ポメラニアンの性格は悪い?狂暴できついと言われる理由は?
綿毛のようにふわふわで愛らしいポメラニアンは、明るく活発な性格の持ち主でもありますが、「飼うのが大変」という人も少なくありません。
ポメラニアンは、可愛いらしい見た目に似合わず「狂暴できつい」と言われることがありますが、これには理由があります。
ポメラニアンは、現在もソリ犬として活躍しているサモエド犬をルーツとし、その子孫で牧羊犬などの役割を担うジャーマン・スピッツが小型化された犬種です。
羊を外敵から守る役割の牧羊犬には、勇敢さや警戒心の強さが欠かせません。
ポメラニアンが「狂暴できつい」と言われる理由は、この牧羊犬の性質が引き継がれているため、警戒心が強く、興奮したりすると吠えることが多いからです。
ポメラニアンは性格が悪いというわけではなく、賢く忠誠心も強いので番犬向きの犬種といえるでしょう。
ポメラニアンは飼いにくい性格?特徴を解説
丸くてふわふわで綿毛のようなポメラニアンは、体は小さくても牧羊犬の気質が残っているため活動的で勇敢です。
また、好奇心旺盛で協調性もあるため、家庭に迎え入れても比較的早く環境に慣れてくれるでしょう。
ただし、ポメラニアンは長時間の留守番などは苦手で、寂しさや不安を抱えると問題行動を起こすこともあります。
また見た目がぬいぐるみのように可愛いからといってポメラニアンを甘やかしすぎると、吠えたり噛んだりする狂暴な性格になりかねません。
個体差はありますが、ポメラニアンは基本的に人間が大好きなので、しつけを怠らなければ比較的飼いやすい犬種といえるでしょう。
次は、ポメラニアンの性格や特徴について詳しくご紹介していきます。
①忠実で賢くしつけはしやすい
ポメラニアンは基本的に飼い主に忠実で、賢くしつけのしやすい犬種です。
また飼い主の要望を察知する能力も高いため、まずは「おすわり・待て」などの訓練から始め、生活のルールを教えていきましょう。
ポメラニアンは、牧羊犬の性質が残っているため警戒心が強く、わずかな音などにも反応して吠えることがあります。
宅急便や郵便配達のバイクなど、警戒する必要のないものには吠えないように、根気よくしつけることが大切です。
また、ポメラニアンを甘やかしすぎると、主従関係が逆転することになりかねません。
ポメラニアンに噛まれても大ケガにつながる可能性は低いですが、愛犬との良い関係を築くためには、子犬の頃から服従訓練などをしっかりしておいたほうがよいでしょう。
②活発・好奇心旺盛・勇敢
小型犬の中でもとくに小柄で、超小型犬と呼ばれることもあるポメラニアンは、小さくても活発で好奇心旺盛なうえ勇敢な面も持ち合わせています。
ポメラニアンの性格としては、このほかに次のようなものが挙げられます。
・友好的で協調性がある
・警戒心が強い
・自立心が強い
・飼い主に忠実
・甘えん坊で寂しがりや
・わがままで頑固
このようにポメラニアンは愛らしいビジュアルに性格の良さを兼ね備えた、とても魅力的な愛玩犬ですが、興奮しやすい点には注意が必要です。
ポメラニアンだけではなく、興奮しやすい犬種は吠えやすくなる傾向があります。
子犬で迎え入れたときから、人や犬や外の音など様々なものごとに触れさせ、できるだけ興奮を抑えられるようにしていきましょう。
③頑固でわがまま
ポメラニアンは、「頑固でわがままで、性格が悪い」といわれることがあります。
ふわふわした丸いフォルムで愛らしいポメラニアンは、その見た目から大人しく従順な性格だと思っている人も多いかもしれません。
しかしポメラニアンは、頑固な面もあるため、飼い主の思いどおりにしつけができないこともあります。
そのため、きちんとしたしつけができていないポメラニアンが、「わがまま」になってしまうケースも多くあります。
ポメラニアンの「わがまま」がひどくなると、吠え癖や噛み癖などの問題行動につながりかねません。
ポメラニアンは頑固な性格の持ち主ですが、賢い犬種なので、根気よく正しいしつけをすることによって飼い主に忠実な愛犬になることが期待できます。
④警戒心が強く吠えやすい
ポメラニアンは、牧羊犬のジャーマン・スピッツが小型化された犬種であるため、警戒心が強く吠えやすいという特徴を引き継いでいます。
そのためポメラニアンは、外の物音などに警戒したり何かに刺激されて興奮したりといったときにも、ほかの犬種より吠えやすい傾向があります。
ポメラニアンの吠える声の大きさには個体差があり、状況によっても異なりますが、小さな体から出す鳴き声は意外に大きいため驚かれることもあるかもしれません。
警戒心の強いポメラニアンがわずかな音や気配に興奮して吠えると、さらに感情の高ぶりに拍車がかかり、吠え続けてしまうこともあります。
このような場合は、「ケージに入れる」「抱っこする」など、興奮を抑え落ちつかせる工夫をするようにしましょう。
⑤甘えん坊
ポメラニアンは頑固でわがままな側面もありますが、基本的に明るく陽気で、飼い主に忠実という健気な性格の持ち主です。
そんなポメラニアンは、飼い主と一緒に過ごすことが大好きな甘えん坊で、寂しがりやでもあります。
好奇心旺盛でエネルギーに満ちあふれているポメラニアンは、飼い主との遊びも大好きなので、毎日できるだけ遊んであげるようにしましょう。
甘えん坊のポメラニアンは、飼い主に撫でられたり抱っこされたりするのも喜びます。
そんな甘えん坊のポメラニアンは、見た目の可愛さも相まって、アイドル的な存在になっているご家庭も多いようです。
また個体差はありますが、ポメラニアンは友好的で協調性もあるため、多頭飼いを検討してみてもよいでしょう。
ポメラニアンのオスとメスの性格の違い
ポメラニアンを飼いたいと考えている人が悩むポイントはさまざまですが、被毛の色のほか、オスかメスかで迷っている人も多いかもしれません。
ポメラニアンは、「被毛の色が違うと性格が異なる」といわれることがありますが、この説には、はっきりとした根拠はないようです。
では、ポメラニアンのオスとメスでは、性格や飼いやすさなどに違いはあるのでしょうか。
大切な家族の一員として迎え入れるなら、飼いやすく相性の良い性別を選びたいものですね。
次は、ポメラニアンのオスとメスの性格の違いや特徴などについてご紹介していきます。
オスの性格
基本的に陽気な甘えん坊でポジティブなポメラニアンですが、オスとメスの性格にはいくらか違いがあります。
ポメラニアンのオスの性格には、次のような特徴があります。
・メスよりも警戒心が強く、吠えやすい。
・メスよりも単純で甘えん坊。
・成犬になっても性格は幼い子犬のまま。
ポメラニアンのオスは、活発で元気に満ちあふれているため、家族に迎え入れると家の中が楽しく明るい雰囲気に包まれるのではないでしょうか。
ただし、ポメラニアンのオスはメスよりも警戒心が強く吠えやすい傾向があります。
そのためオスは番犬には向いているかもしれませんが、吠え癖がつかないようにきちんとしつけをしたほうがよいでしょう。
メスの性格
では、ポメラニアンのメスの性格は、オスとどのように違うのでしょうか。
また、ポメラニアンは「初めて犬を飼う」という人にもおすすめできる犬種ですが、初心者でも飼いやすいのはオスとメスのどちらなのでしょうか。
ポメラニアンのメスの性格には、次のような特徴があります。
・頭が良く、状況に応じた行動ができる。
・コミュニケーション能力が高い。
・オスよりも落ち着きがある。
・穏やかで優しい。
このような性格の持ち主であるポメラニアンのメスは、オスよりもしつけがしやすく初心者の人でも飼いやすいかもしれません。
ただし、同じ犬種のオスとメスでも性格には個体差があるため、「飼いやすさに大きく影響するのはしつけ」ということを念頭に置いておきましょう。
ポメラニアンを飼うのに向いている人
犬と人がともに幸福な暮らしを送るためには、飼い主の住宅事情や家族構成などのライフスタイルと、犬種との相性を優先することが大切です。
ポメラニアンを迎え入れる前に、この犬種を飼うのに向いているかどうか、熟慮したうえで決断しましょう。
ポメラニアンの見た目の可愛さやブームに乗るのではなく、お手入れや適切な運動量などについても、よく考えておく必要があるでしょう。
では、ポメラニアンを飼うのに向いている人とは、どのような人なのでしょうか。
①一人暮らし
ポメラニアンは友好的で甘えん坊ですが、じつは強い自立心も持ち合わせているため、常にベタベタと構われるのは好きではありません。
ポメラニアンは一人遊びも得意で、お気に入りのオモチャがあれば1匹でも楽しく遊ぶこともできるので留守番に向いている犬種といえるでしょう。
ポメラニアンは賢い犬種なのでしつけさえきちんとしておけば、留守の間に部屋を荒らすこともありません。
そのため、ポメラニアンを飼うのは一人暮らしの人にも向いています。
ただし、甘えん坊でもあるポメラニアンには長時間の留守番はストレスになり、吠え癖や体調を崩す原因にもなりかねません。
留守番のあとはお手入れや遊びでたっぷりとスキンシップをはかるなど、つかず離れずの良い関係をキープしましょう。
②多頭飼いしたい人
「警戒心が強く狂暴できつい」といわれることもある、ポメラニアンの多頭飼いは難しいだろう、と考えている人は多いかもしれません。
しかし、ポメラニアンは多頭飼いしたい人にも向いている犬種なのです。
ポメラニアンは警戒心の強い面はありますが、基本的に社交的で協調性もあるため、ほかの犬にもフレンドリーに接することができます。
ポメラニアンは、大型犬のサモエドの子孫である中型犬のスピッツを、さらに小型化した犬種です。
サモエドは現在もソリ犬として活躍している犬種なので、そんな彼らをルーツに持つポメラニアンは、集団で動くことを苦手としていません。
ソリ犬の血筋から協調性の高さを受け継いだポメラニアンなら、多頭飼いでの生活もうまくこなせる可能性は高いでしょう。
ポメラニアンを飼うのに向いていない人
丸っこい体にくりくりした瞳で、見ているだけで癒やされるぬいぐるみのようなポメラニアンは、常に人気ランキングの上位の犬種です。
ポメラニアンは小型犬の中でもとくに小柄なため、すぐにでも飼えそうなイメージを抱いている人もいるかもしれません。
しかし、ライフスタイルや住宅事情などにより、ポメラニアンを飼うのに向いていない人もいるため安易に迎え入れることは避けたほうがよいでしょう。
次は、ポメラニアンを飼うのに向いていないと思われる人について、詳しくお伝えしていきます。
①犬と向き合う時間がとれない人
ポメラニアンは基本的に甘えん坊で、運動やお手入れも必要なので、犬と向き合う時間がとれない人は飼うのに向いていないといえるでしょう。
ポメラニアンは小型犬ですが、ボリュームのある長毛種なので毎日のブラッシングによる被毛のお手入れが欠かせません。
ポメラニアンは常に抜け毛の多い犬種ですが、換毛期はさらに毛がよく抜けるため、放置すると皮膚トラブルにもつながりかねません。
また、警戒心の強いポメラニアンは吠えることが多いため、しっかりとしたトレーニングやしつけをしないと近所迷惑になってしまいます。
ポメラニアンには長時間の運動などは必要ありませんが、運動不足でストレスがたまると無駄吠えが多くなるため、散歩や室内遊びなども欠かすことはできません。
多忙で犬と向き合う時間がとれない人は、ポメラニアンを飼うのは難しいでしょう。
②落ち着いてまったりすごしたい人
高齢の人や、落ち着いてまったりすごしたい人も、ポメラニアンを飼うのには向いていないかもしれません。
先述したように、ポメラニアンの心身の健康のためには散歩や運動が欠かせません。
またポメラニアンは、もともと病気が少ない犬種といわれてきましたが、超小型化などにより近年は先天性や遺伝性の疾患が増えてきました。
そのため、これらの病気について知っておき、この犬種に負担にならない環境を整えるなど、いざというときのための備えも必要です。
また、ポメラニアンと人が良い関係を築き快適に暮らしていくためには、根気よくしつけをしなければなりません。
ポメラニアンの運動やしつけには体力も必要になるため、健康に不安がある人や老夫婦がこの犬種を飼うのは難しいかもしれません。
③隣家が騒音にうるさい人
番犬気質のため、警戒心が強く吠えることの多いポメラニアンですが、鳴き声には個体差があり状況によっても声の大きさは異なります。
しかし小さな体に似合わずポメラニアンの吠える声は大きく、しつけができていないと興奮していつまでも吠え続けることも珍しくありません。
マンションやアパートなどの集合住宅では犬の鳴き声はとくによく響くため、隣家が騒音にうるさい人と思われる場合は、ポメラニアンは飼わない方がよいでしょう。
隣家も犬を飼っている場合は「お互い様」の精神で共生できることも多いですが、生活音にうるさい人や犬が嫌いな人の場合は、騒音トラブルに発展するケースもあります。
また、マンションやアパートなどは、隣家だけではなく上下階にも犬の鳴き声はよく聞こえるため注意しましょう。
ポメラニアンの狂暴にならないしつけ方
小さなぬいぐるみのようなポメラニアンは、見た目は華奢で愛らしいですが、しつけを怠ると「狂暴できつい犬」になりかねません。
ポメラニアンは賢く飼い主に忠実でしつけのしやすい犬種ですが、きちんとしつけをしなければ次のような問題行動を起こすことがあります。
・無駄吠え
・甘噛み
・警戒して噛みつく
ポメラニアンのしつけは、迎え入れたその日のうちに始めるのが理想です。
小型犬サイズのクレート(屋根つきの箱型のハウス)などを用意し、「おすわり」「待て」などのコマンドからトレーニングを行っていくようにしましょう。
ポメラニアンが狂暴にならないしつけ方は、「時期」や「方法」が非常に大切ですが、次はこれらについて詳しくご紹介していきます。
しつけの時期は子犬のときに
犬の成長スピードは速く、生後1~2年で成犬になったあとは、人の4~7倍の速さで年を取ります。
そのため、「社会化期」といわれる生後1ヶ月~3ヶ月頃の子犬の期間は、情報の吸収量が多く、しつけやあらゆるものに慣れるのに適した重要な時期となります。
「社会化期」はわずか数週間ですが、この期間の経験やしつけは性格や精神面に大きく影響するため、犬の一生を左右するといっても過言ではありません。
一般的にポメラニアンの子犬を迎え入れるのは生後2ヶ月程度なので、「社会化期」が終わるまでの残された時間はおよそ1ヶ月です。
ポメラニアンの子犬を迎え入れた日から、家の中や外の様々な人や音や物に触れさせ慣れるようにしていきましょう。
なお、ポメラニアンの社会化は「社会化期」が過ぎても続けて行っていくことが必要です。
ほめて伸ばす。叱るときは短く
「狂暴で性格が悪い」といわれることもあるポメラニアンは、賢く学習能力が高いため本来はしつけのしやすい犬種です。
「ほめて伸ばす」のは、人間の子育てと同様で、ポメラニアンのしつけがうまくいくコツなのですぐに始めましょう。
甘えん坊のポメラニアンは、飼い主の言動を理解しようとする面も持ち合わせているので、良い行動をしたときに「お利口だね!」などとほめてあげると喜びます。
ほめながら撫でたり抱いたりすると、さらに気持ちが伝わり行動をコントロールしやすくなるため、日ごろから優しく撫でてあげるなどのスキンシップをとっておきましょう。
対して、ポメラニアンを叱るときは「だめ!」「No!」など短く低い声で行い、叱られていることを理解させてください。
叱るときに愛犬の名前を呼ぶと、「名前=叱られる」と思い込むケースもあるため、必ず短いひと言で終わらせるようにしましょう。
吠えたときは叱るのではなく理由を探す
ポメラニアンとの生活で悩みの種になることが多いのは、「無駄吠え」です。
牧羊犬をルーツに持つポメラニアンは、警戒心が強く吠えることが多い番犬気質なので鳴き声は意外に大きく、ご近所との騒音トラブルに発展するケースもないとはいえません。
ポメラニアンが「無駄吠え」を始めるとすぐに叱るという人は少なくないでしょう。
しかしポメラニアンは「無駄」に吠えているのではなく、理由があって吠えているケースも多いのです。
ポメラニアンが吠える理由はさまざまですが、不安や恐怖を感じているようなら原因を探して安心させるようにしましょう。
また、吠える対象が目の前にある場合はそこから離れて気をそらせるようにし、ストレスを感じているようなら運動や遊びでエネルギーを発散させてあげてください。
噛むおもちゃを用意しておく(ストレス発散)
小型犬のポメラニアンは子犬なら噛まれても被害は少ないですが、成犬になると甘噛みでもケガにつながる恐れがあります。
ポメラニアンの甘噛みや噛みつく行為には様々な理由がありますが、かまって欲しいときや恐怖心のほか、ストレスを感じているときにも噛むことが多いようです。
犬には「何かを噛みたい」という本能が備わっていると考えられていますが、ストレスを発散するために人を噛むのは困りものです。
ポメラニアンのストレスは、運動や遊びのほか、「噛みたい」という本能的な欲求が満たされると軽減できます。
また、犬の「噛む」行為には歯磨き効果や脳の活性化などのメリットもあるため、噛むことを止めさせるのではなく、噛むおもちゃを用意して思う存分噛ませてあげましょう。
まとめ:ポメラニアンは飼いやすいが近所迷惑にならないしつけが大切
小型犬の中でもとくに小柄なポメラニアンは、運動量も少なく、フレンドリーな性格で賢くしつけやすいため飼いやすい犬種です。
またポメラニアンは自立心も強く協調性もあるため、一人暮らしの人や多頭飼いしたい人にもおすすめできます。
しかしポメラニアンは、しつけを怠ると狂暴でワガママな性格になるケースもあるので注意しましょう。
ポメラニアンは番犬気質で吠えやすい犬種なので、とくに集合住宅などでは近所迷惑にならないように無駄吠えをしないしつけをすることが大切です。
ポメラニアンのしつけは子犬の頃から始め、ストレスがたまることのないように散歩や遊びの時間も作るようにしましょう。
ポメラニアンは留守番も苦手ではない犬種ですが、性格には個体差があるため、愛犬にあったしつけ方や飼育方法を工夫するようにしましょう。