フローリングで布団がびしょびしょになる原因は結露
定期的に布団を干しているのになんだか湿っぽい。酷いときには布団がびしょびしょになってしまう。こんなお悩みをお持ちの方は少なくないようです。
いずれもフローリングの床で発生することが多いのですが、その原因として挙げられるのは結露です。人は寝ているときにコップ1杯分にあたる200mlほどの汗をかいています。
代謝が良い人なら一晩で500mlから800mlもの汗をかくことも珍しくありません。布団がびしょびよになる原因はこの寝汗により、布団の上が暖かく湿っぽくなることから始まります。
布団の上が暖かくなると布団の下のフローリングとの間に温度差が生じます。温度差が生じると、それが水滴となります。この現象を「結露」と呼びます。
真冬に部屋を暖房すると窓ガラスに水滴が付きます。冷やしたペットボトルをテーブルに置いておくと表面に水滴がつきます。これと同じメカニズムが布団とフローリングの床の間で働くわけです。この現象は夏冬関係なく発生するので厄介です。
ですからこの事態を防ぐには、布団とフローリングの間を断熱するか、空気の層を作ってやり、直接触れないようにするしかありません。
フローリングで布団がびしょびしょになるのを防ぐ方法
フローリングで布団がびしょびしょになるのを防ぐ方法は大きく3つ挙げられます。すなわち湿気を吸うこと、湿気を遮断すること、湿気を払うことです。どういうことなのか、順を追って解説しましょう。
1.湿気を吸う
フローリングの床と布団の間に湿気を吸う材質を挟む方法です。湿気を吸ってやれば結露は減少します。水滴が減るわけですから、布団がびしょびしょになることはないでしょう。
2.湿気を遮断する
フローリングの床と布団の間の湿気を遮断する方法です。断熱材などが有効に働きます。湿気を遮断してやれば、結露は生じなくなります。ただし寝汗はかくので定期的に布団を干す必要はあります。
3.湿気をすぐ払う
フローリングと布団の間に空気の層を設け、湿気を払う方法です。具体的にはすのこや、ベッドフレームが有効です。つまり布団とフローリングの床を離すわけですが、これにより湿気が抜けるということです。
①段ボールを敷く
ダンボールには思う以上の保温効果があります。また紙なのである程度の吸湿も期待できるでしょう。ただし引っ越し直後など、緊急避難的な使い方をおすすめします。
ダンボールに保温や吸湿の効果があるのは、その構造からくるものです。ダンボールはショックを吸収するために、内部に空気の層を持っています。
しかし繰り返し使うとそれが潰れて、ただのボール紙になってしまいます。つまり長く使うことはできません。ですから一時しのぎに留めましょう。
②除湿シートを敷く
フローリングの床に除湿シートを敷くと効果的です。価格も高くないのでおすすめの方法です。シリカゲルの除湿シートであれば、湿気と同時に臭いも吸収してくれます。
とても便利なグッズですが、使い方には注意点があります。それは2週間に1度、できれば週に1度は、乾燥させなければならないこと。天日干しか陰干しを行う必要があるのですが、製品によって乾燥させる方法が違うこともあるので、説明書をよく読んで確認してください。
誤った乾燥方法では除湿シートがダメになる可能性もあります。
③キャンプ用の銀マットを敷く
銀マットとはクッション性があるマットに、アルミフィルムを貼りつけた製品を指します。キャンプ用のマットとして人気のアイテムですが、フローリングの床にも使えます。
クッション性や断熱効果・通気性に優れたものが多く、夏場はアルミ面を下にして敷いてやると、床からの熱や湿気を遮断してくれます。冬場は逆にアルミ面を上にして敷けば、自身の体温を反射し保温性を高めてくれます。
キャンプ用品なので、しっかり作られた製品がほとんどですから、繰り返しの使用にも十分耐えてくれます。
④い草ラグを敷く
い草ラグとは文字通りい草で作られたラグのことを指します。カーペットと同様に床に敷いて使いますが、一般に足元などに置く小さなサイズのものをラグと呼びます。3畳以上の大きさはカーペットと呼ばれます。
い草ラグの上に布団を敷くのも1つの方法です。吸湿性があるのでサラッとした感触が得られるでしょう。ただし厚みがないので吸湿性には限界があります。
さらにい草ラグ自体がカビに弱いので、日々使うのは厳しいかもしれません。夏場に気分を変えるために使うといいでしょう。
⑤すのこを敷く
フローリングの床の上に、すのこを置くのもおすすめです。すのこの上に布団を敷いてやれば、床との間に空間が生まれます。この空間により、通気性が格段に高まります。
またお風呂で使うようなすのこを組み合わせるよりも、床で使える二つ折りタイプが便利です。朝起きてすのこの中央を立ててやれば、布団がそのまま干せるからです。
なお、すのこの材質は木材ですが、湿気に強いものを選ぶようにしましょう。桐や檜は湿気に強く杉は普通、パイン材は弱いと思ってください。ただし厄介なのは価格に反映されることです。
桐や檜で作られたすのこは、それなりのプライスタグを下げています。
⑥置き畳を敷く
置き畳とは名前の通り置いて使う畳を指します。ユニット畳やシステム畳と呼ばれることもあります。通常の畳は1畳もしくは半畳の大きさで、和室に組み合わせて置かれます。設置には施工が必要なので素人には無理でしょう。
置き畳はフローリングの床の上に、そのまま設置できます。厚さも13mm前後が主流なので、手軽に扱えます。何枚か組み合わせて床に置き、その上に布団を敷けば湿気を吸ってくれます。
ただし週に1度は置き畳を移動して床を掃除してください。ホコリが溜まったり湿気によるカビが懸念されるからです。
⑦ベッドを買う
ベッドフレームを買って、マットレスと組み合わせるのがベストです。ただしフローリングの床の上に、直接ベッドフレームを設置すると、ベッドの足が床を傷つける恐れがあります。
賃貸住宅の場合は厄介なことになるので、ベッドと床の間にカーペットを敷いたり、ベッドの足にコルクやフェルトを貼るなどの工夫が必要です。ベッドであればまず結露の心配はありません。
マットレスが呼吸するので、湿気が飛ぶからです。通気性もいいので、もっともおすすめしたいスタイルです。
⑧通気性の良いマットレスを敷く
通気性の良い床置きマットレスを敷くのも1つの方法です。寝具メーカー各社から販売されていますが、例えばエアウィーヴの製品が該当します。床置きマットレスは使わないときは、3つにたためる製品が主流です。
場所も取らないので部屋を広く使えるでしょう。ただしできればベッドフレームと組み合わせて、普通のベッドとして使うほうが望ましいといえます。どうしても床置きマットレスのみということなら、朝起きたらマットレスを立てて湿気を飛ばすようにしましょう。
関連記事:通気性の良いマットレスのおすすめ!選ぶのはファイバーマットレス
フローリングの布団びしょびしょを放置するとカビが生える
フローリングで布団がびしょびしょになるのを放置するとどうなるのでしょうか。まずフローリングの床にカビが生えることになります。もちろん敷布団にもカビは生えます。
健康に良いはずもなくアレルギーを引き起こす原因となるかもしれません。またカビの生えたフローリングをそのままにしておくと、床は木材ですから腐ることになります。
アパートなどの賃貸住宅の場合は、フローリングの張り替えにより、敷金は返らず修繕費用まで請求されるかもしれません。部分的な張替えで済めばいいのですが、全面張り替えとなるとかなり費用がかかるでしょう。
そうならないためにも布団がびしょびしょになるのを放置してはいけません。カビが生えて間もない状態であれば、フローリングも敷布団もカビを落とせます。
フローリングのカビの落とし方
フローリングの床にカビを発見したら、なるべく早く除去することが大切です。まずは固く絞った雑巾で拭き取ってください。いきなり掃除機をかけてはいけません。掃除機の排気により、カビの胞子が部屋中に拡散してしまいます。
そうなると部屋中カビだらけという、不衛生な状態になるので注意してください。フローリングの隙間はフローリングワイパーや爪楊枝などで静かにカビの生えている部分を拭き取りましょう。
その上で掃除機をかけてください。拭き掃除で取れなければ、無水エタノールや逆性石けんを使うことになりますが、これらの使い方はなかなか困難です。
そうした薬品が必要なら、専門業者にカビの撤去を依頼したほうがいいかもしれません。費用はかかりますが、フローリングの張り替えよりは安くすみます。
敷布団のカビの落とし方
フローリングの床にカビが生えているということは、当然敷布団にもカビは生えています。まずは家庭で落とせるかどうか試してみましょう。洗濯用漂白剤はカビ菌を除去するのにおすすめです。
シーツやカバーなどは浸け置きしてから洗濯機で洗濯してください。ただ敷布団自体にカビが生えていると、事は厄介になります。広範囲にカビが広がっているなら、諦めて買い替えたほうが無難です。
どうしてもカビを落として使いたいのなら、クリーニング店に相談しましょう。布団の種類やサイズにもよりますが、費用は4,000円から10,000円といったところ。
しかしクリーニング不可の素材が使われている敷布団は、クリーニング店でも対応はできません。ですから、カビを生やさないように、注意することが大切です。