ポンスキーは失敗でかわいそう?奇形で殺処分される?
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
「ポンスキーは奇形で失敗。かわいそう」
なぜこんな声が上がるのか?
それは、ポンスキーがミックスの「1世代目」であるところに原因があります。
一口に奇形といっても意味は広く、「足が1本欠損している」といった機能上の奇形から、「人間の目からみて醜い」といったデザイン上の奇形までさまざま。
そしてミックス犬に起こりやすいのは後者です。
ポンスキーはシベリアンハスキーとポメラニアンのミックスですが、こうしたミックス1世代目は姿かたちにバリエーションが出やすいのが特徴です。
いわゆる「お父さん似」「お母さん似」というやつです。
シベリアンハスキーに似れば、たくましい体躯に。
ポメラニアンに似れば、かわいらしい体型に。
姿はシベリアンハスキーで、色はポメラニアンの茶色を受け継げば、キツネにそっくりな子が生まれることもあります。
「ポンスキーかわいそう」といわれる理由は、百発百中で同じデザインにならないため、生まれてくる子の人気に著しい差が生まれることが原因です。
すでに完成している犬種、たとえば柴犬どうしを交配させて、ミニチュアピンシャーが生まれることはありません。毛色などの個体差はあれど、きちんと柴犬の容姿をもって生まれてきます。
しかし、ポンスキーは、シベリアンハスキーが強く出ている子とポメラニアンが強く出ている子、はたまた中間の子、どれになるのか? それは生まれてみるまでわかりません。
どれも等しく人気があれば引き取り手には困りませんが、現実にはそうではありません。
人気がなければ殺処分される運命にあるのは、「商品」として生み出された愛玩動物の宿命です。
犬の祖先はもともと狼と同じで、チワワやトイプードルとは似ても似つかないたくましい姿をしていました。
人為的な交配と選別を何十、何百世代と繰り返すことで、現在のバリエーション豊かな姿に分化していったわけです。
当然そのなかには、いわゆる「失敗作」も山ほどできました。奇形や、または健康に問題がなくても、愛玩動物としてウケない容姿で生まれてきてしまった子は廃棄される運命にありました。
良心のあるブリーダーであれば、手厚く保護してくれるかもしれませんが、彼らも趣味や遊びでやっているわけではなく、れっきとしたビジネスです。
ヒットする「商品」を「開発」するために、実験を繰り返すのは、何も飲食店やコンビニだけに限らず、ありとあらゆる業界で行われています。ペット業界はその商品素材が生き物というだけです。
なお、このようないっとき社会問題にまでなった悪徳ブリーダーの残酷な現状を改善するため、環境省が交配年齢は6歳までとする指針を作成しています。
では、どうしたらそんなかわいそうな子をなくすことができるのでしょうか。
残念ながら、現実的にかわいそうな子をなくすのは困難です。
世の中に「○○がかわいい!」「○○がほしい!」という人がいる限り、そこには需要が発生します。需要があるところには供給が生まれます。
かわいい犬を求める需要はなくなりませんし、またそこにビジネスチャンスを見出した人たちの供給もなくなりません。
ただし、救いはあります。
ポンスキーの姿が安定していないのは、1世代目の交配だからです。
姿かたちの違う2つの犬種をミックスすると、どうしても生まれる子の容姿には幅が出てきてしまいます。
しかし、もしポンスキーが人気になり、ポンスキーどうしのかけ合わせが一般的になれば、数世代を経て、安定した姿になり、廃棄されてしまう子供の数もおのずと減っていきます。
今現在、私たちにできることは、それほど多くありません。しいていうなら、どんな姿であっても受け入れてあげること。それが、かわいそうなワンちゃんの運命を変える小さな一歩になります。
ポンスキーはアメリカ生まれのポメラニアンとシベリアンハスキーのミックス犬
ポンスキーはポメラニアンとシベリアンハスキーのミックスです。
見た目はまったく似ていませんが、実は両方ともスピッツ属で、意外に近い種族です。
ちなみに柴犬などの日本犬やサモエドもスピッツ属です。
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
ポンスキー 性格・特徴
ポンスキーの性格や特徴について解説します。
毛色はポメラニアンの毛色に左右されます。
シベリアンハスキーはご存じ白・黒・灰色です。
一方ポメラニアンは白・黒そして茶色(クリーム系からオレンジがかった明るい色合い)までグラデーションがあります。
オレンジ系統が強く出ると、よく言われる「キツネ」の風貌になります。
白黒だとちょっと小さいシベリアンハスキーぐらいの色合いになります。
ポンスキーの性格は、どちらの性格を強く受け継ぐかによって変わります。
シベリアンハスキーは、見た目は狼のようで獰猛そうな印象を受けますが、実は従順でおとなしい性格。
もともとシベリアの雪原でエスキモーのそりを引く狩猟作業犬なので、人の言うことをよく聞き、辛抱強い性質です。
一方、ポメラニアンは愛玩動物として生まれてきた子なので、活発で遊び好き。元気に家の中を走り回る姿は家族の癒しになりますね。
どちらに似るかは、ある程度成長してみるまでわかりません。
ポンスキーの寿命
ポンスキーの寿命は、統計はありませんが、12~14歳程度といわれています。
ポメラニアン・シベリアンハスキーいずれも12~14歳程度であることを考えると、妥当な線だと思われます。
ポンスキーの作り方・交配方法
ポンスキーの作り方・交配方法は、人工授精です。オスからは精液を採取し、メスからは卵子を採取し、受精させたあとメスの胎内に戻します。
ポメラニアンとシベリアンハスキーは体格差があるため、自然交配は危険です。
通常、オスのポメラニアンとメスのシベリアンハスキーをかけ合わせます。逆にすると、ポメラニアンの子宮の大きさにそぐわない大きな子供が育つ可能性があり、母体が危険にさらされます。
なお、これは1世代目の話です。数世代を経て体格が似通ったポンスキーどうしなら自然交配させることは可能です。
ポンスキーの値段・入手方法
「ポンスキーを飼ってみたい!けどどこにいるの?値段はどれくらい?」
ポンスキーの値段相場は10~50万円と幅があります。アメリカだと見た目を選ばなければ600ドルぐらいから入手できます。
レア犬種であること、人工授精という手間をかけることから、費用は一般の犬種より高額になりがちです。
参考:LancasterPuppies.com(英語)
一般のペットショップではまず扱っていません。アメリカが主流ですが、日本でもブリーダーは存在しています。
マイナー犬種なので、常日頃から入手できるわけではなく、タイミングが合えば購入することができます。
2022年1月時点では、こちらの方が販売していました。
値段は問い合わせてくださいとのこと。
タイミングが合わなければインスタをフォローしておきましょう。ポンスキーが生まれたときや販売開始したときはお知らせしてくれます。