硬い枕の選び方
硬めの枕が好きな人はどんな枕を選べばいいのでしょう?
枕とひと言でいっても、形もさまざまありますし、中の詰め物の素材によっては、
・洗えるもの、洗えないもの
・値段が安いもの、高いもの
・通気性がいいもの、よくないもの
・フィット感があるもの、ないもの
などピンからキリまであるため、悩みどころですよね。
それに、硬いタイプといっても、人それぞれ好みや硬さに対するイメージは異なります。
これがいい、あれがいいなんていわれても、イメージしにくいでしょうしね。
そこで、まずはじめに、硬い枕の選び方のポイントや素材の特徴や形状など、さまざまな角度から詳しくご紹介していきます。
枕の硬さは素材で決まる
硬い枕かどうかの一番の決め手は、枕の詰め物になにを使用しているかがポイントです。
たとえば、綿などであれば、最初のうちはフィット感があり使い心地もいいと感じるでしょうが、劣化しやすいデメリットもあります。弾力性を保てずぺちゃんこになってしまい、形状を保つことができません。
例として、綿についてご紹介しましたが、枕の中の素材は現在かなり多くの種類があります。
硬い素材の代表的なものは以下のとおりです。
素材 | 特徴 |
高反発ウレタン |
フィット感があるのに沈み込み過ぎないので寝返りもしやすい
|
パイプ |
通気性が抜群でムレに強い上に、耐久性に優れている
|
ファイバー |
寝返りがしやすい上に、通気性がよく丸洗いも可能
|
そば殻 |
安価な上に、熱を溜め込みにくく通気性にも優れている
|
ビーズ |
フィット感があり独特のモチモチの触感が人気。安定性に優れている
|
ただし、一般的な素材としては硬いといわれる素材ということで、ビーズやパイプなどについては、それぞれのサイズによっては硬さに違いがあるため注意してください。
一覧では代表的な素材をピックアップしましたが、ほかにも、
・夏の暑い日や発熱時などに最適な、冷やして使うアイス枕
・食用の梅メーカーが作った、梅の種を詰め物としている五代梅枕
・ヒノキを加工してチップ状にした、ヒノキ枕
などもあります。
梅の種は通気性に優れているメリットがありますし、ヒノキの香りには癒し効果もあるためリラックスして寝たい人にはおすすめなんですよ!
一方、代表的な柔らかい素材は以下の素材があります。
素材 | 特徴 |
ポリエステル綿 |
天然綿のデメリットでもある縮みやすさを克服している上に、乾くのが早い
|
もみ殻 |
柔軟性があるのに柔らかすぎない、ほかにはない無二の素材
|
低反発ウレタン |
体圧を分散しやすくフィット感にも優れている
|
羽毛 |
ふんわりと空気を含むため、頭を優しく包み込むフィット感がある
|
つぶわた |
ポリエステル綿とりも柔らかく、弾力性に富んだ素材
|
硬い枕か否かをチェックするためには、こういった素材の特性から考えてみるとよいでしょう。
そば殻は洗濯不可、虫が湧く
そば殻は硬めの素材に該当しますが、管理のしかたに注意が必要です。
そば殻は天然の素材ですから、虫が湧いてしまう可能性があります。
「だったら衛生的に保つために、しっかり洗えばいいんじゃないの?」と思う人もいるでしょうが、そば殻は洗えません。
もちろん、洗おうと思えば洗えるのですが、
・洗ったはいいけど乾きにくいため、結果カビが生えてしまう
・洗濯機で洗った際に詰め物が出てしまう危険がある
・そもそもそば殻は水に弱いためボロボロになってしまう
など、一歩間違えたら、二度と使えない状態になってしまうのです。
そば殻の枕を使用するのであれば、
・定期的に天日干しをする
・風通しのいいところに干す
・抗菌加工されているそば殻の枕を選ぶ
など、衛生面・管理面には注意してくださいね。
パイプ枕はパイプの種類によって硬さが違う
同じパイプ枕であっても、ハードパイプのものもあれば、ソフトパイプのものもありますし、パイプのサイズによっても違ってくるため、どんなパイプを使用しているのかによって、硬さは違ってきます。
わざと硬さの違いを出すために、ハードタイプとソフトタイプの両方を使用している枕もあるほどです。
そのため、「パイプ枕を使用しているのに、少し柔らかく感じる…」などがあれば、ソフトタイプを使用している可能性もあるので、注意しましょう。
あるいは、「パイプの感じは好きなんだけど少し硬すぎるかも…」という人は、ソフトタイプのパイプのものを選ぶなど、工夫してみてくださいね!
形状で選ぶ
まくらにはさまざまな形状があります。
・ステッチが入っていて、詰め物が偏ってしまわないようになっているもの
・後頭部の部分がくぼんでいるもの
・首元が高めになっているもの
など、挙げるときりがないほどです。
もちろん、形状という意味には、枕の高さの違いもあります。
ですので、同じ硬い枕といっても、人によっては、
・首元がしっかりしているものがいい
・全体が硬いものがいい
・硬さがあって低めのもの、高めのもの
・硬すぎても寝返りがしにくかったら困る
・硬めでも頭を圧迫するようなものは嫌
など条件は異なってくることでしょう。
硬さばかりを求めていても、高さや形が合わないとなると、今後長く使用していくことが困難になってしまいますから、ご自身の望む形状のものを選ぶようにして下さい。
高さは寝姿勢と首の角度で選ぶ
枕の高さは、寝姿勢と首の角度から選ぶようにしましょう。
というのも、
・肩幅や男女の体格差
・仰向けで寝る派
・横向きで寝る派
などによって、フィットする枕は異なります。
たとえば、仰向けになると高さがフィットするからと選んだ枕でも、横向き寝が多い人にとってはフィットしません。
また、骨格も人それぞれ異なりますから、
・猫背気味な人
・ストレートネックの人
・骨格のバランスがいい人、悪い人
・腰痛もちの人
などによっても理想的な首の高さが違ってくるのは当然です。
目安までにご紹介しますと、仰向け寝の人は頸椎が、自然なS字の形がキープできる高さが理想的といわれています。
横向き寝の人は、頭から腰までは水平・一直線になるのが理想の寝姿です。
ほかにも、睡眠中の悩み(いびきや寝返りのしづらさなど)もあるでしょうから、それに合わせて高さを決めるようにしてもいいでしょう。
通気性で選ぶ
枕は睡眠中の何時間もの間、頭にずっとフィットしているものですから、ムレてしまうこともあります。
寝苦しくて起きたときに、頭がとても暑く感じる経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
実はこの、枕のムレは快適な睡眠の妨げになる原因のひとつでもあるんですよ。
ですので、通気性がいいものを選ぶようにするのもポイントです。
通気性の良い素材には、ファイバーやパイプがあります。
逆に通気性の悪い素材は、ウレタン系の素材。
無論、その通気性のなさゆえに、洗えないタイプが大半です。
汗かきだったり、暑がりだったりする人の場合は起こりやすいトラブルですし、そうでない人の場合であっても、夏場は特に枕に熱がこもってしまうこともあります。
また、寝返りがしづらい枕を使用していると、同じ場所にばかり熱が溜まってしまうこともありますし、枕の素材そのものが放熱性・除湿性に乏しい素材もあるので注意しましょう。
洗濯したいならファイバーかパイプを選ぶ
ファイバーやパイプの場合、その通気性のよさゆえに、シャワーで丸洗いができるというメリットもあるため、衛生面を気にする人にもおすすめです。
フィット感があって好きな素材であっても、ムレやすく熱がこもってしまったり、除湿性がないものを使用するのはあまりいいことではありません。
というのも、菌は高温で多湿な環境を好む性質があります。
そんな不衛生な状態になりがちな枕を頭に敷いて、数時間寝ていることを考えるとどうでしょう?
菌をダイレクトに睡眠中に吸い込んでしまっている危険があるのです。
もちろん、ファイバーやパイプ以外の素材の枕を使用している場合であっても、適切な管理(陰干しをする、通気のいいところに干すなど)ができていればいいのですが、万一、汚してしまったら、洗えるというメリットはかなりの強みになってきますよね。
特に髪を半乾きの状態にして寝る、枕元で水分を取るなどの習慣がある人は、枕に水分を含ませて不衛生な状態にしてしまうことがあるので、しっかり衛生面も意識してみてくださいね。
硬い枕おすすめランキング
ひと言で硬い枕といっても、実際どんな枕があるのでしょう?
最近は本当にたくさんの種類の枕がありますし、人それぞれ好みや姿勢は違うため、さまざまな角度から特性を見極めて選ぶようにしたいものですよね。
ここではおすすめな硬い枕を、ランキング形式でご紹介していきます。
ご紹介する枕のプラスアルファの機能なども、枕選びのヒントにしてみてはいかがでしょうか。
サイズやどういった効果があるのかなども詳しくご紹介していきますので、自分の望む睡眠に合いそうなものはどれなのか、イメージしながらチェックしていくようにしてみてくださいね。
エアウィーヴ ピロースタンダード
通気性に優れているにもかかわらず、安定性のあるエアウィーヴのピロースタンダード。
独自加工のエアファイバーを詰め物の素材として採用しており、1年保証もついています。
このエアファイバーには、通気性以外にもシャワーで洗える上に、使っていくうちに頭や体の形状に合わせてフィットしていくなどの、優れた対応力があるのも嬉しいポイントです。
また、3枚の高さ調整シートが入っているため、低めの枕が好きな人から、高めの枕が好きな人まで使用できます。
高さ調整シートは
・頭をしっかり支えるリングコア
・首の負担を軽減するようU字型にカットされているシートコア
・全体の高さを調整するシートコア
の3種類で、それぞれ違う役割があり、シートの組み合わせを変えてカスタマイズできるため、プレゼントにも最適!
なお、ピロースタンダードの詳細は以下のとおりです。
サイズ |
幅40cm ×奥行56cm ×高さ7~11cm
|
詰め物 | エアファイバー |
エアウィーヴの理念は、睡眠の質を高める寝具を作り、本物を追求していくこと。
その理念を裏付けるかのように、
・いびきがなくなった
・寝返りがしやすくなった
・首や肩のこりが軽減した
など、睡眠に対する悩みを解決できたという意見・クチコミも多数寄せられています。
関連記事:エアウィーヴ枕の口コミ!S-LINEとピロースタンダードは洗える
ブレインスリープピロー
名前のとおり、脳をしっかり休めることに特化した枕です。
ブレインスリープは、医師であり、かつ、スタンフォード大学で睡眠の研究を長年続けてきた西野精治さんが開発・創業したメーカー。
つまり、睡眠のプロがこれまでに培った睡眠のノウハウを活かし、質のいい睡眠にこだわって作られた枕なんです。
枕の素材はファイバータイプで、7日程度使用すると、使用者の寝姿勢や頭の形に合うように変形してくれるメリットもある上に、質のいい睡眠にかかせない、通気性も抜群!
特許を取得した三層構造と、パーツによって硬さを変えた7つのグラデーション構造になっていて、寝転んだ際の頭のフィット感もとことん追及されています。
枕本体の高さ調整シートなどはついていないのですが、ブレインスリープの場合、ひとつの枕で2つの高さが使用できる2ウェイタイプになっており、状況に合わせて使い分けも可能です。
さらに、どんな人にも合わせやすいよう、
・LOW(高さ6cmと8cm)
・STANDARD(高さ9cmと11cm)
・HIGH(高さ12cmと14cm)
と、高さの違う3種類のサイズ展開になっており、もし注文して高さが合わなかったとしても、到着から30日以内であれば、違う高さの枕に交換できます。
なお、ブレインスリープの詳細は以下のとおりです。
サイズ |
幅35cm ×奥行60cm ×高さ6~14cm
|
詰め物 |
リサイクル可能な特殊ファイバー
|
睡眠の質を決める、重要な鍵となる入眠から90分の間に、深い眠り(質のいいノンレム睡眠)ができるよう設計されたこの枕を使用したことで、
・朝までぐっすり寝ることができた
・軽いのに安定性もあっていい
・寝違えなくなった
など、長年睡眠に関する悩みがあった人も、この枕を使用してから楽になったという意見・クチコミも多数寄せられています。
関連記事:ブレインスリープピローの口コミや評判がステマで怪しい?
ロフテー 快眠枕LT-080(剛炭パイプ)
横向き寝・仰向け寝、双方に考慮した形状になっているロフティーの快眠枕。
5パーツから構成されています。
枕の両サイドの2パーツ |
横向きでもフィットしやすいように少し高め
|
枕の上(頭頂部)の1パーツ |
顎が上がらないように一番高め
|
枕の真ん中(後頭部)の1パーツ |
頭を安定性させるため一番低め
|
枕の下(首元)の1パーツ |
首のS字をキーできるよう少し高め
|
枕全体で、理想的な寝姿勢をサポートできる仕組みです。
特に硬さを求める人におすすめなのが、剛炭パイプを使用しているLT-080。
炭には消臭効果も期待できる素材ですし、パイプなので、
・通気性があり、湿気や熱がこもりにくい
・程よい弾力性がある
・丸洗いも可能
という好条件の揃った枕といえます。
なお、快眠枕LT-080の詳細は以下のとおりです。
サイズ |
幅43cm ×奥行63cm
|
詰め物 |
ポリオレフィン系複合樹脂(木炭と竹炭が練りこまれています)
|
サイズも大きめなので、寝返りなどで枕から落ちてしまう心配は無用です!
また、高さは4タイプあるのですが、独自の号数設定をしていることから高さ自体は明記してありません。
その独自の号数については、以下を目安にしてみてください。
1号 |
ストレートネックの人や、低めの枕が好きな人向け
|
2号 |
女性向けの標準サイズ、細身の男性にもおすすめ
|
3号 |
男性向けの標準サイズ、高めの枕が好きな人向け
|
4号 |
肩幅があり、がっちりした体型の人向け
|
ロフティーは、全国の百貨店や大型ショッピングセンターに店舗を持ち、店舗には枕のスペシャリストともいえるほどの「ピローフィッター」を有する枕メーカーです。
来店して購入する際には事前予約をして、ヒアリングや首の角度などをしっかり計測をした上で、その人に合った枕を提案してもらえるサービスもおこなっています。
インターネット上でも購入は可能ですが、試してみたい人は、一度、店舗に足を運んでみるのもいいですね!
関連記事:ロフテー枕工房の口コミ評判!合わない?おすすめの種類も解説
モットン枕
モットン枕の素材は、次世代高反発ウレタンフォーム「ナノスリー」が使用されています。
このウレタンフォームは、モットンが独自の研究と開発をして生み出した素材。
従来の低反発ウレタンや高反発ウレタンのデメリットを、克服した新しい素材です。
わかりやすいように、比較表にしてみると…
従来のウレタン | ナノスリー |
寿命は3年から長くても5年 |
10年以上使用してもたったの4%以下しかへたらない耐久性がある
|
ムレやすく湿気がこもりやすい |
上から下に抜ける構造にしたため通気性抜群
|
・低反発の場合、反発力がなく寝返りがしにくい ・高反発の場合、腰や肩に負担がかかり寝返りがしにくい |
沈み過ぎず、適度な反発力があるので、寝返りがスムーズにできる
|
と、低反発・高反発のいいところは残して、それらを超える素材であることがわかりますよね。
なお、モットン枕の詳細は以下のとおりです。
サイズ |
幅40cm ×奥行55cm ×高さ3~11cm
|
詰め物 |
ウレタンフォーム(ナノスリー)
|
ただし、高反発の枕は、高さが合わないと硬すぎて合わないと感じてしまうことがあるもの事実。
しかし、そんなことが起きないよう、モットン枕は、高さ調整シートは1cmが4枚、ハーフサイズの高さ調整シート1cmが2枚もついてくる上に、枕の上下で高さを変えた2ウェイ設計になっています。
そのため、低めの枕が好きな人から高めの枕が好きな人まで、微調整できるのも嬉しいポイントですね!
関連記事:モットン枕の口コミ評判レビュー!硬さ選べて高さ調整可(旧:めりーさんの高反発枕)
ニトリ 高さ10ヵ所調整できる枕(パイプ)
耐久性と通気性が抜群にいい、パイプを使用したニトリの枕です。
一般的な機能性の高い枕に比べると低コストなのに、10ヵ所ものパーツで自分の寝方に合わせて高さ調整ができるというのは、かなりのメリットといえます.。
また、ニトリは店舗数も多いので、実際に足を運んで気楽にお試しができるというのも、ニトリならではの強みですよね。
まずわかりやすいように、高さ10ヵ所調整できる枕のスペックをご紹介します。
サイズ:幅40cm ×奥行60cm ×高さ9~14cm ※1
詰め物と高さ調整
1層目 | パイプ | 4ヵ所 |
詰め物の抜き差しが可能 ※2
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2層目 | ウレタン素材 | 5ヵ所 | ・取り外し ・折り畳み ・移動 が可能(1cm) |
3層目 | ウレタン素材 | 1ヵ所 |
抜き差しで全体の高さ調整が可能(2cm)
|
※2:首元だけはポリエステル100%の綿が入っていて、抜き差しはできません。
これだけ微調整ができれば、
・横向き寝しやすいように
・寝返りがしやすいように
・顎が上がり過ぎ(下がり過ぎ)ないように
など、睡眠の悩みに合わせてカスタマイズもできますし、素晴らしいコスパといえますよね!
さらに、このシリーズはパイプのみならず、そば殻を使用したタイプもありますので、パイプが思ったより硬いなど、合わないようであれば、そば殻を試してみるのもいいですね。
なお、パイプなので丸洗いは可能なのですが、その際は、ウレタンのパーツは必ず抜くことを忘れないようにしましょう。
参考:高さ10ヵ所調整できる枕(パイプ)通販 | ニトリネット【公式】 家具・インテリア通販
硬い枕の比較
●
硬い枕のメリット・デメリット
硬い枕にはメリットもあれば、デメリットもあります。
比較しやすいように表にして確認してみましょう。
・頭や首をしっかりとサポートしてくれる
・沈み込み過ぎないため底付きしない
・寝返りがしやすい
・へたりにくい
・変形しにくく睡眠中にも安定感がある
・後頭部に圧迫感を感じやすく痛く感じる
・パイプなどの素材の場合、寝返りをするとパイプの動く音で起きてしまう
・沈みしくいため、骨格によっては首や肩に隙間が凝りの原因になる
・素材によってはゴツゴツしていて寝つきにくい
基本的には好みで選んでいいのですが、デメリットの内容から素材をチョイスするのもアリです。
たとえば、
・パイプの枕のザラザラという音がダメという人は、高反発ウレタンを選ぶ
・後頭部の圧迫感が嫌な人は、枕の中心部にくぼみがあるタイプを選ぶ
・硬すぎて首や肩に隙間ができやすい人は、高さ調整ができるものもを選ぶ
など、対処法はいくらでもあります。
ただし、そのデメリットゆえに、メリット以上のトラブル(頭痛や硬すぎて寝付けないなど)がある場合には、まずそのトラブルを解決することを優先的に考えるようにしてみてくださいね。
硬い枕と柔らかい枕の比較
硬い枕と柔らかい枕には、それぞれメリットもあれば、デメリットもあります。
それに、人それぞれの
・好み
・骨格、体格
・癖、寝姿勢
・睡眠の悩み
・寝相
などは異なりますし、一概にはどちらがいいとは言い切れません。
そこで、具体的にそれぞれの違いをわかりやすいように比較してみます。
硬い枕 | 柔らかい枕 | |
姿勢 | 頸椎の自然なS字を保てる |
首・肩のみならず、腰にも負担がくる可能性あり
|
フィット感 | 包み込まれるようなフィット感はない |
頭を優しく包み込まれるフィット感がある
|
耐久性 | 枕の底付きなどもなく耐久性のある素材が多い |
へたりやすい素材が多く、耐久性には乏しい傾向がある。素材によっては底付きで後頭部に違和感を感じることも
|
肩こり | 寝返りがしやすく、首肩の負担軽減ができる |
沈み込み過ぎて、寝返りができず血流が詰まり、首肩の負担が多くなる
|
ストレートネック | 首が圧迫されて息苦しいと感じる可能性あり。硬すぎはNG |
柔らかい枕のほうがフィット感はあるが、柔らかすぎはNG
|
いびき | 硬さよりも高さがポイント |
やはり、このように比較してみると、よしあしは双方あるため、自身がどこを解決したいか、なにを求めるのかが鍵ですね。
ただし、いずれの場合でも硬すぎる・柔らかすぎるというのはご紹介した症状の原因になることがありますし、枕の高さによってはメリットもデメリットにしてしまう可能性もありますので、注意してくださいね。
硬い枕に関するよくある質問と回答
硬い枕に横向きに寝ると顔がゆがむ?
硬い枕で横向きに寝ていても、顔が歪むことはありません。
そもそも頭蓋骨は乳児(2歳前後)までに90%近く完成します。
おおよその顔の骨格が決まるということです。
ですので、顔が歪むということはありませんが、問題は歯並びに影響が出る危険があること。
あまり意識している人は少ないかもしれませんが、歯は移動します。
歯の矯正は、長時間かけて歯に力を加えることより、理想的な歯の並びに変えていくのですが、それと同じように、硬い枕で毎日の睡眠で横向き寝をしているということは、左右非対称な圧がかかる時間があるわけです。
そのため、骨格や顔の骨がズレて顔が歪むということはないのですが、片方にばかり向いて寝ていれば、片側の歯の並びばかりが圧迫されることにより、左右のバランスが崩れてしまいます。
本来、歯に優しい寝姿勢は仰向けで寝ることですので、顔のズレ・歯並びが心配な人は注意してみてもいいですね。
参考:態癖(寝る姿勢につて) | 戸越銀座KT歯科・矯正歯科
硬い枕に寝ると血流が滞る?
硬い枕を使用していたとしても、血流が滞ることはありませんのでご安心ください。
硬い枕に対して、間違ったイメージを持っている人は少なくありません。
たとえば、
・後頭部に圧迫感があるのは、硬い枕のせいで血流が滞っているのでは…
・硬い枕だから首や肩にフィットしなくて、血流が滞るのでは…
・頭痛が起きやすくなるのは、硬すぎて血行不良になっているのでは…
・寝返りができずに、硬直してエコノミークラス症候群になってしまうのでは…
などの意見が多いのですが、これらはすべて、枕選びを間違えているからなのです。
後頭部に圧迫感がしたり頭痛が出たりするのは、首から後頭部に伸びる後頭動脈が圧迫される形状の枕(頭の丸みにフィットしない枕)を使用しているからですし、首肩にフィットしないのは高さが合っていないから。
また、寝返りができないのも、圧迫感も頭痛も硬すぎる枕を使用している可能性があります。
エコノミークラス症候群は、頭ではなく下半身から上半身の血流が滞ることで発症する病気です。
もし、硬い枕を使用して、血流関係の嫌な症状が起きているのであれば、
・硬すぎるのでは?
・高さが合っていないのでは?
・形状が合っていないのでは?
など、まず枕そのものの状態を見直すことをおすすめします。
参考:
エコノミークラス症候群(急性肺血栓塞栓症) | いしわ内科皮フ科クリニック
硬い枕に横向きに寝ると痺れるけど大丈夫?
硬い枕で横向き寝をしているときに、しびれや痛みなどの不調を感じる場合は、枕を変えるか、医師に相談するようにしましょう。
というのも、横向き寝でしびれを感じるというのはいくつかの原因が考えられるからです。
ただただ、寝返りができていなくてしびれているだけであれば、横向き寝でも寝返りしやすい形状の枕に変えたほうがベター。
また、ストレートネックの人の場合は、片方の
・大後頭神経
・小後頭神経
・大耳介神経
などの頚部を支える筋肉のすぐ側にある神経を圧迫・緊張させ続けることにより、片頭痛を引き起こしやすい状態になるのです。
片頭痛からズキズキする頭の痛みやしびれを引き起こしていることもありますし、繰り返してしまう可能性もあります。
あるいは、首・肩・腕・手などにしびれがある場合は、頚椎症によってしびれが出ている可能性があり、悪化すると足などにもしびれが出て、あらゆる動きにもたつきが出てきてしまうことも…。
頚椎症は、老化による椎間板の変形からおこります。
片頭痛も頚椎症の場合も、自然治癒ができなくはない症状ですが、悪化していたり、頻度が多かったりするようであれば、リハビリや投薬、頚椎の牽引などをする必要があるため、我慢できるしびれだとしても侮らないようにしましょう。
参考:
顎関節症だけど硬い枕に寝ても大丈夫?
結論から先にお伝えしますと、顎関節症の人でも硬い枕で寝ても問題ありません。
顎関節症の人の場合は、枕の硬さよりも高さに焦点を置いてください。
顎関節とは、文字通り頭蓋骨と顎のつなぎ目の関節(=蝶形骨)のことを刺しますが、顎関節というのは頚椎全体(首から下の腰までにかけて)の骨や筋肉に関連する組織があって、初めて機能するものなのです。
つまり、顎単体で動いてるということではありません。
そこで枕の高さが関係してきます。
たとえば、高すぎる枕を使用していると、頭が上がり首が圧迫される状態になり、顎関節にも強い負荷がかかる原因になりますし、低すぎる枕を使用していると、顎が上がって頸椎を圧迫して顎関節に負荷がくるというわけです。
枕の高さが原因で、蝶形骨周りの関連する組織に負荷がかかったり、圧迫する状態になったりすることから、顎関節症の症状が出てくる原因にもなります。
枕以外の普段の姿勢や事故などが原因で起こることもあるのですが、顎関節症の症状がすでに出てる場合は、枕だけでどうこうしようとするのではなく、しっかり治療をするようにしましょう。
「でも、何科に行くべきなんだろう?」と迷う人もいるでしょうが、原則、顎関節症は歯科口腔外科の範疇です。
ただし、原因によっては、整形外科や耳鼻科に行かなければならないケースもあります。
診断は、問診や口腔の確認と、レントゲン撮影などからおこない、必要な場合はMRI検査までするケースも。
治療法は、マウスピース治療が一般的です。
症状や原因によっては、投薬療法をすることもあります。
出張で持ち歩ける硬い枕ってないの?
これまでにご紹介した枕でも、持ち歩くときのための専用袋がついてくるものもあるのですが、出張などで「かさばる枕を持ち歩くのは…」「狭いビジネスホテルで荷物が増えるのは…」、なんて懸念もあるのではないでしょうか?
そんなときには、かさばらないインフレータブルタイプの枕がおすすめです。
インフレータブル枕とは、自分で空気を入れて膨らませるエアー枕のこと。
使用しないときには折りたたんで持ち運べるようになっています。
最近では特に、キャンプブームなどもあり、インフレータブルタイプの枕のデザイン性や機能性もかなり上がってきていますので、気になるかたは一度チェックしてみてくださいね。
ただ、「買ってまでは…」「出張なのに枕を持ってくるのを忘れてしまった!」などのケースもありますよね。
そんなときは、ペットボトルを即席の枕として使用してみましょう!
ペットボトルといってもサイズも素材もたくさんあるのですが、硬めの枕が好きな人には角ばったペットボトルがおすすめです。
意外にも、首の高さにフィットするものもありますし、耐久性もあります。
ペットボトルであればどこでも購入できるでしょうし、出張先であっても困るものではありませんので、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか?
硬い枕で寝ると顔がむくみやすいって本当
硬い枕で寝ているからといって、顔がむくむ、あるいはむくみやすくなるということはありません。
むしろ、硬さよりも高さに問題があるケースが多く、
・低反発枕などの放熱しにくい枕
・低い枕で首のS字が保てていない枕
・起きた時に首が痛い枕
・高すぎて首を圧迫する枕
などを使用している場合、首から上の顔の血流が悪くなり、水分がうまく排出できなくなってしまうことがあります。
また、臥位(がい:寝たときの体や頭の向き、寝姿)も多いに関係していて、
・低い枕でうつ伏せに寝ている
・枕の上の方に腕を上げて寝ている(肩こりの人に多い)
・寝具(マットレス)が沈みすぎて下半身に圧がかかっている寝姿になっている
などの場合でも、スムーズな血のめぐりを妨げる原因になることがあるのです。
良質な睡眠を取るための枕のポイントは、冷たいと硬いの両方がそろうこと。
冷たすぎも硬すぎも、もちろんよくはありませんが、頭を冷やして体を温めることと、適度な硬さで首のS字を保つことで、血流がよくなりリンパの詰まりもなくなるとされていますので、枕による顔のむくみが気になる人は、
・枕の高さ
・硬さ
・放熱性
を意識してみてくださいね。