マットレスのへたりを復活させる方法はある?凹みは直せる?
「マットレスがへたってきたんだけど復活できるの?」
長年使って、へたりが出てきたマットレス。
ぺったんこになったならまだ諦めもつきますが、ちょっと凹んだぐらいでみすみす捨てるのはもったいないですよね。できるならどうにか長く使いたいところ。
しかし、残念ながら、へたったマットレスは元に戻ることはありません。
へたりは分子構造上の不可逆的な変化です。
もうちょっとわかりやすくいうと、壊れてきています。
人間の老化と同じようなもので、いったん年をとった細胞は、ケアによって老化を遅らせることはできても、若返らせることはできません。
「壊れたら直せばいい」と思うかもしれませんね。機械なら修理できます。なぜなら部品を一部分だけ交換できるからです。
しかし、マットレスは部品を交換することができません。
ウレタン製やファイバー製は1枚の板です。たとえば、まな板の一部を交換するサービスはないですよね。それと同じです。
ポケットコイルマットレスだと、へたるのはコイルですが、解決するには詰め物を引っぺがして、へたったコイルだけ交換しなければいけません。
そんな手間のかかる修理はどのメーカーもやっていないのが実情です。
ボンネルコイルは金網のように編み上げられたコイルです。金網の一部を交換するサービスがないのと同じで、修理するなら全とっかえする(買い替える)というのがこの業界のスタンダードです。
ということで、へたりが出てきたら、寿命のサインなので、ご自身の健康に悪影響が及ぶ前に買い替えたほうが無難です。
関連記事:マットレスの寿命
トゥルースリーパーのへたりは復活する?
「トゥルースリーパーがへたってきたんだけど復活できるの?」
→残念ながら、復活しません。
トゥルースリーパーがへたったら買い替えるべきです。
トゥルースリーパーの素材は低反発ウレタン。
台所用スポンジをイメージしてください。
スポンジは最初はシャキシャキですが、使い続けるとぐんにゃりしてきますよね。
同じことがマットレスでも起こっています。
何度も圧迫されて伸び縮みを繰り返しているうちに弾力性が失われてきます。
衣類のように洗って縮むということはなく、むしろ洗うと水で加水分解を引き起こし、さらに劣化が促進されてしまいます。
ということで、トゥルースリーパーが凹んできたら、買い替えを検討しましょう。
関連記事:トゥルースリーパーの寿命
エアリーマットレスのへたりは復活する?
「エアリーマットレスがへたってきたんだけど復活できるの?」
→残念ながら復活しません。
買い替えを検討したほうが良いでしょう。
エアリーマットレスの素材はエアロキューブというファイバー素材です。
原材料はポリエーテルエステル系繊維といって、プラスチックの仲間です。
何度も繰り返し負荷がかかることで、ダメージが蓄積して内部が破損していきます。
いっけん目に見えない破損が蓄積することで、凹みやヘタリにつながります。
壊れてきているので、時間をおいたり、お湯をかけたり、洗ったりしても、自然に復活することはありません。
もとは1本の細いプラスチックの糸なので、部分的に切り取って取り換えることができません。
ということで、エアリーマットレスがへたってきたら買い替えを検討しましょう。
関連記事:エアリーマットレスの口コミ
マットレスのへたり(真ん中が沈むとき)の対処法・応急処置
「真ん中だけ沈んでるけど、しばらくこれでしのぎたい」
こんな場合の対処法を解説します。
なお、紹介するのはあくまで当座をしのぐための応急処置であって、根本的な解決にはなりません。
早めに新しいマットレスを入手することをおすすめします。
マットレスのへたり対処法①上下をひっくり返す
最も手っ取り早いのは上下(頭側と足側)をひっくり返すことです。
まだ一度もやっていないなら非常に有効です。
凹みのほとんどは最も重い腰周りの部分です。上下をひっくり返すと、腰が当たる位置がズレます。普段ダメージをあまり負っていない部分だと、まだ凹んでいないので、長く使えます。
ただし、上下で硬さの違うマットレスは寝心地が変わるので要注意。
たとえばエアウィーヴのS-LINEだと、かたさを上中下で三分割しています。頭と肩の部分は柔らかめ、真ん中は硬め、足の部分はふつう。
ひっくり返すと、頭と肩の部分が少し硬くなり、寝心地が変わります。
それでも違和感なく眠れるなら問題ありません。
上下をひっくり返して、腰が凹まないか試してみましょう。
マットレスのへたり対処法②表裏をひっくり返す
表裏をひっくり返すのも有効です。
マットレスが最もダメージを負いやすいのは表面から内部中心にかけて。裏返すことでまだダメージの少ない裏面に腰が当たります。それで長く使えるということです。
ただし、注意点が2つ。
注意点② 裏返しても寝心地が維持されているかどうかを確認しましょう。
たとえばテンピュールだと、裏面で寝ることは想定されておらず、底面層は硬いベースマットになっています。ひっくり返して寝るとガチガチに硬いので寝心地が悪くなってしまいます。
上記2点を確認した上で、大丈夫そうなら裏返して使ってみましょう。
マットレスのへたり対処法③タオルで凹みをふさぐ
タオルで凹みをふさぐのも一時的な対処として使えます。
バスタオルなど厚みのあるタオルを敷くことで、厚みとクッション性を多少カバーできます。
ただし、表面がデコボコになって不均一になるので、寝心地に違和感を感じるかもしれません。
あくまで当座しのぎの対処法だということは念頭に置いた上で行いましょう。
マットレスのへたり対処法④トッパーを重ねる
マットレストッパーを1枚重ねるのも有効です。
(マットレストッパーとは、マットレスの上に敷く薄いマットレスです。1枚で敷くには薄すぎますが、重ねて敷くことで寝心地が向上します)
トッパーの厚みは3~5㎝。凹みを覆い隠すには充分な厚さです。
安いものだと3,000円台からあるので、手を出しやすいですね。
関連記事:マットレストッパーおすすめ!選び方と人気ランキング
マットレスのへたり確認方法
マットレスのへたり確認方法には以下のようなものがあります。
・中央部分が凹んでいる
・人の形に凹んでいる
・反発力がない
・以前より柔らかくなった
・ギシギシきしむ
・コイルが背中に当たる(詰め物がへたっている)
このような症状が現れたら寿命間近です。
マットレスのへたり防止方法
マットレスのヘタリ防止方法は以下のようなものがあります。
・重いものを置かない
・寝るときだけ使用する
ちなみにシーツやベッドパッドの洗濯は汚れ対策には有効ですが、へたり防止には効果がありません。
(ダニやカビを防ぐ目的で行うべきですが)
マットレスのへたり防止方法①ローテーション
ヘタリ防止目的で行うメンテナンスの基本はなんといってもローテーションです。
へたりは最も重い腰部分からきます。そこで、上下や表裏をひっくり返すことで、腰のあたる位置をずらします。するとダメージが均等に分散され、長持ちします。
頻度は2~3ヶ月に1回でOK。あまり頻回にやると重いのでかえって腰を痛めます。
注意点として、上下や表裏で硬さの違うマットレスはこの方法が使えません。より正確には、ひっくり返すと寝心地が悪くなるためおすすめしません。
どの向きでも同じように使えるかどうか、構造を確認してから行いましょう。
関連記事:マットレスのローテーション
マットレスのへたり防止方法②重いものを置かない
寝ているとき以外に、重いものをマットレスに置いているなら要注意。
知らない間に負荷が蓄積している可能性があります。
マットレスの上には荷物などを置かないようにしましょう。
マットレスのへたり防止方法③睡眠時以外に使用しない
睡眠時以外に使用しないことも大切です。
マットレスに腰かけることが多い場合、フチからへたってくることがよくあります。
なお、腰かけることを想定してフチを強化しているマットレスもあります。
ベッドに腰かけて過ごす時間が長いなら、スペックに「Hゾーン」などと記載されたフチ強化マットレスを選びましょう。
また、小さな子供がいる場合はマットレスの上で飛び跳ねたりすることもあるでしょう。
マットレスへのダメージという観点では同様で、望ましくありません。
マットレスのへたり防止方法④体重に合った硬さを選ぶ
体重に合った硬さを選ぶことも大切です。
体重が重い人ほど硬いマットレスを選ぶのがセオリーです。
体重が重いのに、柔らかいマットレスを選んでしまうと、毎日想定以上に圧縮されるので、早くへたります。
体重が軽い女性や細身の男性なら柔らかいマットレスでも大丈夫ですが、肥満体型や筋肉ががっしりした人は、ある程度硬いマットレスの方が長持ちします。
ウレタンだと硬さの指標に「N(ニュートン)」という単位が使われます。
110N~ かため
75~110N ふつう
~75N やわらかめ
柔らかいマットレスは実は数が少なく、有名ブランドだとテンピュールとトゥルースリーパーぐらいしかありません。
ちなみに、アスリートはほぼ全員といっていいほど高反発をチョイスしています。
ここで、
「硬い方が長持ちするんだね。じゃあ硬いのを買おうっと」
と思った方に注意。
体重が軽い人が硬いマットレスに寝ると、身体を痛めてしまうことがあります。
硬さ選びはあくまで体重とのバランスが大事です。
マットレスのへたり防止方法⑤トッパーを敷く
マットレストッパーを敷くことで、本体にダメージが届きにくくなります。
(トッパーとは、マットレスの上に重ねて敷く薄いマットレスです。1枚で敷くのは想定されておらず、あくまで寝心地向上のために使用されます)
ただし、トッパーがへたったら買い替える必要があります。
トッパーはふつうのベッドマットレスよりうんと安い(3,000円台から)ので、ベッドマットレスを買い替えることを思ったら割安ではあります。
関連記事:マットレストッパーおすすめ!選び方と人気ランキング
へたったマットレスを使い続けると腰痛になることも
へたったマットレスを「もったいない」といって捨てずに使い続けると腰痛になることもあります。
へたったマットレスに寝ると、フラットな状態ではなく、腰の部分が沈んで、身体が「く」の字に曲がった状態になります。
くぼみにはまっている状態なので、寝返りが打ちにくくなりますし、体圧分散もできません。
結果、腰に負荷が集中して、腰痛を発症してしまいます。
ちょっとお金をケチったがために、長い間腰痛とお付き合いするハメになるのはごめんですよね。
健康はお金で買えません。特に年を取ってからは余計に。
もったいなくても、へたったマットレスは目をつむって買い替えましょう。
へたったマットレスを有効活用する方法
「へたったマットレスを捨てるのがもったいない!なんとか有効活用できないかな?」
→マットレスによっては可能です。
リメイクに向いているのは「低反発ウレタンマットレス」です。
有名どころだとトゥルースリーパーが該当します。
ウレタンはカッターで切断できるので、素人でも簡単に加工できます。
クッションや座布団ならマットレスを切ってカバーをかぶせるだけなので、あっという間にできます。
キャンプ用にしてもいいですね。
ペット用にリメイクした方もいました。
娘のマットレス新しくしたから
古いマットレスをロクの布団にリメイク百均で買ってきてあったコーデュロイの布をカバーにしました😊💕
置いた途端寝転んでくれたロク🥰
作った甲斐あった制作時間10分 pic.twitter.com/XSUbb6P90J
— くろまめ9696 (@9696mame96) March 1, 2022
ベッドも 子供の使わなくなった
マットレスをリメイク🤗 pic.twitter.com/ojr2X4uvbP— しいちゃん (@931Pl) December 12, 2017
へたりにくいマットレスの選び方
へたりにくいマットレスの選び方は以下の3点です。
・品質保証期間
・ウレタン密度
・圧縮試験の復元率
最も信頼がおける指標は品質保証期間です。
マットレスの場合、品質保証は「へたり」に対してのみ適用されます。カビや汚れは保証対象外です。
たとえば3年保証なら「3年以内に○㎝へたったら無償修理または代替品と交換します」というもの。
メーカーにとって保証を設けるのは勇気がいることで、保証期間以内にへたったらクレームになりますし、交換したら費用は持ち出しになって損します。
それだけに、「この年数だったら大丈夫」とメーカーが太鼓判を押せる年数が設定されています。
ウレタンマットレスの場合、ウレタン密度は耐久性の指標の1つになります。
ウレタン密度は「D」で表され、30D以上が高密度といわれています。
密度を公表しているマットレスはほぼすべて30~34Dで、この点クリアしています。
安いマットレスだと28Dなんてこともありますが。
圧縮試験は、これもウレタンマットレスでよくあるもので、8万回押しつぶしして、もとの厚さからどれくらい復元されたかをチェックするものです。
試験結果を公表しているマットレスだと、復元率はどこも95%以上です。
ただし、圧縮試験は経年劣化が考慮されていないので、やや信頼性に欠けます。
以下、具体的にへたりにくいマットレスを紹介します。
どれも10年保証があるマットレスで、耐久性は信頼がおけます。
へたりにくいマットレス①マニフレックス
タイプ:ウレタン
製造国:イタリア
へたりにくいマットレスの代表はマニフレックスです。
イタリアNo.1マットレスであるとともに、世界で最も売れているマットレスでもあります。
独自開発のウレタン「エリオセル」で高い耐久性。
敷布団タイプだけ保証期間が3年ですが、それ以外は軒並み10年超の保証がついています。
特に驚きなのがメッシュウィング。
・10年保証
・三つ折りタイプ
・厚み11㎝でどこでも敷ける
・高反発
これで3万円台。
ベッドマットレスで10年保証はときどき見かけますが、三つ折りタイプで、しかもこの値段で10年保証はほかにありません。
まさにコスパ最強マットレスです。
関連記事:マニフレックスの寿命
へたりにくいマットレス②ネルマットレス
タイプ:ポケットコイル
製造国:日本
ネルマットレスは知名度は低いですが、良品です。
寝返りに特化したマットレスで、楽に寝返りがうてることで、身体の負担が少なくなります。腰痛の方におすすめ。
・120日間全額返金保証
・10年保証
・10万回の耐久試験クリア
・防ダニ・抗菌・防臭加工
返金保証がとても優れていて、通常だと返品するのに送料は自己負担ですが、ネルマットレスは完全無料でしかも取りに来てくれます。
つまりノーリスクでお試しできます。
(参考:ネルマットレスのクーポン情報)
関連記事:ネルマットレス口コミ
へたりにくいマットレス③エマスリープ
タイプ:ウレタン
製造国:ドイツ
エマスリープ(エママットレス)は職人の国ドイツから日本上陸したマットレス。
高い反発力のAirgocellフォーム、体圧分散力に優れたコンフォートフォーム、高弾性のHRXサポートフォームの3層で体を支えます。
グッドデザイン賞も受賞したオシャレマットレスです。
・100日間全額返金保証
・10年保証
と信頼性も十分。
関連記事:エマスリープ口コミ
へたりにくいマットレス④コアラマットレス
タイプ:ウレタン
製造国:オーストラリア
コアラマットレスは「コアラ」の名前が示すとおりオーストラリア発のマットレスです。
振動吸収技術「ゼロ・ディスターバンス」により、隣の人が寝返りをうっても振動が伝わらずぐっすり眠れます。
NEWコアラマットレスになってから、リバーシブルトッパーが加わりました。トッパーを裏返すだけで硬めとふつうの寝心地をチェンジできます。
・100日間全額返金保証
・10年保証
これらのサービスは高耐久性の証ですね。
関連記事:コアラマットレス口コミ
へたりにくいマットレス⑤ニトリNスリープ
タイプ:ポケットコイル
製造国:記載なし
ニトリNスリープは「お、値段以上」のニトリのフラッグシップモデルともいえるマットレスです。
保証期間は驚きの30年。唯一無二です。
柔らかい寝心地のプレミアムシリーズ、沈み込みの大きいコンフォートシリーズ、かためのハードシリーズ、高級感のあるラグジュアリーシリーズとラインナップも豊富。
コスパはマニフレックスに引けを取りません。
ただしポケットコイルは捨てるときに難儀するので、引っ越しを考えているならウレタン製をおすすめします。
関連記事:ニトリNスリープ
へたりにくいマットレス⑥モットン
モットンは日本人が日本人の体形にあわせて作った腰対策マットレス。
特殊高反発ウレタン「ナノスリー」の力で、通常のウレタンマットレスの8割の力で寝返りができ、寝ている間にじゅうぶん腰の筋肉を休ませることができます。
8万回の圧縮試験の復元率は96.0%。
硬さが3種類から選べる上、無料で1回だけ硬さ交換もできるので、ぴったりの硬さが見つかります。
さらに90日間全額返金保証もあり、総じて失敗しにくいマットレスといえます。
関連記事:モットン口コミ
関連記事:マットレスの使い方