × 横95cm
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セミダブル |
縦195cm × 横120cm
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ダブル |
縦195cm × 横140cm
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クイーン |
縦195cm × 横160cm
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キング |
縦195cm × 横190cm
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関連記事:(NELL)ネルマットレスの口コミ(良い&悪い)腰痛への評判は?
モットン
モットンが独自開発した高反発ウレタン「ナノスリー」を使用しているため、体圧分散と反発力に優れたモットンマットレス。
モットンマットレスのメリットは体重や骨格に合わせて硬さを選べることと、90日間返金保証があることです。
使ってみて満足できなければ商品代金は返金するという保証があるので、「せっかく買って合わなかったら…」という不安も払拭できるのではないでしょうか。
また、「買ってみたけど、硬さがいまいちで違う硬さのものに変えてほしい」という場合には、送料を支払うだけで、硬さの違うマットレスに交換してもらうこともできます。
寝返りもしやすく、「体の疲れがマットレスでこんなにも変わるんだ!」という嬉しい声も多数寄せられているモットンマットレスは、数々の老舗旅館や整骨院で採用されており、雑誌や新聞にも取り上げられたことのある実力派。
横向き寝でもしっかり重さに合わせて体圧分散をしてくれるため、肩の痛みも軽減できるうえに、理想の寝姿勢を保てる反発力があります。
なお、モットン(Motton Japan)の高反発マットレスのスペックは以下のとおりです。
種類 | サイズ |
シングル |
縦195cm × 横97cm
|
セミダブル |
縦195cm × 横120cm
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ダブル |
縦195cm × 横140cm
|
厚みは10cmありますし、沈み込み過ぎすぎない素材のため、横向き寝マットレスとしては有効といえますね。
関連記事:モットンの口コミは悪い?高反発マットレスの辛口評価
雲のやすらぎプレミアム
厚さが17cmもあるうえに、5層構造になっている雲のやすらぎプレミアムのマットレス。
耐久テストでは8万回寝ても99.9%へたらなかったという復元率は、優れた反発力の証拠といえますね。
気になる5層構造の内訳は、
・羊毛(フランスロレーヌ産)
・凹凸アルファマット(凹凸の点で体を支えるため通気性に優れたウレタン素材)
・高反発スプリングマット(適度な反発力と安定性のあるウレタン素材)
・凹凸アルファマット
・マイティトップⅡanECO(防ダニ・防臭効果のある中綿)
となっており、寒い季節(秋冬)には羊毛の面を上に、温かくなる季節(春夏)にはマイティトップⅡanECOの面を上にという使い分けも可能です。
また、100日間の返金保証もついているので、使ってみて合わなかったという場合にも対応してもらえます。
なお、雲のやすらぎプレミアムのスペックは以下のとおりです。
種類 | サイズ |
シングル | 縦200cm × 横100cm |
セミダブル | 縦200cm × 横120cm |
ダブル | 縦200cm × 横140cm |
関連記事:【雲のやすらぎプレミアムの悪評】腰痛悪化?口コミの評判と真相
ニトリ NスリープコンフォートCF1-02
一般のコイルマットレスよりも細長いコイルを、高密度でふんだんに使用している、NスリープコンフォートCF1-02。
ニトリのNシリーズの中でも群を抜いた体圧分散力です。
マットレスの外側と内側で線径と巻きの数が違うコイルを使用しているため、へたりがちなマットレスの端の部分もしっかり補強されています。
細目のコイルをたくさん使用することで、体圧分散性と安定性があり、フィット感もあるため、肩の負担もしっかり受け止められますし、厚さも28cmありますので、横向き寝のマットレス選びに必要な要素はクリアできているマットレスといえそうです。
なんといってもニトリの強みは、店舗で試し寝をしてから購入できるということ。
サイズが大きいので、試してみてよかったらオンラインで注文というのもできますし、マットレスには30年もの保証がついてくるので、安心にして購入できる条件が揃っていますよね。
なお、ニトリ NスリープコンフォートCF1-02は以下のとおりです。
種類 | サイズ |
シングル |
縦197cm × 横97cm
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セミダブル |
縦197cm × 横120cm
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ダブル |
縦197cm × 横140cm
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クイーン |
縦197cm × 横170cm
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シングルマットレス(Nスリープ コンフォートCF1-02)通販 | ニトリネット【公式】 家具・インテリア通販
関連記事:Nスリープの口コミ!ハード・プレミアム・ラグジュアリー
西川エアー01
寝具の日本の老舗メーカーといえば西川!
西川からも「エアー」という、横向き寝におすすめな、高反発ウレタンのマットレスが販売されています。
パッと見た感じは凸凹して「寝たときの感じってどうなの?」と思うでしょうが、それぞれの凹と凸でしっかり体圧分散を受け止め分散してくれるので、商品の名前のとおり、空気中にふわふわと浮いているような感覚が味わえます。
床に直置きして敷き布団として使用するタイプは8cmの暑さ、ベッドマットレスとして使用する場合は14cmと厚さは2種類展開、さらに硬さもベーシックとハードの2種類展開になっているため、体型や好みに合わせて選べます。
また、ウレタン素材の起こりがちな、ムレや熱のこもり。
これに関してはクロスホール(上下に通貫している空気孔)があるため、通気性・除湿という面でもデメリットがカバーされているので、睡眠中の不快感も軽減できる設計になっています。
なお、西川エアー01は以下のとおりです。
種類 | サイズ |
シングル |
縦195cm × 横97cm
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セミダブル |
縦195cm × 横120cm
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ダブル |
縦195cm × 横140cm
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80サイズ ※受注生産 |
縦195cm × 横80cm ※2枚並べるとクイーンズに
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90サイズ ※受注生産 |
縦195cm × 横90cm ※2枚並べるとキングサイズ
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関連記事:【大谷翔平のマットレス】西川エアーの口コミ!腰痛い評判と寿命
横向き寝マットレストッパーおすすめ
何年も使用しているマットレスで劣化が激しかったり、根本的にマットレスの材質が合っていなかったりということでもない限り、まるまる買い替えるというのも勇気がいるでしょう。
そんなときには、既存のマットレスの上に「マットレストッパー」を使用するのもおすすめです。
マットレストッパーとは、既存のマットレスの上に敷いて使用する補助マットのようなもので、
・劣化スピードを穏やかにさせる
・劣化部分を補強する
・マットレスをまるまる買い替えるよりもコストが抑えられる
などのメリットがあります。
横向き寝に適したマットレストッパーもいくつか紹介しますので、「買い替えるまでは…」と躊躇している人も参考にしてみてくださいね。
エムリリー優反発トッパー
デンマークの寝具ブランド・エムリリー(MLILY)。
日本ではあまり聞き慣れない人もいるかもしれませんが、サッカーの名門チーム、マンチェスターユナイテッドの公式寝具サポートをしているほどの実力のある寝具メーカーなんですよ。
そんなエムリリーが独自開発した「優反発」素材を使用した、5cmの厚みのマットレストッパーが販売されています。
優反発の特徴は、2重構造になっていて重さによって反発力が変わるということです。
上部は低反発ほど柔らかいわけでもなく、高反発ほど硬いわけでもない「優反発」を使用、下部には安定性や寝返りをサポートする反発力に長けた高反発を使用しています。
こうすることで、横向き寝でも肩はしっかり沈み込むにもかかわらず、反発力がなすぎて寝返りがしづらいということもありません。
しっかり体圧分散もできて、かといって硬すぎない・柔らかすぎないというのは、横向き寝の救世主といえるのではないでしょうか?
なお、エムリリー優反発マットレスのスペックは以下のとおりです。
種類 | サイズ |
セミシングル |
縦195cm × 横80cm
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シングル |
縦195cm × 横97cm
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セミダブル |
縦195cm × 横120cm
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ダブル |
縦195cm × 横140cm
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関連記事:エムリリー優反発マットレスの口コミ!悪い評判はある?
エアウィーヴ スマート02
肩の部分を柔らかめに、腰や足元は適度な硬さにという設計になっている、エアウィーヴのスマート02。
マットレスの素材には独自開発の「エアファイバー」(ファイバー)が採用されいるのですが、このエアファイバーの強みは、
・シャワーで流しせる、丸洗いOK
・ファイバーなのでへたりにく
・通気性がいい
・反発力があり寝返りがしやすい
・体圧分散に長けている
などがあります。
理想の寝姿勢が保ちやすい構造になっているうえに、シャワーで丸洗いできるというのは、衛生面を気にする人でも嬉しいメリットといえるのではないでしょうか?
なお、エアウィーヴのスマート02のスペックは以下のとおりです。
種類 | サイズ |
シングル |
縦195cm × 横97cm
|
セミダブル |
縦195cm × 横120cm
|
ダブル |
縦195cm × 横140cm
|
エアファイバーの厚み3.5cmに、ファイバーを包むカバー1mを合わせて、トータルは4.5cmほどの厚さになっています。
関連記事:エアウィーヴの口コミは悪い?後悔したデメリットの評判を調査
横向きで肩が痛い・痺れるときの原因と対策
横向き寝の場合、体の片方に体圧が集中してしまう寝姿勢になります。
そのまま長時間寝ているわけですから、下に向いている側の腕や肩の血管も圧迫されて、血流が悪くなり、冷えや血行不良による凝りの原因になってしまうのです。
また、下に向いているほうの骨格や筋肉にも負担が増えて、巻き肩になってしまうこともあります。
肩が圧迫されて内側に巻き込むような寝姿になり、肩甲骨が引っ張られて外に向き、回旋筋腱板も一緒に引っ張られて緊張状態が続いている状態です。
回旋筋腱板とは、肩甲骨に繋がっている4つの筋肉の総称のことで、以下の名称と役割があります。
名称 | 役割 |
棘上筋(きょくじょうきん) |
腕・肩を上げるときに使う筋肉
|
棘下筋(きょくかきん) |
腕を外側に動かすときに使う筋肉
|
小円筋(しょうえんきん) |
肩を外側に動かすときに使う筋肉
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肩甲下筋(けんこうかきん) |
腕・肩を内側に動かすときに使う筋肉
|
そして、肩甲骨に付随している前鋸筋(脇下・脇腹あたりにある筋肉)は肩甲骨が開いた状態になることで、収縮したままの状態になってしまうのです。
・血流の停滞
・肩甲骨に繋がる筋肉が長時間、緊張状態になってしまう
・肩甲骨に繋がる筋肉が収縮しっぱなしになってしまう
などの状態が続くことで、筋硬結(きんこうけつ:筋が収縮した状態のまま凝りの状態)になり、痺れや痛みを感じる原因になります。
つまり、痺れや痛みを取るには、こういった肩甲骨周りの筋肉に負担がない状態を作ることがポイントなんですね!
痛みやしびれを感じる原因がわかったところで、ここからはできる対策について考えてみましょう。
対策①仰向けで寝る
シンプルな対策ですが、仰向けでも寝れるのであれば、仰向けで寝るようにしましょう。
癖や習慣から最初は寝付きにくいと思うかもしれませんが、本来、人間の一番の理想的な寝姿勢は仰向けといわれています。
・仰向け寝は体圧分散がしやすい
・背骨に負担がかかりにくく、睡眠中の姿勢の乱れを防げる
・寝姿勢が安定して、圧迫感がないため血流も流れやすい
などのメリットがある寝姿だからです。
横向き寝でピンポイントに体圧を受けてしまい、痛みや炎症にまで発展してしまっていては、せっかくの体を休めるための睡眠で具合が悪くなるなんて、本望ではありませんよね?
仰向け寝にする、たったそれだけでも、肩の負担は激減しますよ。
対策②厚めの敷きパッドを敷く
使用している寝具に厚めの敷きパッドを敷いて、マットレスに段差ができにくい状態を作りましょう。
厚めの敷きパッドを使用することで、体の接地面に柔らかさが出ます。
そうするだけでも、肩を含めた接地面の圧迫感が軽減され、筋肉や骨格への負担を抑えることが可能です。
応急処置で、「枕の高さを高くしたら肩も持ち上がっていいんじゃなか?」と考える人もいますが、それでは頭と肩の位置だけが高くなり、首と腰に負担がかかるようになってしまいます。
すると今度は、別の痛みに悩むはめになってしまう可能性もがあるのでおすすめしません。
対策③肩周りが柔らかいマットレスに替える
肩甲骨周りを圧迫しにくくするために、肩周りの部分は柔らかく、腰の部分は硬い設計になっているセンターハードのマットレスを使用するようにしましょう。
最近では、マットレスの硬さを一面すべて統一させているものだけではなく、上から下まで体圧分散を高めるように硬さを変えているマットレスもいくつか販売されています。
ゾーニングとも呼ばれ、
・肩、腰、足の部分の硬さを変えた3ゾーンタイプ
・頭・肩・背中・腰・太腿・ふくらはぎ・足までの硬さを変えた7ゾーンタイプ
・上から下の縦のゾーンタイプのみならず、幅のあたる部分にもゾーンを加えたもの
など、寝姿に合わせてほどよい沈み込みと反発感を持たせたマットレスもあるんですよ。
腰の部分まで柔らかいタイプにしてしまうと、寝返りがしづらくなってしまうので、肩の痛みを軽減するという目的であれば、センターハードのもので十分効果を感じられることでしょう。
対策④接骨院を受診する
あまりの痛さや痺れで、日常生活にまで支障があったり、痛くて寝方をどうこうしたところで改善できそうになかったりするようであれば、しっかり接骨院や整骨院を受診するようにしてください。
整体院やカイロプラクティックなどもありますが、接骨院や整骨院のほうがおすすめです。
もちろん、相性の合う整体師がいるのであればいいのですが、接骨院や整骨院の場合、国家資格を持っている人が運営している院なので、保険適用が受けられます。
また、自然治癒力を高めていくような施術をおこなってくれるため、ダイレクトに今ある痛みを緩和するための策を講じてくれるのです。
整体やカイロプラクティックの場合は費用が高くなったり、自己流の人もいらっしゃるので、痛みが改善できない可能性も…。
ちなみに、補足ですが、整形外科の場合は、医師による診断、薬の処方などでの対応になるため、痛みに対して施術をするということはしません。
しかし、万一、接骨院や整骨院でさまざまなことをやってみても、痛みや痺れが消えないということであれば、整形外科など、しっかりした病院に診てもらうことも大切です。
ただの痺れや痛みではなく、病気などの可能性も考えられます。
横向き寝をさらに快適にするコツ
これまでご紹介してきたような、
・マットレスを変える
・敷きパッドを使う
・接骨院や整骨院に頼る
などと平行しつつ、横向き寝でさらにいい睡眠が取れるようにするコツがあります。
体の疲れを癒すための睡眠ですから、自分の好きな寝方で快眠したいでしょうし、仰向け寝をしても気づいたら横向き寝に戻っていて、そう簡単には寝姿勢を変えるのは無理という人もいるでしょう。
よりよい睡眠がとれるのであれば、やってみて損はありません!
横向き寝の人がさらなる快眠を得るためにできることを3つご紹介します。
枕を横向き寝用に変える
横向き寝用の枕があるのをご存知でしょうか?
・横向きになっていても耳が痛くなりにくい
・肩の高さを補うために少し高めになっている
・真ん中は窪んで両端は高めになっている
・横向きになったときに背中を支える形になっている
・横向き寝でも寝返りしやすい
など、横向き寝で起こりうるトラブルをカバーできるような設計になっています。
寝ている間のことですから、意識して横向き寝の理想の寝姿勢を維持するのって、なかなか難しいものですよね。
ですから、できるだけ理想の寝姿勢をサポートする工夫が施されている枕を使って、負担を軽減できるものを選びましょう。
枕ひとつで睡眠の質も変わってきますよ!
関連記事:横向き寝の枕おすすめランキング!肩が痛くならない・いびき対策に
寝る向きを変えてみる
寝具の位置はそのままで、いつもと逆の向きに寝てみましょう。
たとえば、いつも西側に頭を向けているなら、東側に頭を向けて寝るといった具合です。
というのも、マットレスも毎日使用していたらへたってきます。
毎晩同じ方角に寝ているでしょうから、マットレスの同じ部分にばかり負荷がかかって、同じ部分ばかりが劣化してくるのも当然のことです。
もし、頭を向ける方位(風水など)にこだわりがある人は、自分の寝る方角は同じままで、マットレスの上下を入れ替えるだけでも構いません。
裏表関係なく使用できるようなマットレスを使用しているのであれば、裏表を逆にしてみるのもひとつです。
マットレスと体の接地する場所が少し変わるだけでも、寝たときの感覚にいくぶん差は出てきます。
より弾力のある、劣化の少ない部分に寝るようにしてみるのも対策としてはおすすめですよ。
クッションや抱き枕を使う
横向き寝の人におすすめなのが、クッションや抱き枕を使って、体勢・寝姿勢を安定させる方法です。
一般的な枕では、寝姿勢を安定させることができないこともありますし、体圧が分散できない状況になってしまうことがあります。
しかし、クッションを抱き込むようにして寝たり、抱き枕を抱いて寝たりすることで、ダイレクトに肩腰に体圧がのしかかってしまわないようにすることができるメリットがあるのです。
寝姿勢を安定させると、力を入れないでリラックスできる状態にできますから、熟睡もしやすくなってきます。
横向き寝をする人には腰痛持ちの人も多いのですが、クッションを使うことで肩のみならず、腰も楽に感じることもあるので、やってみる価値ありですよ!
横向き寝マットレスQ&A
横向きで寝るメリットやデメリットは?
横向き寝のメリットは、呼吸がしやすくなることと腰の負担が軽減できることです。
反面、デメリットは、下になるほうの体(特に肩)に負荷がかかること、安定した姿勢で寝られないことが挙げられます。
メリットである呼吸のしやすさについては、ストレートネックの人や肥満体型の人にとっては、喉の圧迫感がない寝姿勢になるためです。
また、横向き寝は腰痛持ちの人や妊婦の場合にも、腰全体に負担がかかりにくい寝姿勢といえます。
しかし、デメリットを考えてみると、自然な姿勢を保ちづらいことや、体圧がピンポイントに集中してしまいやすいことから、
・肩こり、痛み
・首こり、痛み
・肩から腕への痺れ
などが起こる原因にもなりかねません。
横向きで寝ると顔がゆがむ?
横向きで寝る習慣があったとしても、顔が歪んでしまうことはありません。
1日の6~8時間もの睡眠時間中に横向きで寝ていたら、顔にゆがみが出てしまうのでは?片方ばかり圧迫されて左右非対称にならない?などと心配になることもあるでしょう。
特に赤ちゃんの場合、寝る方向を工夫しないと絶壁になるなんていいますし、骨に影響があるのでは…と思う人もいるかもしれませんが、それはあくまで骨の形が完成していない赤ちゃんの話です。
大人の場合はすでに骨の形ができ上がっているため、寝方で骨が変形してしまうようなことはないので、安心してください。
ただし、顎関節症については、少し気をつけておきたい点もあります。
顎関節症の原因は主に、
・歯並びや噛み合わせ
・顎の筋肉
・ストレス
・事故やケガなどの外的要因
・蝶形骨や口蓋骨のズレ、骨格
・うつ伏せでの読書(あごのしゃくれた状態・あごを突き出す姿勢で長時間過ごす)
などがあるのですが、気をつけてたいのは「歯並びや嚙み合わせ」についてです。
歯の骨自体の変形や関節の変形ということはありませんが、歯列矯正があるように歯は長時間、圧をかけると動きます。
つまり、片方にばかり向いて寝ていると嚙み合わせが合わなくなってしまうケースがあるのです。
同じ方向にばかり向いて寝ないようには気をつけておきましょう。
参考:態癖(寝る姿勢について) | 戸越銀座KT歯科・矯正歯科
横向き寝には高反発と低反発どちらがいい?
横向き寝におすすめなマットレスの素材は、低反発よりも高反発のほうがいいでしょう。
高反発の場合、沈み込み過ぎないため寝返りがしやすいというメリットと、硬すぎるわけでもないため、肩が適度に沈み込むメリットがあります。
かといって、低反発がダメなのかというわけでもありません。
低反発も体にフィットして、体圧分散しやすいというメリットがあります。
そのため最近では、低反発と高反発を組み合わせた2層タイプのマットレスもあり、双方のいいとこどりをできるマットレスもあるのですよ!
たとえば、トゥルースリーパーは、上段は低反発でしっかり体圧を受け止め、分散させる層にして、下段は高反発を使用することにより、低反発のデメリットともいえる、沈み込み過ぎによる寝返りのしづらさを軽減する仕組みになっています。
横向きで寝たらめまいがする?
横向き寝をしたら絶対なるということではありませんが、横向き寝でめまいがする人もいます。
横向きで寝ていると、肩の高さがある分、頭の位置が低くなってしまい、片方の耳の三半規管にばかり耳石がたまってしまうためです。
これは良性発作性頭位めまい症といって、片方の耳の中でバランス感覚をつかさどる機能が乱れてしまうために起こります。
もし、めまいを感じるようであれば、応急処置として、
・枕を高くして寝るようにする
・横向き寝をする時間を減らす
・就寝前や起床後に寝返りを数かいする
などをしてみましょう。
ただし、それで終わらせるのではなく、メニエール病など、ほかのことが原因でめまいの症状が出ているのかもしれませんので、しっかり耳鼻科でも受診するようにしてください。
参考:寝かたにも注意!良性発作性頭位めまい症の治療と自分でできる予防・対処法 | NHK健康チャンネル
横向き寝はいびきに効果がある?
横向き寝は、いびき軽減の効果が期待できますし、いびき対策としても有効です。
いびきのメカニズムは
1.仰向けに寝る
2.喉の筋肉が緩む
3.舌根沈下が起こる
4.気道が塞がれる
5.気道を空気が流れにくくなり振動音がする
という流れで起こっています。
しかし、横向き寝であれば、喉の筋肉が緩んでもダイレクトに気道を狭窄する状態にはなりにくくなるのです。
ただし、いびきをかく原因は他にも、
・鼻詰まり、鼻炎
・肥満
・顎(骨格)の作りなどの先天的なもの
・老化や飲酒
などさまざまあり、横向き寝で100%いびきが軽減できるというわけではありません。
ひどい睡眠時無呼吸症候群などの場合には、横向き寝でもいびきをかいてしまうこともあります。
参考:睡眠時無呼吸症候群 - 独立行政法人国立病院機構 近畿中央呼吸器センター
逆流性食道炎の人は横向き寝してもいい?
逆流性食道炎の人には、横向き寝はあまりおすすめできません。
特に、右を下にして寝てしまうと、食べ物を胃から食堂に逆流させないようにするための筋肉(下部食道括約筋)が圧迫されて、逆流を抑える働きが鈍ってしまう可能性もあります。
そのため、逆流性食道炎の人は横向き寝ではなく、仰向け寝で枕を高めにして寝るほうが有効なのです。
そのため、逆流性食道炎という自覚はなかったとしても、
・胃もたれ
・胃の痛み
・ゲップがよく出る
・喉に酸っぱい感じがある
などの症状がある場合には、横向き寝はしないようにしましょう。