マットレスの上に敷布団はいらない
「マットレスの上に敷布団は敷いていいの?」
と迷っているあなた!
ズバリお答えします。敷布団は不要です!
畳の上には布団でしょ!という意見もわかりますし、重ねれば重ねるほどフカフカになってリッチな寝心地になるような気がしますよね。でもそれは間違いです。
本来、マットレス(特にベッドマットレス)は1枚で敷いて寝ることを想定して開発されています。
上に分厚いクッション材(敷布団)を敷くことは想定されていません。
そのため、敷布団を敷くと体圧分散性などのサポート機能の恩恵を放棄することになり、デメリットの方が大きくなってしまいます。
理想的な寝姿勢がとれず、筋肉や骨、腱に不自然な負担がかかり、なんとなく不快感を感じる・体が不調になる・眠りの質が悪くなるなど、健康面での悪影響も懸念されます。
(例外として、「ベースマット」や「アンダーマットレス」などの種類は、下敷き用の位置づけなので、その上に敷布団をしいても問題ありません)
それ以外のマットレスには、上に敷布団は敷く必要はありません。
理由①マットレスにカビが発生する
まずは衛生面での問題。
敷布団をマットレスの上に敷くと、カビの住処になりやすいです。
カビの発生要因は3つ。
・気温
・相対湿度
・栄養源(アミノ酸など)
寝具はこの3つがそろいやすく、まさにカビの温床ともいえる環境です。
毎晩寝るので寝具は毎日何時間も人肌の温度になります。
人は寝ている間に大量の汗をかくので、湿気も発生します。
皮膚から剥がれ落ちたフケや垢などはカビの栄養源になります。
こうなると気になるのが健康面への悪影響です。
カビがまき散らす胞子は毒素を持つものがあり、呼吸器をはじめ数々のアレルギーを引き起こします。アレルギー性皮膚炎・鼻炎・結膜炎・喘息など。
・クラドスポリウム(黒カビ)
・ぺニシリウム(アオカビ)
・アスペルギルス(コウジカビ)
・アルテルナリア(ススカビ)
アスペルギルスは気管支肺アスペルギルス症、アルテルナリア(ススカビ)は小児喘息や鼻炎を引き起こします。
参考:ふくおか耳鼻咽喉科
マットレスはただでさえ通気性があまりよくありません(素材によりますが)。
その上に敷布団を重ねると、敷き寝具が分厚くなり、さらに湿気をため込みやすくなります。
しかも寝ている間は体温でマットレスが温まります。暖かく湿った環境で、よりカビが成長しやすい状態になります。
さらに敷布団だと中綿にダニも発生します。
万年床をある日はがしてみたら、マットレスの裏にびっしり黒カビが・・ギャー!もう捨てるしかない!なんてことになりたくないですよね(笑)
カビを発生させないためには頻繁に換気して陰干しをする必要がありますが、お手入れの手間がかかるので、正直いって面倒です。
理由②マットレスの寝心地が悪くなる
マットレスの上に敷布団を敷くと、寝心地が悪くなる可能性があります。
「朝起きたときに体がダルくて重い・・疲れがとれてないなあ・・」
なんてときありませんか? 深い睡眠をとれず脳や体が回復していない証拠です。
体調やストレス度合いにもよりますが、睡眠環境が原因であることも多いです。
寝心地が悪いと、自分ではそうと気づかなくても、体がサインを出します。
ベースマットやトッパーマットレスを除いて、ほとんどのマットレスは1枚で敷いたときにもっとも機能が発揮されるように作られています。
たとえば台所スポンジのような凹凸プロファイル加工は、身体を点で支えつつ、背中とマットレスの間に隙間を作って通気性も確保する構造です。
ここに敷布団を敷くと、凹凸が全体的に潰れて加工の意味をなさなくなってしまいます。
他にも反発弾性の高いマットレスだと寝返りがしやすいのですが、フカフカの敷布団を敷いてしまうと、マットレスの反発力が生かせません。
狙った効果を発揮させてぐっすり眠るためには、敷布団を敷かずに寝ましょう。
理由③寝姿勢が悪くなり腰痛悪化する可能性
マットレスは寝姿勢がフラットになり、腰の負担ができるだけ軽くなるように作られています。
しかし、上に敷布団を敷くことで、そのバランスが崩れることがあります。
たとえば、肩回りが柔らかいマットレスは、横向きで寝たときに、肩が沈み込み、背骨が後ろから見たときに一直線になるように作られています。
そこに敷布団を敷くとどうなるか。
沈んでほしいところで沈まなくなります。敷布団はマットレスほど変形しないからです。
結果、背骨が一直線にならず、肩付近で天井に向かって湾曲したような状態になります。
不自然な寝姿勢を長時間キープすることで、腰椎周りに負担をかけ、腰痛が悪化します。
マットレスが硬すぎて、背中とマットレスの隙間に手がスポスポ入るようなら、むしろ柔らかめのトッパーか厚めの敷きパッドをおすすめします。
応急処置としては、腰部分にタオルを丸めて敷くか、膝を立てて寝ると少し改善されます。電動ベッドならセミファウラー位が有効ですが、ふつうのフラットな状態では難しいですね。
マットレスの上に敷くもの
マットレスの上に敷くものについて解説します。
敷くものの種類は、
・シーツ
・ベッドパッド
・マットレスプロテクター
があります。
いずれも目的はマットレス本体の汚れを防止するためです。
通気性や寝心地が違うので、春夏秋冬、季節ごとに調整して使い分けると快眠できます。
シーツ
シーツはもっともベーシックなマットレス上の敷物です。
体から出るすべての汚れがマットレスに浸透するのを一定以上防止します。
寝汗がひどい人でなければ、シーツ1枚で十分です。
また、シーツはお部屋のインテリアデザインを楽しむ上でも欠かせないアイテムです。
好みの色合いに替えてお部屋の雰囲気をお手軽に変えることができます。
形は主に以下の2種類があります。
・フラットシーツ
・ボックスシーツ
他にもフィットシーツ・ファスナーシーツ・ポケットシーツなど種類がありますが、これらはマットレス用ではなく敷布団用なので除外しています。
・
分厚いベッドマットレスならボックスシーツがおすすめ。名前のとおり箱型で、マチが広いものを選べば、どんなに厚いマットレスでもガバッとかぶせてすっぽり覆えます。
敷布団程度の厚さならどちらでもいいですが、フラットシーツのほうが安く、ボックスシーツは寝相の悪い人でもシーツがずれません。
素材は以下の種類があります。
○人工素材
主に石油由来。虫食いの心配がないため防虫不要でダニもつきにくい。柔軟で伸縮性に富み速乾性がある。
・ポリエステル
人工素材で最も普及していて安い。吸水性が難点で夏場には向かない。
・アクリル
毛布でよく使われる素材。ウールに似て保温性が高い。吸水性が低い。
・ナイロン
合成繊維。木綿に似た肌触り。シワになりにくく放湿性が高い。
○天然素材
質感や耐久性にかなり幅があります。
・コットン(綿)
最も一般的。肌あたりがよく吸放湿性が優秀で洗濯にも強い。
・リネン(麻)
ゴワゴワしていて涼しい。吸汗性に優れている。
・ウール(羊毛)
毛布によく使われる素材。吸放湿性・保温性に優れている。
・キャメル
・フェザー
・シルク(絹)
独特の光沢があり、つるっとした肌触り。汗で肌に張り付きやすいのと、洗濯機で洗えないという難点があり、あまり普及していない。
・レーヨン
紙と同じ木材パルプ原料。水分を含むとシワになりやすい。
・リヨセル
ユーカリ由来。デリケートで毛羽立ちやすくお手入れに注意が必要だが、肌触り・吸汗性ともに優秀。
加工はダブルジャージーやコーミング加工など凝ったものもありますが、お手頃なものを探しているならあまり神経質になる必要はありません。
ベッドパッド
ベッドパッドはマットレスとシーツの間に敷くもので、主に寝汗がマットレスに浸透するのを防止する目的で使われます。
ベッドパッドが必要な人は
・汗っかき
・赤ちゃんやペットがお漏らしする
という人です。
当てはまらなければ不要です。
シーツで覆ってしまうので、見えない部分です。デザインは二の次。実用性で選びましょう。
洗濯することも考えて、ウォッシャブルなものを選びましょう。
おすすめの選び方としては、ポリエステル製が安く、ウールパッドは高いです。
マットレスプロテクター
マットレスプロテクターは、マットレスを清潔に保つことに特化したアイテムです。
マットレスに装着した見た目はボックスシーツそっくりですが、シーツのような肌触りは期待できません。あくまでマットレスを水分や汚れから守るための寝具であって、寝心地をよくする効果は期待できません。
そのため、シーツや敷きパッドは併用必須です。
防水・撥水・防ダニなどの加工がされていて、マットレスをしっかりガードします。これ1枚で、よだれも鼻血もおねしょも完全シャットアウト。汚れやすい環境では大活躍です。
たとえば撥水加工のマットレスプロテクターは、水がまったく染み込まず、表面張力で玉のようになって表面にとどまります。コップの水をぶちまけてもマットレスは全く汚れません。
こうした汚れ対策になるメリットとは裏腹に、蒸れるというデメリットもあります。水分を通さないと、特に夏の熱帯夜は寝苦しく感じるので、良し悪しですね。
ちなみに除湿シートは同じく湿気対策ですが、マットレスの下に敷いて、マットレスから染みだしてきた水分を吸収する役割があります。完全に覆ってしまうマットレスプロテクターのほうが防御力は強いといえます。
必須ではありませんが、水洗いできるファイバーマットレス以外だと、あったほうがいいアイテムです。
マットレスの上にマットレスを敷く:マットレストッパー
これまではマットレスの汚れ防止をするための寝具を紹介してきましたが、マットレストッパーはまったく違う役割です。
マットレストッパーとは、マットレスの上に敷くマットレスで、寝心地をUPさせることに特化した薄手のマットレスです。モノによってはピロートップやオーバーレイマットレスといわれることもありますが、すべて同じです。
厚さ3~5cm程度の非常に薄いマットレスで、普段敷いているマットレスの上にそのまま敷きます。床に直接敷くと薄すぎるので腰を痛める可能性があります。正しい使い方をしましょう。
マットレスが硬すぎると感じるときは、敷きパッドでも和らげることができません。ここでトッパーを敷くと、寝心地がガラリと変わって寝やすくなります。
高反発トッパーは弾力性がプラスされるので、マットレスがへたってきたときにも有効です。
低反発トッパーは圧迫感や負荷を軽減してくれます。
高反発マットレスに低反発のトッパーを敷いて、腰痛対策の正しい寝姿勢と寝返りのうちやすさはキープしつつ体圧分散性を高めるといったメリットがあります。ちなみに低反発トッパーといえばトゥルースリーパーが有名ですね。
素材はウレタンフォームが主流。ファイバー製もまま見られます。
マットレスへのダメージも抑えられるので、ヘタリ防止にも有効です。
関連記事:マットレストッパーおすすめ
マットレスの上に敷きパッド
敷きパッドはシーツの代替品、またはシーツの上に敷きます。
シーツと違ってふっくらしているので、マットレスの汚れをブロックするのに加えて、若干のクッション性と寝心地UP効果が見込めます。
「マットレスがちょっと硬すぎるな・・」と思っている人は、敷きパッドを試してみましょう。
あとは、装着や取り外しがお手軽です。四隅のゴムでマットレスに留めるだけ。シーツは四辺を折ってマットレスの下にもぐりこませないといけないので、敷きパッドのほうがベッドメイキングが簡単です。
デザイン的にはシーツだけの時に比べてちょっと不格好かもしれませんね。いかにも「マットレスにくくりつけました」という見た目になってしまうので。
モノトーンのシンプルデザインで統一したいのなら、敷きパッドはふさわしくないかもしれませんね。このあたりは好みです。
機能も、冷感・温感や温度調節機能、果てはシリカゲルを含ませて吸汗性を大幅に上昇させたものなど色々。一長一短あるので洗い替えも含め複数持っておくといいですね。
おすすめ商品は以下です。
迷ったら西川ブランドを選んでおけば品質的にハズレはありません。値段も高くないですしね。
タオル地にキルト加工をした、ふわふわ優しいソフトタッチの肌触りです。綿100%なので家庭用洗濯機でふつうに洗濯できます。
一枚でオールシーズン快適にこなせる万能アイテム。
帝人といえば抗菌防臭のマイティトップ綿が有名です。汗臭・タバコ臭・加齢臭などに一定の防臭効果が見込めます。
ポリエステル100%で洗えてカラッと爽やかに乾きます。ひょうたん型のキルティングで耐久性UP。
表地はピーチスキンといってうっすら起毛のまるで桃の皮のような肌触りです。30㎝までの厚さのマットレスに装着可。
スタイリッシュで高級感溢れる黒一色のデザイン。シーツやベッドも黒なら統一感のあるコーディネートになりますね。
この機能性で2,480円はかなりお買い得です。
mofuaのひんやり涼しい接触冷感加工の敷きパッドです。これで熱帯夜も安眠。冷房つけっぱなしを防いで電気代も節約できちゃいますね。
それになんといっても安い!2000円を切る低価格はいいですね。
ナイロン地で
冷え込みの厳しい冬にうれしい接触温感のあったか敷きパッドです。
遠赤外線を備えた敷きパッドもあります。電子レンジと同じ原理で、マイクロ波という波長の電磁波を放出することで、体の内側からじんわり加熱されてぬくぬく。断熱性に優れているため、ぽかぽかで暖房いらず。
4層構造でふわふわモコモコの細かなマイクロファイバーが体をふわっと受け止めてくれます。
お値段は少し張りますが、冷え性の方は一度使ったら病みつきになるかも。
マットレスの上にそのまま寝るのはNG
「マットレスの上にそのまま寝てもいいの?」
→ダメです。
なにも敷かずにマットレスを丸裸にして直接寝るのはおすすめしません。せめてシーツを敷きましょう。
その理由は、
・カビが発生する
・汚れがつきやすい
・劣化が早まる
といった弊害があるからです。
理由①マットレスにカビが発生する
マットレスをノーガードで敷いているとカビが発生しやすくなります。
人は寝ている間にコップ一杯分(200ml)の汗をかくといわれています。
汗はマットレスの中を伝って下へ下へと流れていき、最後はマットレスの底面にたまります。
それでなくても、日本は多湿のモンスーン気候。
ただでさえ梅雨の時期や夏は湿度が高くてカビや雑菌が発生し、不衛生になりやすい季節。
冬だって油断はできません。室内外の温度差で窓に結露ができます。窓の近くにベッドを置いている人は要注意。
気づいたときには裏面に黒カビがびっしり!ギャー!
・・・なんてことにならないためにも、シーツは敷きましょう。
いったんカビが生えてしまったら、ウレタンフォームやコイルのマットレスは自宅で洗うことができませんし、クリーニングにだすと出費は高額で1万円以上します。リカバーするにしても捨てるにしても手間がかかって一苦労です。
そうならないためにも、おとなしくシーツを敷いておくのがお手軽で賢明です。
盾になってマットレスを守ってくれます。
除湿シートも湿気対策に有効
もう一つ、湿気対策として有効なのは除湿シートです。
除湿シートはベッド(または床)とマットレスの間に敷いて、マットレスの湿気を吸い取ってくれます。湿気の溜まり具合を色で判断できるものもあります。センサー部分が赤く染まったら干して湿気を逃がせば、また青色に戻って再利用できます。
理由②マットレスに汚れがつきやすい
「お風呂に入った後に寝るから体は清潔だよね!マットレスは汚れないから支障ないよね!」
これ、誤解です。
たしかにお風呂から上がった直後は清潔ですが、体は24時間365日新陳代謝を続けていて、老廃物はあとからあとから出てきます。なので時間がたてばたつほど不衛生になっていきます。
マットレスの汚れになる原因は、
・寝汗
・フケ
・垢
・皮脂
・髪の毛
・ホコリ
などがあります。
シーツやカバーをつけて汚れを防止しましょう。
マットレスは汚れても洗えないものが大部分ですが、シーツは洗濯機でカンタンに洗えるのでリカバリーがききます。
理由③マットレスの劣化が早まる
マットレスに汚れがつくと、マットレスの劣化が早まります。
マットレスの素材としてスタンダードなウレタンは、水分に触れると加水分解を起こし、寿命が縮まります。
どのウレタンマットレスでも陰干しが推奨されているのはこうした理由からです。
特に寝汗は塩分と水分のダブルパンチでマットレスを弱らせるので、できるだけ避けたいところです。
金属製のマットレスだと塩分に触れることで錆びも懸念されます。
寝返りを打つたびにギシギシいうマットレスなんて眠れたもんじゃありませんよね。なるべく長く使っていくためには、劣化しやすい要素を取り除いていくことが大切です。
結論:シーツは必須!
マットレスの上に敷く 腰痛
マットレスの上に何か敷いたからといって、根本的な腰痛対策になることはありません。
敷きパッドは多少のクッション性をもたらしてくれますが、腰痛対策としては役不足です。
寝姿勢の保持や改善をしたい場合は、応急処置的に、丸めたタオルを気になる箇所に敷くことで改善がみられることもあります。
腰痛がひどい場合は、マットレス自体に原因がある可能性が高いです。
・柔らかすぎて背骨のS字カーブが不自然な形になっている
・硬すぎて体圧分散されていない
など。
このような場合は、マットレスを変えるか、高反発トッパーマットレスを追加しましょう。
マットレスの上に敷くものは敷布団?敷きパッド?そのまま寝る?
mattress-ue5
マットレスの上,敷くもの,敷布団,敷きパッド,そのまま寝る
マットレスの上に敷くものはシーツ・敷きパッド・ベッドパッドです。いずれも汚れ防止効果があるので、そのまま寝るのは不可です。マットレスの性能が発揮できなくなるので、敷布団は敷いてはいけません。