低い枕の選び方
低い枕を選ぶとき、いくつか気を付けておきたいポイントがあります。
いくら低い枕が好きだとはいえど、低すぎもよくありませんし、間違った低い枕を選んでしまうと、睡眠の質まで下げてしまったり、体の不調につながってしまうこともあるからです。
せっかくの睡眠で、不調を招いてしまっては元も子もないことになってしまいます。
そこで、まずはじめに、低い枕の目安ってどのくらいの高さまでがいいのか、どういったポイントに気を付けておけばいいのかなどを紹介しますので、低い枕を選ぶときの参考にしてみてくださいね。
高さの目安は5~8㎝
枕の高さは、5~8cmのものを選ぶようにしましょう。
というのも、低いタイプの枕とひと言でいっても、その高さの基準は千差万別。
たとえば、「当社比として低め」という意味なだけで、そのメーカーの商品の中では低めというだけの可能性もあります。
あるいは、「実寸がこの高さ」という表記をしているだけであって、実際に頭をのせたときの沈み具合によってはもっと低くなるのは当然のこと。
実際に使用したときの沈み具合というのは、
・枕の詰め物の素材
・使用する人の寝姿勢
・頭の重さ、骨格
などによっても異なります。
つまり、低めの枕が好きだからといって、5cmの枕を使用していたとしても、素材が柔らかすぎるものであれば、沈み込みが強すぎて枕の底付きを感じて枕としての意味をなしていなければ、本末転倒です。
寝姿勢によっては、5cmギリギリの枕だとかえってコリの原因を生み出してしまう可能性もあります。
そのため、いくら低い枕が好きだとしても、素材によっては5cm未満のものを使用するのは注意することを忘れないようにしておきましょう。
汗かき・暑がりなら通気性の良い素材
汗かきな人や暑がりな人は、通気性のいいファイバーやパイプを使用している枕を選ぶようにしましょう。
低反発ウレタンや極小ビーズは、密着度が高くてフィット感がある反面、放熱性や除湿性がいい素材とはいえません。
もちろん、フィット感重視の人にとってはこれらの素材もいいですし、最近ではムレない工夫を施したウレタンやビーズも出てきているのですが、ファイバーやパイプタイプの枕と比べると、通気性には雲泥の差があります。
なぜここで通気性の解説をしているのかというと、通気性のいい枕を選ぶことには、汗かきや暑がりという話以外にも、質のいい睡眠には欠かせない。重要なメリットがあるからです。
通気性のいい枕を使用して、頭(脳)を冷やすことで、
・代謝を穏やかにして寝つきをよくする
・頭寒足熱(頭を冷たくして足を温める)で血流を穏やかにする
・自律神経を整えリラックス状態になれる
という条件がそろいます。
それだけで入眠しやすい状態を作れますし、暑くて起きてしまうトラブルも解消することができるのです。
枕の素材の好みは人それぞれでしょうが、睡眠の質を上げるためにも、「通気性」を考えて枕を選ぶこともお忘れなく!
赤ちゃんがいるなら洗える素材
赤ちゃんや小さなお子さんがいるご家庭では、洗える素材の枕を選ぶようにしましょう。
おすすめな素材は、ファイバーやパイプがあります。
幼児以下の子どもは、まだまだ免疫力がなかったり、どんなアレルギーがあるかわかりにくかったりしますし、極力、不衛生な状態は避けたいところ。
枕は毎日数時間使用するものですし、無意識のうちに枕がよだれや汗を吸い込んだり、濡らしてしまったりして、雑菌が繁殖してしまい不衛生になってしまうことがあります。
また、赤ちゃんならミルクの吐き戻しもしょっちゅうですよね。
大人は大丈夫だったとしても、子どもに免疫力も抵抗力も大人ほどありませんから、汚れたらすぐ洗えて、清潔さを保てる素材の枕を使用するのはとても重要なことです。
もちろん、大人にとってもこれは同じことがいえます。
不衛生な枕で寝ているうちに、雑菌を吸い込んでしまうことがあるのは否めません。
特に呼吸器官が弱い人などは、洗える素材かどうかも枕選びのポイントとして考えるようにするのもいいですね。
低い枕のおすすめ
低い枕のおすすめをいくつかご紹介します。
低い枕を選ぶ際に注意しておきたいのは、寝転んだときにペタンコになってしまうものやあまりにペタンコ過ぎるものは選ばないこと。
いくら低い枕が好きだとはいえ、低ければいいというわけではありません。
それに、寝転ぶと沈みすぎてしまう枕や、低すぎるものを使用し続けていると、
・首肩のこり
・ストレートネックの悪化
・頭痛
など、不調の原因になってしまうことがあるからです。
ここでは、そういった懸念点をクリアしている枕をご紹介します。
どんなものがあるのか、参考にしてくださいね。
エアウィーヴ ピロースリム
田中みな実さんの意見をきっかけに誕生した、エアウィーヴのピロースリム。
この枕の最大のメリットは、
・枕なしで寝たいけど、なきゃないと困る
・ストレートネックで首元が高い枕だと首が痛い
・高い枕は苦手だけど、柔らかすぎて低くなる枕は困る…
など、絶妙な枕の悩みに対応できること!
こういった微調整に苦戦して、枕難民になっている人は多くいるものです…。
では、なぜおすすめなのかについてですが、そもそも、エアウィーヴのピロースリムの素材には、独自開発したファイバー素材「エアファイバー」が採用されています。
このエアファイバーの特徴には、
・通気性がよく放熱性、除湿性ともに抜群
・丸洗い可能
・適度な反発力があり寝返りがしやすい
・三次元構造であらゆる角度から、体を支えら得る
などがあり、まさに安眠に適した素材なのです。
さらに、ピロースリムには高さ調整シートが2枚入っていて、1枚は硬め、もう1枚は柔らかめとなっているため、高さのみならず、硬さもお好みに合わせて使用できます。
また、エアウィーヴは枕・マットレスともに、1年保証がある上に、
・スポーツ選手
・ホテル
・JALの国際線のファーストクラス
などに数多く採用・評価されているため、実績といっても過言ではありません!
なお、エアウィーヴ ピロースリムの詳細は以下のとおりです。
サイズ |
縦33cm ×横80cm ×高さ5~7cm
|
詰め物 | エアファイバー |
従来の枕よりも、かなり横幅も広いので、どれだけ寝返りをしても、枕からズレ落ちてしまう心配もありませんね!
関連記事:エアウィーヴ枕の口コミ!S-LINEとピロースタンダードは洗える
ブレインスリープピロー スタンダード LOW
「翌日のパフォーマンスをよくするために、質のいい睡眠を取ろう」というコンセプトで生み出されたブレインスリープピロー。
ブレインスリープピローのスタンダードタイプには、3つのタイプの高さの枕がありますが、低めの枕をお探しの人にはLOWがおすすめです。
素材はリサイクル可能な特殊ファイバーで、
・通気性がよく、ムレや熱のこもりの心配がない
・丸洗いができる
・枕の両端から真ん中にかけて7つの硬さの変化がある(端は硬め、真ん中は柔らかめ)
などの、優れた特徴があります。
また、適度な反発力もあり寝返りがしやすいメリットもあるのですが、このシリーズの場合、特許を取得した3層構造になっていて、それぞれ異なる硬さになっているのです。
1層目 | アジャスト層 |
頭をのせる部分で、使用するごとに頭にフィットする
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2層目 | サポート層 |
頭や首をサポートする
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3層目 | ベース層 |
硬めで安定性があり、下からも放熱・除湿できる
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さらに、枕の上下で高さが違う2wayタイプになっているので、ひとつの枕で2種類の高さを体験できるようになっています。
なお、スタンダード LOWタイプの詳細は以下のとおりです。
サイズ |
縦35cm ×横60cm ×高さ6cm・8cm
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詰め物 | ファイバー |
ファイバーのよさを活かした上に、さらなる独自の付加価値をつけた枕ですので、試す価値は十分にありますね。
関連記事:ブレインスリープピローの口コミや評判がステマで怪しい?
ニトリ 高さ10か所調整できる枕
コストパフォーマンスのよさが抜群なニトリにも、おすすめな枕が販売されています。
その名も「高さ10か所調整できる枕」。
読んで字のごとく、あらゆる寝姿勢や骨格に合わせられるよう、10か所ものパーツで高さを変えることができます。
さらに、使用してある素材は、
・パイプ(硬めで通気性がいい)
・そば殻(やや硬めで通気性がいい)
・ラテックス(柔らかめで弾力性もある)
の3種類あり、硬さも好みに合わせられるという、かなりハイスペックな商品です。
さきにこの枕のスペックをご紹介します。
サイズ:縦40cm 横60cm ×高さ9~14cm
詰め物と高さ調整
1層目 | パイプ | 4ヵ所 |
詰め物の抜き差しが可能 ※2
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2層目 | ウレタン素材 | 5ヵ所 | ・取り外し ・折り畳み ・移動 が可能(1cm) |
3層目 | ウレタン素材 | 1ヵ所 |
抜き差しで全体の高さ調整が可能(2cm)
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一見すると、「え?低くないよね?」と思うかもしれませんが、これはあくまで本体そのものの高さです。
・2、3層目のウレタンは沈み込む素材ですから、外してしまえば高さが下がる
・素材の抜き差しでも高さは変更可能
・ラテックスタイプは、柔らかめな素材なのでさらに高さを抑えることができる
など、調整次第で低めな枕にできます。
また、人によってはこの部分は低いほうがいいけど、ここは高くてもいいなどの意見もあるでしょう。
そういった場合にも、さまざまなパーツで高さの微調整ができるのは、ニトリならではのコスパのよさといえますね。
高さ10か所調整できる枕検索結果 | ニトリネット【公式】 家具・インテリア通販
マニフレックス フラットピッコロ
世界各国で販売されており、愛用者もたくさんいる、イタリアの大手寝具メーカー・マニフレックス。
そんなマニフレックスの商品で、低い枕としておすすめしたいのがフラットピッコロです。
マニフレックスが独自開発した高反発フォーム、「エリオセルMF」が採用されており、
・反発力があるのに硬すぎず、体圧を分散できる
・オープンセル分子構造で通気性に優れている
・しっとり感のある優しい柔らかさがある
などのメリットがあります。
そのため、ウレタンフォームでありがちなデメリットをクリアしているのは、マニフレックスならではの強みなのですね!
さらに、フラットピッコロの形状は、凹凸をつけずフラットな形状になっています。
強制的に姿勢を補佐するようくぼみを作ったり、首元を厚くしたりしなくても、しっかり頸椎を支えられる素材だからできることです。
また低めの枕なので、首元のしわ予防にも効果的ということもあり、「女優まくら」ともいわれています。
なお、フラットピッコロの詳細は以下のとおりです。
サイズ |
縦34cm ×横60cm ×高さ8cm
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詰め物 |
高反発フォーム(エリオセルMF)
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購入時にセットでトラベルロールもついてくるため、コンパクトサイズにして旅行や出張のときに気軽に持ち歩けますよ!
関連記事:マニフレックス枕の口コミ!ピローグランデの評判と寿命
西川 もっと寝顔美人
日本の老舗寝具メーカー、西川から発売されている「医師がすすめる健康枕」シリーズの「もっと寝顔美人」も、おすすめな低めの枕のひとつ。
高さは「低め」と「とても低め」の2種類販売されており、低い枕が好きな人や、首にしわができるのを気にする女性にもってこいな枕なんです!
このシリーズは、日本臨床整形外科学会の名誉会員、かつ、整形外科医でもある医学博士・奥山隆保さんと西川の共同開発で誕生しました。
コンセプトは、
・後頭部
・首
・肩
の3点の圧力バランスを枕でコントロールして、快眠をサポートする枕を作ること。
寝具のプロと姿勢・骨格のプロがタッグを組んで生まれた枕なだけあって、これでもかというほどの工夫が盛りだくさんなんです!
あまりにたくさんの工夫が施されているので、箇条書きにしてみますが、
・真ん中を少しくぼませているため、後頭部がしっかりフィットする
・肩にフィットする形状
・首、頭、両サイドの4箇所で高さ調整が可能
・パーツによって粒わたとマイクロ綿を使い分けて使用感アップ
・抗菌加工
など、至れり尽くせりな枕ということもあり、西川の商品ラインナップとしても愛用者が多数いるロングセラー商品になっています。
なお、もっと寝顔美人の詳細は以下のとおりです。
サイズ |
縦40cm ×横60cm
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詰め物 |
粒わた、マイクロわた(ポリエステル100%)
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「西川の商品って高いんじゃないの?」と思う人も多いでしょうが、この商品は税込み5,500円(※2023年1月時点)と、機能性枕の中では非常に低価格な部類に該当します。
低価格な上に、高さ調整ができることを考えたら、高コスパな枕であることは間違いありませんね!
低い枕が合う人
低い枕が合う人・合わない人がいますが、どんな人がいるのでしょうか?
低い枕を使ったほうがいい人にはいくつかタイプがあるのですが、代表的なのは、ストレートネックの人。
というのも、首から腰までの骨は本来、S字に湾曲しているものです。
これは生理的湾曲といって、
・首は前弯
・胸部は後弯
・腰は前弯
になっているのが理想なのですが、ストレートネックなどで生理的前弯がなくなってしまっている人がいます。
その場合、高い枕を使用してしまうと、頸椎(首)が圧迫されて息苦しくなってしまったり、ほかの人より枕の高さが高く感じてしまったりするのです。
ストレートネックの人以外にも、これと同じような症状が出てしまう人や、高い枕を使用するとよくない人もいますので、詳しくご紹介していきます。
首が短い・背が低い人
首が短い人にとって高い枕は、ほかの人よりも首から頭にかけての角度が、急角度になってしまい、呼吸しずらい状態を作り出してしまいます。
呼吸のしやすさ以外にも、ストレートネックの人と同じように、頸部を圧迫されているように感じてしまうことにもつながるのです。
そもそも、仰向けに寝る人の場合、枕を敷いたときの頭の高さと肩までの適切な角度は5度といわれています。
(体格ががっちりしている人はもう少し浅くてもOK)
そのくらいの角度が、呼吸がしやすくリラックスできる姿勢を保てるからです。
首が短い人は、低い枕を使うことで理想的な角度にするようにしましょう。
ちなみにこの話に連動する補足としてお伝えしておきたいのが、腰痛もちの人にも。高い枕を使用するのはおすすめできません。
頭が高い位置にあり過ぎることで、首から腰にかけての負担を増やしてしまうことになるからです。
また、背が低い人や華奢な人も高い枕を使うと、同じような症状に悩まされることがあるため、低い枕を使用するほうがベター。
なお、個々の体格差はあるのですが、一般的に男性よりも女性の方が、頸椎弧(生理的前弯の角度)が浅いことが多いため、高い枕を使用すると首が痛い、呼吸がしづらいなどの症状に悩みやすい傾向があります。
そのため、女性の方も少し低めのものを選ぶようにするとよいでしょう。
合う高さが見つからない人
自分にとってどの高さの枕がいいのかわからない、合う高さが見つからないという人の場合も、低い枕を使用するのがおすすめ!
というのも、そもそも高めの枕は、それ以上、低くすることができないからです。
沈み込みが強い柔らかめの素材の枕であれば、高めの枕だったとしても寝転んだときに、いくぶん低くなることはあっても、頭が接している部分以外の高さが変わるわけではありません。
つまり、頭が枕に埋もれてしまう状態になってしまうのです。
すると、今度は寝返りがうまくできずに質のいい睡眠を取ることができません。
しかし、低い枕の場合は、もう少し高さを出したいと感じたら、枕の下にバスタオルやフェイスタオルなどを敷いて、高さを調整することができます。
規制品で枕の高さが合わないのであれば、自分でも調整ができるということを知っておけば、低い枕でも安心して購入できるのではないでしょうか。
いびきをよくかく人
いびきをよくかく人も高い枕は避けて、低い枕を使用するほうがよいでしょう。
ただし、さきにお伝えしておきたいのは、いびきをかくのにはさまざま原因があるということです。
そのため、低い枕を使用しても、鼻炎や老化などの理由からいびきをかくことはあります。
しかし、そのいびきの原因が、枕の高さゆえに気道を狭めていることから起きている場合には、低い枕を使用するだけでいびきが激減することもあるのですよ。
というのも、高い枕を使用すると顎がさがり、喉元を圧迫する状態になってしまいます。
実際に、枕が高くなればなるほどに、呼吸量(肺気量)が減少するというデータも出ているのですが、これは、喉の圧迫が増えた結果、気道が狭くなってしまっている証拠です。
そして、気道が狭くなることにより、呼吸をするたびに粘膜に息が触れる振動音(=いびき)が発生しやすくなってしまうのです。
また、首元だけが高い枕も、顎が上がり過ぎることにより口呼吸になってしまい、いびきをかきやすくなってしまいます。
低すぎももちろんよくありませんが、スムーズな呼吸ができる低めの枕を使用してみましょう。
低い枕が合わない人
低い枕が合わない人、使用しないほうがいい人もいます。
これまでにもお伝えしてきたように、
・骨格、体型
・睡眠時の悩み
・寝姿勢
によって、理想の高さは異なるものです。
ほかにも、体調によっても低い枕は使わないほうがいいタイミングもありますし…。
ご紹介する内容にあてはまる人は、低めの枕は避けるようにしましょう。
本来、枕は低すぎず高すぎずがいいといわれています。
低めの枕を使用していて、不調が出てきていたり、今ある不調が悪化してきたりしているようであれば、少し高さを出す工夫もしてみてくださいね。
めまいがしている人
・めまい
・立ちくらみ
・ふらつき
などがある人は、低い枕は避けるようにしましょう。
めまいが起こる原因は、貧血や自律神経の乱れなどさまざまありますが、低い枕が原因になることもあるからです。
そもそも、低い枕を使っていると、顎が上がってしまうことや、心臓の高さより頭の位置が低くなってしまい、血流が悪くなることにより、倒立しているときのように、頭に血が上る状態になってしまうことがあります。
こんな状態で寝ていると、寝違えてしまうことがあるのはもちろんのことですが、もっと怖いのが耳の不調が原因で起こる、「良性発作性頭位めまい症」になってしまうことです。
内耳には三半規管という左右、上下などの平衡感覚を認識する器官と、垂直感覚を認識する卵形嚢があります。
卵形嚢の中にはカルシウムでできている浮遊耳石があり、その耳石が剥がれて小さなくずになると、三半規管に流れ込み、内耳のリンパ液のバランスを崩してしまうことがあるのです。
結果、良性発作性頭位めまい症になり、ふらふらする感覚が出たり、眼振(がんしん:目が横や上下に揺れて痙攣するような状況)が起きたりします。
良性発作性頭位めまい症の治療には、眼振の状態を見ながら、原因になっている耳石がどこにあるのかを判断し、その耳石を正しい位置に戻すよう、簡単な体操(エプリー法)をするのが一般的です。
1日に3回程度、数週間続けることで改善していくとされていますが、個人差がありますので、心配な人は医師の指示に従うようにしてくださいね。
また、めまいは耳が心臓の位置より低い位置にある状況も、めまい・ふらつきを感じやすくなってしまうため、めまいがある人は横向き寝も避けるようにしましょう。
参考:良性発作性頭位めまい症 - 19. 耳、鼻、のどの病気 - MSDマニュアル家庭版
横向き寝が多い人
低い枕で横向き寝をしてしまうと、理想の寝姿を取ることができず、頸椎に負担をかけてしまう原因になります。
結果、首が横に曲がり、筋肉や靭帯が引き延ばされて、首こりや痛みを引き起こしてしまうのです。
そもそも、横向き寝の人の理想的な寝姿勢は、頭から背骨までの高さがマットレス(敷布団)と平行に保たれる状態にすること。
頭も首も一直線になって、背骨まで高さが一定になっていなければなりません。
しかし、低い枕を使うということは、頭も首も背骨よりも下がる状態になり、首が曲がってしまいますし、上になっている側の筋肉や靭帯が突っ張っている状態になってしまいます。
特に、同じ向きにばかり寝ているとなると、一方の筋ばかりが引っ張られて、筋肉が緊張状態になってしまうのです。
頸椎の負担がひどくなると、体・姿勢のバランスが崩れてしまい、
・頭痛
・眼精疲労(目の奥の痛み)
・吐き気
・肩こりや肩の中の痛み
などの、つらい症状を引き起こすこともありますので、注意しなければなりません。
猫背の人
背中が丸まってしまう猫背の人や、首猫背の人も、低い枕を使用するのはおすすめできません。
頭が体より前に突き出している状態のことをヘッドフォワード(head:頭、 forward:前方)というのですが、こういった姿勢の人は、ふつうに立っている状態であっても、すでにほかの人よりも、上半身が前のめりな姿勢になってしまっているのです。
布団に仰向けで寝たときも、姿勢がまっすぐな人とは異なり、上半身の位置が丸まって首や肩の位置が高くなります。
そもそもの姿勢が、このような形状になっているのですから、当然、低い枕を使用すると、首や肩周りに隙間ができやすくなるのです。
枕や寝具と体に隙間ができるということは、隙間部分の体圧を分散できないため、体で負担をダイレクトに受け止めることになり、肩こりや首こりの原因を生み出します。
あるいは、低い枕に無理やり体をフィットさせようとしても、本来の骨格の位置ではない姿勢になるため、節々に負担がかかる悪循環に…。
そうならないようにするためにも、「本来の骨格」に見合った高さの枕を使用しなければなりません。
低い枕のメリット・デメリット
いくつか、低い枕が合う人や合わない人をご紹介しましたが、今一度、低い枕のメリットとデメリットを比較して確認してみましょう。
対比しやすいように一覧表にまとめてみます。
・首の前側のしわができにくい
・首のS字カーブが少ない人にはフィットしやすい(ストレートネックなど)
・タオルなどで後から高さ調整ができる
・(原因にもよりますが)いびきの軽減ができる
・呼吸がしやすい
・首の生理的弯曲がある人にとっては、首と枕の間に隙間ができてこりの原因になる
・横向き寝には向いていない
・顎が上がり頭に血が上りやすく、めまいやむくみの原因になる
・素材によっては底付きを感じやすい、または、へたりやすい
選ぶ素材や、形状で対処できるデメリットもあれば、低い枕こそのメリットもあり、一長一短があるのは一目瞭然ですね。
自分の好みと合う枕は、必ずしもイコールではありませんので、こういったメリットやデメリットを考慮した上で、枕選びをするようにしましょう。
低い枕は肩こりに効果がある?
「低い枕のほうが、肩こりの人にはいい」なんて聞いたことがある人もいるかもしれませんが、結論から先にお伝えしますと、人によって異なるため、効果があるとは断言できません。
中には、効果があると感じる人もいますし、むしろ、逆効果になる人もいます。
これまでにも説明してきたとおり、人によって体格も寝姿も異なるのですから、どの高さの枕だと肩の筋肉が休められるのかというのは一概にはいえません。
肩こりの原因となる、肩甲挙筋(頸椎と肩甲骨をつなぐ筋肉)や僧帽筋(頭を支えて肩甲骨を動かす筋肉)が、睡眠時にゆるむようになっていることが理想的なのですが、そもそも、人それぞれ肩幅も違えば寝姿も違いますよね。
つまり、どのくらいの高さの枕を使えば、肩こりの原因になる筋肉にフィットするのかは断言できないのです。
もちろん、枕が原因で肩こりを引き起こすこともありますが、習慣的な動作が原因で肩こりが起こることもあります。
そのため、肩こりの根本的な原因を解消すること、睡眠中に肩の筋肉に負担がかからずフィットすること、この2点を意識して選ぶようにしましょう。
タオル枕は低い枕の代用になる?
タオル枕でも、低い枕の代用はできますが、柔らかい素材のため、硬さが欲しい人は工夫が必要です。
タオル枕は自在に高さ調整ができる、
低い上に柔らかい素材となると、
・低すぎてしまう
・底付き感がある
・硬さが足りず寝返りがしづらい
など、また別の問題が出てきてしまうこともあるので、正しい作り方はマスターしておきましょう。
作り方は、
①バスタオルなど大きめなタオル三つ折りにする(四つ折りも可)
②短い辺からくるくると巻く(自分の首の長さ程度の厚みになる程度まで)
③それを首元に置けば完成!
なのですが、実際に枕にしてみたときに、今一度、高さがあっているかなどは微調整してみてくださいね。
もし、少し低いかなと思うようであれば、下にフェイスタオルなどを挟んで高さを調整することもできます。
また、使用するバスタオルを厚めのものにすれば、厚さはいくぶんは調整することもできますので、合いそうな素材のバスタオルで挑戦してみましょう。
タオル枕の場合は、汚してもすぐに洗えますし、じょうずに使えばいい味方になってくれることもありますよ!
参考文献: