マットレスの種類とコイルの選び方:腰痛には?

マットレス選びは睡眠を左右する

マットレス選びは睡眠を左右します。

寝心地のいいマットレスでぐっすり眠れたら、毎日快調に過ごせます。

逆に、合わないマットレスを選んでしまったために、腰痛や背中の痛みを発症してしまった人は山ほどいます。

若いうちは多少無茶をしても若さで乗り越えられますが、歳を重ねるごとに体は衰え、健やかに過ごすためにケアが必要になってきます。

ベッドで過ごす時間は人生の約1/3。

ぐっすり眠って爽やかに起きる良質な睡眠が確保できれば、日中も眠くなりにくいし、仕事においても本来のパフォーマンスが発揮できます。

マットレスの種類:コイル

コイルマットレスは、マットレスの始まりの時代から活躍してきた元祖マットレスです。

主に

・ポケットコイル
・ボンネルコイル

の2種類があり、それぞれ一長一短があります。

どちらかというとポケットコイルのほうが普及していて、種類も選択肢も多いです。

ポケットコイルマットレス

ポケットコイル

ポケットコイルマットレスは不織布に包まれた螺旋状のコイルがずらりと並ぶ構造のマットレスです。

コイルの長さ・太さ・直径を変えることで反発力や沈み具合にバリエーションが出ます。

値段の高いマットレスほど、コイルが長く、細く、直径が小さく、数が多くなり、マットレスが柔らかくなる傾向があります。

コイル径の大きさとコイルの数は反比例します。

コイルの数が多いとその分値段が高くなりますが、体圧分散力に優れます。

コイルの並び方には「並行配列」と「交互配列」があり、後者のほうがぎっしりコイルが詰まっているため硬いマットレスになります。

ポケットコイルのメリット

ポケットコイルのメリット:
・体圧分散力が高い
・硬さの幅が広くて選べる

一つ一つのコイルが独立しているため、部位ごとの重さに応じてそれぞれのコイルが伸び縮みし、体圧分散ができます。

コイルの素材の炭素量や線径を調整することにより、様々な硬さをもたせることができます。

ポケットコイルのデメリット

ポケットコイルのデメリット:
・通気性が悪い
・重い
・部分的にへたりやすい

一つ一つのコイルが不織布に包まれているため、風通しはよくありません。

また、多くの金属を用いるため、ボンネルコイルより重いです。シングル20kg程度はザラです。

点でささえる構造のため、一部のコイルのみに負荷が集中します。面で支えるボンネルコイルと比べるとへたりやすいです。

ボンネルコイルマットレス

ボンネルコイル

ボンネルコイルマットレスは、簡単に言うとコイルをマットレスの形に編み上げたものです。

点で支えるポケットコイルに対し、マットレス全体の面で支えるという特徴があります。

使う素材はポケットコイルに比べて少なく、値段も安くなる傾向があります。

ボンネルコイルのメリット

ボンネルコイルのメリット:
・耐久性が高い
・通気性がよい
・安い

面で支えるため、部分的にへたるということがなく、長寿命です。

マットレスの中はむき出しの骨組みで、ポケットコイルのように細かい単位で包まれているわけではありません。

そのため通気性に優れています。

ポケットコイルと比べて単純な作りのため、比較的安価です。

ボンネルコイルのデメリット

ボンネルコイルのデメリット:
・体圧分散力が弱い
・劣化するとギシギシうるさい

面で支える構造上、部位に応じたきめ細かな調整ができません。大雑把なつくりといえます。

また、鋼線どうしが絡み合っているため、錆がくるとギシギシ音がします。

高密度連続スプリングマットレス

高密度連続スプリングは、フランスベッドが日本の風土にあわせて開発した独自コイルです。

一本の鋼線から一筆書きのように一枚のマットレスを編み上げます。

耐久性と通気性が高く、マットレス全体で体を支える、ボンネルコイルに近い構造です。

マットレスの種類:ボンネルコイルとポケットコイルの違い

ボンネルコイルとポケットコイルの違いは構造です。

ボンネルコイルはコイルがマットレス全体にわたって繋がっていて、マットレス全体で体を支える構造です。

ポケットコイルはらせん状のコイルが1つ1つ不織布という袋(ポケット)に入ってぎっしり並んでいる構造です。コイル同士は繋がっておらず独立しているので、1つ1つのコイルがそれぞれ別々に体を支えています。

ポケットコイルのほうが使われている金属の量が多いので、重量が重く、値段も高くなりがちです。

通気性や耐久性を求める人はボンネルコイル、体圧分散性や寝心地の良さを求める人はポケットコイルがおすすめです。

関連記事:ポケットコイルとボンネルコイル

マットレスの種類:ノンコイル

ノンコイルマットレスには以下の種類があります。

・ウレタン
・ファイバー
・ラテックス

以下、順に解説します。

高弾性ウレタンマットレス

ウレタン

ウレタンはもっともポピュラーなマットレスです。

石油由来のウレタンを発泡させて成形します。

原料が安価で加工も容易なため、メーカーの数が多く、種類も豊富です。

安いものは3,000円から高いものは10万オーバーと値段の幅が広く、ぴったりのマットレスがみつかります。

中でも高弾性タイプは反発力が非常に強く、体重が重い人向けです。

高弾性の定義は「ウレタンフォームの反発弾性試験で50%を超えるもの」です。

鉄球を落として、もとの高さから50%以上の高さに跳ね返ると高弾性です。

参考:反発弾性の求め方https://kikakurui.com/k6/K6400-3-2011-01.html

ウレタンのメリット

ウレタンのメリット:
・価格帯が幅広い
・硬さや厚みのバリエーションが豊富
・トッパー、三つ折り、ベッドマットレスなど全タイプある
・軽い
・燃えるゴミで出せる

お気に入りの一枚がきっと見つかります。

軽くて薄いものならキャンプなどのアウトドアシーンでも活躍します。

一人暮らしなら引越しのことも考えてウレタンマットレスにするのが吉です。

ウレタンのデメリット

ウレタンのデメリット:
・独特のニオイがする
・安いものは早くへたる
・通気性が悪い

ウレタンマットレスに特徴的なのがニオイです。

特に新品を開封したとき。

風通しのいい場所に放置しておけばニオイは収まってきますが、なかなか取れないニオイを除去するのに悪戦苦闘している人のコメントをよく見ます。

一方で、ニオイの感じ方には個人差が大きく、「まったく気にならない」人から「耐えられないから返品する」人まで様々です。

ホームセンターや寝具売り場でウレタンマットレスに触れる機会があったら、ニオイを嗅いでみて大丈夫そうかどうか確かめるのも良いですね。

また、ウレタンマットレスは通気性が悪いです。

通気性を向上させるのは各社の課題で、泡の一つ一つに穴が空いた「オープンセル構造」や、石油由来の膜を取り去って風通しを良くした「無膜フォーム」、それ以外にも通気孔を設けるなど、さまざまな工夫をこらして通気性向上に取り組んでいます。

高反発ウレタンマットレス

高反発はウレタンマットレスのなかでも最大派閥です。

沈み込みが少なく、体をしっかり支えます。

体重の重い人や腰痛の人におすすめです。

低反発ウレタンマットレス

低反発ウレタンマットレスは包み込まれるような寝心地のマットレスです。

体の形に合わせて沈むので、マットレスと体が密着します。

好きな人にはたまらない寝心地ですが、夏場は空気の通り道がなくて暑いと感じる人が多いです。

逆に冬は寒さでウレタンが硬くなりやすいです。しばらく寝ていると体温で暖まり、ふだんの柔らさに戻ります。

ファイバーマットレス

ファイバー

ファイバーマットレスはポリエステルやポリエチレンを繊維状に伸ばしたものを三次元状に固めたマットレスです。

エアウィーヴが有名ですね。

ウレタンほど硬さの調整がきかず、すべて高反発です。

ファイバーのメリット

ファイバーのメリット:
・通気性が良い
・水洗いできる

マットレスの中で唯一、家庭で水洗いできます。

ほかのマットレスだと飲み物をこぼしたらできるだけ拭き取ってあとは蒸発するに任せることしかできませんが、ファイバー製は違います。

お風呂場のシャワーで洗えるから、赤ちゃんの吐き戻しもおもらしも怖くない。

また、圧倒的に通気性が良いです。

糸がクシャクシャに絡まったような形状なため、空間が閉じられておらず、空気が通り抜け放題。

カビとは無縁ですね。

ファイバーのデメリット

ファイバーのデメリット:
・耐久性が低い
・値段が高い
・冬は寒い

ファイバーは寿命があまり長くありません。

保証期間は最長でエアウィーヴの3年。

ほかのマットレスだと10年を超える保証もある中、ちょっと心もとないです。

また、耐久試験結果も公表されていません。

値段は全体的に高めで、一万円を切る低価格帯がありません。

もっとも安いアイリスオーヤマのエアリーマットレスでも2万円弱。

最後に、あまりの通気性のよさが仇となり、冬は寒いです。

ラテックスマットレス

ラテックスマットレスはゴム製のマットレスです。

ゴムなだけあって高弾性。ただし空気を通さず通気性は悪いです。

ゴム臭が苦手な人は避けたほうがいいでしょう。

マットレス界では非常にマイナーなジャンルで、大手メーカーでラテックスに手を出しているところはありません。

一枚まるまるラテックス製というマットレスは少なく、折り重なった層の一つにラテックス層があるパターンが多いです。

マットレスの種類:選び方

「マットレスの選び方ってどこに注目すればいいの?」

以下の4つに気を付けて選べば大丈夫です。

・厚み
・体圧分散性
・寝返りのしやすさ
・通気性

以下、詳しく解説します。

関連記事:マットレス 選び方

マットレスの選び方①厚み

厚みはどこに敷くかによって変わります。

床やベッドに一枚で敷きたいなら、最低でも8cm。体重の重い人なら10cmはほしいところ。

それ以下の薄いマットレスだと体重に負けて底付きしてしまい、床の硬さを背中に感じながら寝る羽目になります。

安さに飛びついたはいいものの、届いてみたら薄すぎて背中が痛い・・なんて失敗をしないためにも、厚みはしっかりチェックしましょう。

逆に、マットレスの上にもう一枚敷くために買うなら、むしろ薄いほうがいいです。

分厚いとベッドの高さが想定外に高くなってしまい、使いづらくなってしまいます。

マットレスの選び方②体圧分散性

体圧分散性は体を傷めないために必須です。

体圧分散性が低いと、負荷を逃がすことができず、部分的に痛みが出ます。

コンクリートの床に寝ることを想像してみてください。すぐに尾てい骨が痛くなりますよね。

体圧分散性の指標は体とマットレスの接触面積が参考になりますが、データが公開されていることは少ないです。

ニトリのNスリープシリーズだとこのあたりバッチリ公開されています。

マットレスの選び方③寝返りのしやすさ

寝返りのしやすさはダメージを分散させるのに必須です。

人は一晩に20〜30回程度、無意識に寝返りしています。

寝返りができなくなるほど衰えた高齢者が床ずれになるのは、同じ場所に負荷がかかり続けた結果、体組織が耐えきれず損傷するからです。

寝返り回数は低反発マットレスでは少なく、高反発マットレスで多くなります。

低反発では体がうずもれることで力を入れてもマットレスに吸収されるため、寝返りに余計な力がいります。

一般に硬いマットレスほど寝返りがしやすいです。

これも確たる指標がありませんが、寝返りをウリにしているモットンやネルマットレスを選べばハズレは少ないでしょう。

マットレスの選び方④通気性

・あまりマットレスを干す習慣がない
・赤ちゃんやペットがよく寝具を汚す
・湿気がたまりやすい部屋

といった環境なら、カビ防止のため、通気性は気にしたいポイントです。

通気性の良さは、良い順に、

ファイバー>ボンネルコイル>ウレタン≒ポケットコイル

となっています。

ファイバーマットレスの通気性の良さはダントツです。

壁で囲われていないので空気がよく抜けます。

寝汗をかいても素早く蒸発します。

マットレスの種類:腰痛

腰痛の男性

「腰痛なんだけどどんな種類を選べばいいの?」

という人には、高反発で寝返りのしやすいマットレスをおすすめします。

その理由は、腰にかかる負荷を分散する必要があるからです。

寝返りが楽にできると、負荷が一箇所に集中せず、寝返りをするごとに違う部位にずらされます。

その結果、ダメージが広い範囲に分散され、一点が痛むことが少なくなります。

そういう意味で、寝返りのしづらい低反発マットレスは不向きです(全員が当てはまるわけではありません。低反発で腰痛が軽減した人もいます)。

なお、マットレスはあくまで寝具であって、腰痛を治療するものではありません。

ただし、腰痛になる原因を減らすという意味で、マットレスを変えることが有効な場合があります。

腰痛を治療するには医療機関を受診しましょう。

関連記事:腰痛マットレスおすすめ

マットレスの種類:寿命はどれくらい?

耐久性

マットレスの寿命は、長い順に、

ボンネルコイル>ポケットコイル>高反発ウレタン>低反発ウレタン≒ファイバー

といった具合です。

金属製のマットレスは長寿命です。

中でも、コイル同士がつなぎ合わされているボンネルコイルがもっとも耐久性が高いです。

低反発ウレタンの寿命が短いというのは、正確に言うと低密度ウレタンの寿命が短いということです。

安い低反発マットレスは低密度であることが多く、結果として低反発=寿命が短いというイメージがついています。

低反発でも高密度なテンピュールやエムリリーは長寿命です。

関連記事:マットレスの寿命

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