ロイヤルカナンが韓国工場で作られることに
この記事は、
「韓国産のロイヤルカナンって大丈夫なの?ヤバいの?」
「うちの子には韓国産は食べさせたくないんだけど代わりのフードってないの?」
という方に向けて書いています。
「韓国産」や「中国産」などと聞くと、不安がよぎりますよね。
何気なくロイヤルカナンのプレゼント企画を見てたら、製造工場を韓国に変えたとか?!
昨日ロイヤルカナンがちょうど無くなったけど、もう次は無いわ。— まりたま (@maritama104) September 1, 2022
もともと日本に輸入されるロイヤルカナンは、本社のあるフランスをはじめ、ヨーロッパで作られていたものがほとんどでした。
しかし、2018年9月に韓国の金堤(キムジェ)市に新工場が完成し、稼働し始めると、少しずつ韓国産に切り替わっていき、いまでは半分以上のラインナップが韓国産になっています。
ここでは、韓国産の安全性・危険性や、韓国産を食べさせたくない方への代わりのフードについて紹介します。
ロイヤルカナン韓国産は危険?工場の安全性
「韓国産って危険なんじゃないの?食べさせても大丈夫なの?」
そんな不安を抱くのも無理はありません。
近年のニュースでは韓国の食品衛生管理のずさんがよく報道されています。
たとえば「辛」の大文字で有名なレトルト麺の「辛ラーメン」から基準値越えの「2-クロロエタノール」が検出され話題になりました。
しかし、結論からいうと、ロイヤルカナンの韓国工場は安全です。
理由を一言でいうと、「ロイヤルカナンは韓国企業ではないから」です。
工場の立地こそ韓国ですが、
・原材料の多くは外国産
・スタッフは他の工場から異動してきた経験者がほとんど
と、中身は完全に正規のロイヤルカナン工場です。
仮にこれが、製造委託を受けた韓国企業が、古ぼけた工場で、メンテもロクにしていない赤さびの浮いた機械で、見よう見まねでフードを作っている、というのなら、不安になるのもわかります。
しかし、この工場はロイヤルカナン直営で、技術も設備も最新のものを使っています。
むしろ設備が新しいぶん、ほかのロイヤルカナンの工場より信頼性は上と言っていいでしょう。
安全性①品質や安全基準はすべての工場で共通
ロイヤルカナンは世界に16か所ある工場のすべてで共通の品質管理基準を遵守しています。
原材料の搬入から加工、パッキングして出荷に至るまで、決められたルールとマニュアルのもと、製造されています。
つまり、どこで作っても品質は均一。
国の発展状況やモラル、民度といった不確定要素に作用されず、同じものを消費者に届けられる仕組みになっています。
安全性②原材料は世界中から集められる
「韓国産の原材料を使っているの?」
→韓国産の原材料も一部使用していますが、ロイヤルカナンはもともと世界中の供給元(サプライヤー)と提携していて、世界中から集められてきます。
たとえ韓国産であっても、厳重なチェックがなされています。
近赤外線による規格との照合、化学的リスクのチェック、環境面や倫理面での要件を満たしているかのチェックなどなど・・。
これらを全部クリアしてはじめてロイヤルカナンへの供給元として採用されます。
素人農家が作った農薬まみれの野菜は、農家の選別段階で落とされる仕組みになっています。
安全性③クリーニングタワーで異物除去
韓国工場に導入されている「クリーニングタワー」は、搬入されるすべての原材料から異物を取り去ってくれる最新鋭の異物除去システムです。
プラスチック片やビニール袋、割れた金属やガラスのかけらなどが紛れ込んでいても、クリーニングタワーですべて取り除けます。
ドッグフード界隈ではときどき異物混入が取りざたされますが、これなら安心ですね。
安全性④混入防止の新パッキングシステム
ロイヤルカナン韓国工場では複数の製品を扱っています。
そこで異なる製品の混入を防ぐため、ベルトコンベアやチェーンコンベアを使わない新しいパッキングシステム「モバイルパッキングシステム」を導入しています。
そもそもオートメーション化が進んでいるため、フードが人の手に触れることがほとんどありません。
さらに、「モーニングパネル」といって、前日に作ったフード粒を翌日朝にテーブルに広げ、形・ニオイ・味をチェックしています。
ここで粒の欠けを見つけると、原因となったラインを調査するとのこと。
健康なペットなら、違う粒が1粒混じっていてもどうということはありませんが、アレルゲンカットや療法食を利用している子だと、このあたりの気遣いは嬉しいですね。
安全性⑤エリアごとの往来に制限あり
ロイヤルカナン韓国工場では、安全管理のため、製造エリアが3つに分かれています。
・原材料ゾーン
・調理ゾーン
・乾燥・パッキングゾーン
これらのエリアは赤や青などに色分けされて、今いるところがどのエリアか一目でわかるようになっています。
また、違うエリアへの往来は厳重な規定が設けられています。
もしこのようなルールがないと、原材料を触ってチェックしたその手で、加工されたフードに触ってしまうことが起きかねません。
そうなるとせっかく高温で滅菌したフードに菌がついてしまいます。
エリアをゾーニングすることで、清潔を保てるよう、仕組みに落とし込まれているんですね。
安全性⑥グローバル認証認証「LEEDゴールド」を取得
ロイヤルカナンの韓国工場はグローバル認証認証「LEEDゴールド」を取得しています。
LEEDとは「Leadership in Energy & Environmental Design」の略で、環境性能の高い建築物のこと。
具体的には水・空気・エネルギーなどに配慮していて、グリーンビルディングともいわれます。
「SDGs」「サステナブル」「再生可能エネルギー」という言葉が近年よく聞かれるようになりましたが、その流れから生まれたものですね。
認証レベルには4段階あり、ゴールドはプラチナに次ぐ2番目のランクです。
汚水垂れ流しで化石燃料をバンバン燃やす昔ながらの工場にはまず付与されることのない認証なので、そういう意味でも信頼性の担保になりますね。
安全性⑦製造工程が見学できる
ロイヤルカナンの韓国工場は製造工程が見学できます。
白を基調とした清潔感あふれる工場内。
ロイヤルカナンの歴史が見学できる「ブランドミュージアム」コーナーからはじまり、見学用のガラス張りの通路が設置され、ひとつひとつの工程をつぶさに見学することができます。
堂々と内部を見学させるなんて、よほどの自信がないとできませんよね。
ちょっとでも汚れが見つかれば不潔だとして悪印象をもたれてしまいますし、設備も従業員も汚い恰好を見せるわけにはいけません。
となるとビジュアル面でも清潔感を維持しないといけないわけで、この見学できる仕組みがあることで、下手なことはできないという緊張感が保たれているのかもしれませんね。
安全性⑧スタッフは多国籍
「韓国で採用された慣れない初心者が危なげな手つきで取り扱ってるんじゃないの?」
なんて疑う人もいるかもしれませんね。
しかし、その心配はいりません。
韓国人ももちろんいますが、本社のあるフランスをはじめ、ポーランド・中国・日本といった多国籍チーム。
他の工場でロイヤルカナン製品製造のマニュアルを叩きこまれ、実際に製造経験のあるスタッフが従事しています。
「そんなこといって、右も左もわからない新人も入ってくるんじゃないの?」
疑い深い人はそんな疑問を抱くかもしれません。
実際、新人はもちろんいることでしょう。
新工場を作ったらスタッフを増やす必要があるので、新規採用はしなければいけません。
しかし、それはどこでも同じです。
16番目の工場ということは、16回の工場立ち上げ経験をしている企業ということです。
最初から安全に、かつスムーズに製造を始めるノウハウは当然蓄積されていますし、そうでなければここまでグローバル展開はできていません。
安全性⑨他の工場は世界中にあるがトラブルなし
韓国工場は16番目の工場ということですが、
「では、ほかの工場はどこにあるのか?」
と疑問に思い調べてみました。
結果は以下です。
・フランス(エマルグ)
・南アフリカ(ヨハネスブルグ)
・ブラジル(デスカルバード)
・アルゼンチン(ブエノスアイレス近郊ゴンザレス・カタン)
・ロシア(モスクワ近郊ドミトロフ)
・ポーランド(ニエポウォミツェ)
・イギリス(ブリストル近郊キャッスルケーリー)
・カナダ(オンタリオ州グエルフ)
・アメリカ(ミズーリ州ローラ・サウスダコタ州ノーススーシティ・ネブラスカ州フリーモント・テネシー州レバノン)
・中国(上海)
すべては網羅できていませんが、必ずしもペット先進国ばかりではないことがわかります。
南アフリカやブラジル、中国など、発展途上国であったり、衛生面での不安を覚えるような国も交じっています。
しかし、有害物質の混入や産地偽装など、品質にまつわるトラブルは起きていません。
やはりすべての工場で共通の生産ルールを定め、それを遵守してフードづくりを行っているというのが大きいですね。
また、工場がどこにあるにせよ、経験を積んだスタッフを中心にスタートさせるので、マニュアルを誤解するなどのミスも起こりません。
ロイヤルカナン韓国産の見分け方
ロイヤルカナンの韓国産の見分け方はかんたん。
パッケージ裏面の「原産国」欄をチェックするだけです。
・フランス ロイヤルカナンS.A.S.
・韓国
・オーストリア
などと書かれています。
他はあまり見当たりません。
ロイヤルカナンの工場は中国や南アフリカなどペット先進国ではない国にもありますが、日本人の反発感情を考慮してか、記載は見当たりません。
おそらく工場ごとに輸出する国が決まっているのでしょう。
「買う前に知りたい!」
という方は、UGpetのブログが参考になります。
UGpet-ロイヤルカナンの韓国工場について
(2022年5月時点の情報なので、変わっている可能性もあります)
こちらの情報によると、新型コロナの影響により、フランスからの輸入が不安定になり、すでに大半が韓国産に変わっているとのこと。
フランスより韓国のほうが圧倒的に近いですから、会社側としてはコロナの影響の有無にかかわらず、日本で売るのはできるだけ韓国産にして輸送コストを削減したいところでしょう。
ロイヤルカナン韓国産の代替品
「韓国産のロイヤルカナンは絶対いやだ!それなら他のフードのほうがマシ!」
という強い意見をお持ちの方のために、別のフードを探しました。
たしかにお店でロイヤルカナンの商品を手に取るたびに裏返して原産国をいちいち確認するのは面倒。
また、ネット通販だと買って到着してからでないと原産国がわかりません。
そんなことで毎回気疲れするのも嫌ですよね。
そんな方には、ヒルズサイエンスダイエットをおすすめします。
ヒルズの原産国はアメリカ。カンザス州に大きな工場が3つもあります。
知名度もロイヤルカナンに負けていません。
フードのバリエーションが豊富な上、療法食も幅広くそろえているから、健康なワンちゃんから持病のあるワンちゃんまでどんな子でもぴったりのフードが見つかります。
ついでにいうとロイヤルカナンより安いです。
ということで、韓国産ロイヤルカナンに嫌悪感を持つ方はヒルズサイエンスダイエットに乗り換えるのも手です。
参考文献:
@DIME-ロイヤルカナン韓国工場にスポットを当てて紹介
ロイヤルカナン公式-研究・開発
ロイヤルカナン公式-韓国新工場に関するお知らせ
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ロイヤルカナンの口コミ