大人の絶壁やハチ張りはドーナツ枕で治せる?
本記事は、
というお悩みを持つ方に向けて書いています。
ネットでは、赤ちゃんの絶壁対策にはドーナツ枕がいいなどの情報が書いてありますが、大人でも治せるのでしょうか?
結論からさきにお伝えしますと、残念ながら大人になってからドーナツ枕で絶壁やハチ張りを治すことはできません。
なぜなら、2歳頃までに脳がほぼ大人レベルのサイズになり、骨格もその時点で決まってしまうためです。
みなさんも一度は、「赤ちゃんのうちに頭の形はなんとかしてかないと…」なんて話を聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、これはあくまで、頭蓋骨が形成されるまでの話。
大人になって、頭蓋骨が形成されてからでは、残念ながら枕ではどうこうできる話ではありません。
そもそも、絶壁やハチ張りは、以下のような状態のことをいいますが、具体的には、
頭の形 | |
絶壁 |
後頭部に丸みがなく、フライパンを横から見たような形。頭の後ろがペッタンコになっている平らな形
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ハチ張り |
頭の頂点と両サイドの頂点のカーブが少なく、両サイドの頂点が出っ張っているため、うちわのような形に見える
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なことをいい、ひと言でいえば、「丸みを帯びたきれいな頭の形ではない」ということですね。
ただ、絶壁やハチ張り以外にも、以下のようなことから、頭の形が変形してしまうこともあります。
頭の形やその症状
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頭蓋骨縫合早期癒合症 |
赤ちゃんのころの早い段階から頭蓋骨がくっついてしまう、先天的な病気。原因は解明されていない。
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外後頭隆起 |
後頭部にある骨の一部が角のように飛び出る症状。無理な姿勢を続けた結果、骨が突出してしまう。
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しかし、いずれの場合であっても、枕で症状を緩和させることはできません。
参考:頭蓋骨縫合早期癒合症|一般社団法人 日本頭蓋顎顔面外科学会
大人の絶壁矯正には手術・施術が必要
赤ちゃんのうちであれば、ヘルメット治療で絶壁を治していくことは可能ですが、大人の場合には、原則、手術や施術が必要になってしまいます。
その理由を理解するためにも、少し絶壁などの頭のいびつな形になる原因を考えていきましょう。
まず、「絶壁」や「ハチ張り」は医療用語ではありません。
頭の形が自然な丸みを帯びていない状態を表す医療的な症状名は3つあります。
症状名 | 症状の詳細 |
斜頭症 |
・頭の形に左右のゆがみがある状態
・後頭部が左右非対称になる状態 ・いち方向ばかりを向いてしまう向き癖がある |
短頭症 |
・いわゆる「絶壁」の状態
・後頭部が平らになる状態 ・仰向けで寝る時間が長い |
長頭症 |
・後頭部が突き出している状態
・頭の形が後ろに長くなっている状態 ・横向き寝が長い |
ちなみに、ハチ張りは短頭症の一部と考えられており、仰向けで寝ている時間が長いことが原因ともいわれている症状です。
補足ですが、日本人の骨格はハチ張り傾向があるともいわれています。
これらの症状すべてに共通しているのは、
・出産時の頭のうっ血
・寝相
のどれかに原因があることです。
ただし、大半が寝相による後天的な原因が多く、さきほどお伝えしたような頭蓋骨の骨格が決まる2歳ごろまでに癖を治せなかったとこが原因といわれています。
大人になってからこれらの症状を改善するには、その症状が起きてしまっている原因にもよりますが、
・後頭部に人工骨を入れる
・頭の筋肉をほぐす
・骨格矯正
などをして改善をする方法しかありません。
ただし、頭の筋肉をほぐしたり、骨格矯正(小顔矯正など)を受けたりしても、骨の形を変えられるわけではありませんので、原因がそもそもの骨の形にある場合には、やはり手術という手段が一番といえます。
参考:絶壁頭(斜頭症)の修正|診療内容|加藤クリニック麻布【東京・大阪】
絶壁の大人への枕の役割と選び方
絶壁の人の場合、
・寝返りがしづらい
・後頭部が平らかになっているがゆえに、頭の後ろ(後頭部側)から前(顔側)の幅がなく、頭の位置が理想的な寝姿より低くなりがち
・頭の位置が下がることにより、首の角度を保てない
など、さまざまな問題が出てきてしまうため、ある程度高めの枕を選ぶようにしましょう。
そもそも、枕は理想的な寝姿勢を保つため、また、体にかかる負荷を分散させるために使用するものです。
絶壁は治せないとはいえ、絶壁でも快適な睡眠が取れるようにする必要があります。
そのため、上記を踏まえて考えると、
・低い枕
・中央部分がくぼんでいる枕
・柔らかすぎて頭の沈み込みが強い枕
などは避けたほうがベターです。
絶壁以外の症状に着目する
絶壁の人には高めの枕がおすすめとはお伝えしましたが、
・頭痛
・腰痛
・首こり
など、別の不調や痛みなどの症状が出てきたり、あるいは、もともとそういった症状が出たりしているのであれば、まずはそれらの不調を解決するほうが優先です。
たとえば、ストレートネックの人は、枕が高いとかえって頭痛の原因になってしまいます。
腰痛がある人は高い枕というよりも、首元が高い枕を使用して、体の全体的な自然なS字を保つように努めるほうが懸命です。
また、高さのある枕にして、枕やマットレスに首や肩に隙間ができてしまうと、負担がかかってしまい、首こりや肩こりを悪化させることもあります。
すでにそういった不調がある人はもちろんのことながら、「絶壁だから高い枕を!」という選択肢ではなく、まずご自身の今の状態・症状から枕を選ぶようにしましょう。
絶壁の大人におすすめの枕
絶壁がゆえに、枕がフィットしにくい人は、どんな枕を使用すればいいのでしょう?
お伝えしたように、大人になると絶壁はドーナツ枕を使用して治せるものではないとはいえど、枕次第で寝やすくすることは可能です。
ここでは、絶壁の人におすすめな枕を3つご紹介します。
なぜおすすめなのか、また、どんな特徴があるのかなども解説していきますので、絶壁プラスアルファでご自身の睡眠の困りごとを照らし合わせてください。
きっと、しっくりくる枕に出会えますよ!
ニトリ 高さ10ヵ所調整できる枕
コスパがよく、デザイン性もある商品の多いニトリの高さ10ヵ所調整できる枕。
名前のとおり、10ヵ所ものパーツで高さを自分の好みの高さに調整できる優れモノです。
3層構造になっており、
・パイプ
・ラテックス
・そば殻
の3つのタイプからお好みのものを選べるようになっています。
サイズや素材については以下のとおりです。
サイズ | 幅40cm ×奥行60cm ×高さ12cm | |
詰め物
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1層目 | パイプ |
2層目 | ウレタン素材 | |
3層目 | ウレタン素材 |
※どのタイプでも、首元にくる部分の詰めはポリエステル100%の綿が入っていて、高さ調整は不可
そして、10ヶ所の高さ調整は、
1層目(枕の本体) | 4ヶ所 |
2層目(部分調整シート) | 5ヶ所 |
3層目(全体の高さ調整シート) | 1ヶ所 |
となっており、頭の形やお好みの高さに合わせて調整ができるようになっています。
これだけ調整ができれば、絶壁の人であっても合わせやすいですし、ほかの不調にも臨機応変に対応できるため、安心して使えそうですね!
ブレインスリープピロー
絶壁の人の場合、頭と枕の接地面積が広くなってしまいムレやすく、眠りの妨げになってしまうことがあります。
そんな絶壁さんには、ムレ防止と温度調整に優れたブレインスリープピローがおすすめです。
また、ブレインスリープピローは特許を取得した特殊3層構造になっています。
特にこの1層目の頭が触れるアジャスト面は、7日使用すると自身の頭にフィットするように変形していく優れもの。
さらに、枕の両端は硬め、中央部分は柔らかめの作りになっているため、寝返りもしやすい形状になっています。
サイズは3種類あり、
ロー(LAW) |
①幅35cm ×奥行60cm ×高さ6cm
②幅35cm ×奥行60cm ×高さ8cm |
スタンダード(STADARD) |
①幅35cm ×奥行60cm ×高さ9cm
②幅35cm ×奥行60cm ×高さ11cm |
ハイ(HIGH) |
①幅35cm ×奥行60cm ×高さ12cm
②幅35cm ×奥行60cm ×高さ14cm |
と、ひとつの枕に2パターンの高さがあるため、枕本体に高さ調整機能はついていないものの、さまざまな人に合うようにできているのも嬉しいポイント!
到着から30日間は交換が可能になっているため、「使ってみたけど高さが合わないかも…」というときにもサイズの交換も可能です。
関連記事:ブレインスリープピローの口コミや評判がステマで怪しい?
エアウィーヴピロースタンダード
軽量で洗える、その上、通気性抜群のエアウィーヴピロースタンダードも絶壁の人にはおすすめです。
中の詰め物のエアファイバーは、エアウィーヴが自社開発したファイバー素材で、90%が空気でできていることもあり、枕の圧迫に悩む絶壁の人であっても頭に熱がこもるのを防げる上に、使っているうちに自分の頭にフィットするような変形していきます。
また、抜き差し可能なシートが入っており、高さ調整もできるようになっているため、自分の好みの高さに合わせて使えるというのも嬉しいポイントです。
ちなみに、高さ調整シートは
・リングコア(丸くくり抜かれており、輪っか状になっている)
・シートコア(全体の高さや硬さの補強に使用)
・シートコア(U字にくり抜かれており首の部分の高さ調整・硬さ調整が可能)
という3つがあります。
サイズ |
幅40cm ×奥行56cm ×高さ7~12cm
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詰め物 |
ポリエステル100%(エアファイバー)
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さらに、30日のお試しが可能、1年保証つきという好条件です!
関連記事:エアウィーヴ枕の口コミ!S-LINEとピロースタンダードは洗える
大人の絶壁に枕なしはいいの?
「大人の絶壁に枕なしはいいの?」
→絶壁で枕が合いにくいからといって、枕を使用しないというのは基本的にはおすすめできません。
枕がなくても快眠できている、ないほうがリラックスできている、ということであればまだいいのですが、長く枕を使用しない生活をしいていると、絶壁どころの話ではないトラブルを招いてしまうことがあるからです。
たとえば、
・首が後ろに反る寝姿になって痛みを引き起こす
・首のS字が崩れてストレートネックになってしまう
・首や肩の負担を枕で軽減できず首こりや肩こりが起きる
などのトラブルを招き、頭痛や嫌味に悩むことになってしまいます。
枕を使用しないというのは、絶壁に悩む人だけではなく、どんな人にとってもいいことではありません。
寝てパワーチャージをするどころか、寝ることで体に負担を溜めてしまう結果になってしまうので、枕は使用するようにしましょう。
絶壁にはオーダーメイド枕もおすすめ
絶壁の人にはオーダーメイドの枕もおすすめです。
オーダーメイドの場合は、今の自分の寝姿・癖に合わせて自分のオリジナル枕を作れるので、睡眠に対する悩みを解決したい人は一度試してみても損はありません!
・でも、オーダーメイドって高いのでは?
・どうせ劣化して合わなくなるんじゃないの?
・メンテナンスも高いんじゃないの?
なんて心配があるかもしれませんが、実際は、保証期間が長かったり、メンテナンスサービスが数年ついてきたりすることも多いんですよ。
何度も新しい既製品の枕を買っては合わなくて買い替える費用や心労を考えると、作るだけの価値は大いにあります。
オーダーメイド枕の作り方は、メーカーにもよりますが、
1.来店して睡眠の悩みをヒアリング
2.専用機器を使用して寝姿や普段の姿勢を計測
3.フィッティング(お試し)
4.詰め物の量などを微調整
というフローが大半です。
来店したその日に、持ち帰ることもできるメーカーも多数あります。
自分へのプレゼントとして、オーダーメイド枕を作ってみるのもいいものですよ!
関連記事:オーダーメイド枕のおすすめランキング!プレゼント用にも
髪型で絶壁を目立たなくする方法
絶壁を治すには手術とお伝えしましたが、
「金銭的にも負担が大きい…」
「頭蓋骨の手術なんて健康なのに…」
と悩む人も多いのではないでしょうか?
そんな人は後頭部にふっくらとしたボリュームを出すブローや、寝癖を抑えるようなブローをしてみましょう。
あるいは、つむじを隠すようなブローの仕方をマスターするのもおすすめです。
最近では美容室でも「骨格矯正カット」といわれる、絶壁をカットのしかたがあります。
これは、一人ひとりの骨格の悩みに合わせたカット方法のことで、美容師さんにしっかり相談してみるといいですね!
参考:髪NATURA-骨格矯正カットで気になる部分をカバー!似合う髪型を見つけよう
また、「湯シャン」をすることで、髪のボリュームアップが期待できます。
湯シャンとは、言葉のとおり、お湯でシャンプーをすること、つまり、シャンプーを使用しない方法です。
汚れ取れないんじゃない?皮脂が毛穴に詰まってしまわない?など、心配になる人もいるかもしれませんが、毛質に変化が出てきてサラサラ度アップやボリューム感アップにも効果があります。
いずれの方法であっても、手術より安く済みますしリスクもない上に、そこまでも手間もかからないのでおすすめですよ!