ラブラドールレトリバーを飼ってはいけない理由は?大変で後悔するポイント
盲導犬などでも知られる、ラブラドールレトリバー。
温厚で頭もよく、人懐っこい性格ということもあり、大型犬に憧れる人にとっては飼いやすい犬種として挙げられることもある犬種です。
しかし、簡単には飼ってはいけない犬種とも言われることがあります。
実際にせっかく迎え入れた新しい家族なのに、飼ってから後悔する人も多いものです。
というのも、ラブラドールレトリバーはとにかく体力がある犬種!
ですから、散歩の時間も小型犬に比べると圧倒的に多くなりますし、ラブラドールレトリバーに見合う体力をお持ちの方ではないと、飼い切れない可能性があるんですよね。
また、大型犬ということもあり、毎日のドッグフードやおやつ、フィラリアやノミダニ駆除薬などにかかるお金も、小型犬に比べるとかなりの金額になってしまいます。
飼ってみて、この想像と現実のギャップに苦しんで後悔するなんて、家族にとっても犬にとっても不幸ですよね…。
大型犬を飼うのは、散歩量が少なくて済む小型犬よりも、体力もお金も必要。
このことをしっかり考えていなければなりません。
具体的に後悔しがちなポイントを、詳しく確認してみましょう。
①室内飼いだと広い飼育スペースが必要
ラブラドールレトリバーを室内飼いするとなると、広さに余裕のある家じゃないといけません。
犬自身も飼い主さん自身も、肩身が狭い暮らしになってしまいますからね…。
そもそも、ラブラドールレトリバーはオス・メスで少しサイズに違いがあるといえど、平均の体高は50センチを越えますし、体重だって25キロから35キロもある犬種です。
スペースが狭い環境で飼おうとしても、生活空間を圧迫するだけになってしまいます。
小型犬の場合、室内で過ごしていてもある程度は自由に動き回れますし、おもちゃなどで一緒に遊んであげるのも、そこまで広いスペースがなくても可能です。
しかし、ラブラドールレトリバーほどのサイズともなれば、室内で遊んであげようにも限界が…。
狭い部屋ではラブラドールレトリバーが自由に動ける余白がなく、犬の本能を満たしてあげることはできません。
また、雨の日など散歩をしっかりしてあげられない日もあることを考えると、飼育スペースがないお宅ではやはり、幸せな飼い方をしてあげられなくなってしまいます。
②やんちゃな性格だと家の中が大荒れ
ラブラドールレトリバーはいくら温厚な犬種だとはいえど、大型犬です。
性格には個体差もありますから、やんちゃな性格の子だっています。
飛びつき癖があったり、噛みつき癖があったり、室内の家具を破壊してしまったり…と、しつけがしっかり入るまでは、家の中はもうとんでもない惨事になることもよくある話!
それに、大型犬って吠えると驚くほどの声量ですし。
「もう、うるさーい!」と、家の中の惨事とラブラドールレトリバーの吠える声で、手が付けられない状態になってしまい、ノイローゼ状態…なんて飼い主さんもたくさんいますからね。
特に気を付けておきたいことは、子供や赤ちゃんがいる場合です。
ラブラドールレトリバーの大きさがあれば、子供に飛びついた拍子にケガをさせてしまう危険もあります。
ラブラドールレトリバーの子犬から飼うつもりであれば、ある程度の家具の破壊や、小型犬とは比にならないほどの力、吠える声の大きさを覚悟した上で、しっかりしつけをしていかなければなりません。
③食事量が多く食費がかかる
ラブラドールレトリバーは、食欲旺盛な犬種です。
その上、大型犬ですから食事量も非常に多いため、食費に関しても小型犬とは比べものになりません。
いうまでもなく、おやつに関してもフード同様、小型犬だったら何日ももつような容量であっても、大型犬だと数日で空っぽ…なんてこともよくあることです。
いくら容量の多いドッグフードを購入しても、あっという間になくなってしまいます。
かといって、犬の食事は健康に生きるためには絶対的に欠かせないことですから、ケチったり節約したりという選択肢は、基本的にはありません。
ドッグフードもピンからキリまで種類はありますが、安いからといって粗悪な品質のドッグフードを与えていたら、かえって、医療費などがかさむ原因にもなりえます。
まして、犬は今は家族の一員として考えるのがスタンダードになってきていますし、今後何年も一緒に暮らすパートナーの、食事を通じた健康維持に対する意識も飼い主さんには必要な要素ですからね。
④おしっこやウンチの量が多い
ラブラドールレトリバーのみならず、大型犬を飼うのであればどの犬種にもいえることですが、おしっこの量やウンチの量が多いのは当然のことです。
「小型犬を飼ったことがあるから、排泄の処理は慣れてるし」という方であったとしても、大型犬の排泄物の量の多さには驚くこともありますしね。
室内飼いで愛犬がトイレの失敗をしようものならば、とにかく掃除が大変ですし、トイレトレーニングがしっかり板につくまでは、「さっき掃除したのにまた?!」と、掃除や洗濯が追いつかないなんてこともあるものです。
おしっこやウンチの量が多いということは、汚してしまう範囲も大きいということですから、失敗をするたびに掃除をしないといけない精神的ダメージは、飼い主さんの心にストレスを与えることもあります。
小型犬であれば、失敗をしてもまだそこまで広範囲に汚してしまうこともないのですが…。
⑤必要な運動量が多い
ラブラドールレトリバーは体力があるので、散歩に関しては朝と夕方、少なくともそれぞれ30分以上の散歩が必要です。
あくまでこれは少なくともというお話しで、可能であれば各60分以上の長時間の散歩が理想的な犬種。
足腰が元気なうちは疲れ知らずで、もっと歩きたがる子だっています。
この長時間の散歩を続けられる体力が飼い主さんにも必要になってきますし、犬にとっては飼い主さんの体調不良や疲れなんて関係ありませんからね。
満たしてあげられるほど運動量をさせてあげる必要があります。
また、ラブラドールレトリバーは水遊びも大好きな犬種です。
運動量をあまり取れない日には、水がある場所に連れて行ってあげて、本能を満たす運動として水遊びをさせてあげるのも運動不足軽減には良いのですが、水遊びをした後拭いたり乾かしたりというのも、いかんせん大きなサイズですから、大変な労力になってしまいます。
なかなか長時間の散歩・水遊びなどのノルマを達成できる飼い主さんは少ないものです。
運動不足がたたってしまうと、疲れていないので寝つきも悪くなり、家の中で暴れ回る(ストレスの一種)、太ってしまい健康を害するなど、さまざまな問題が出てきてしまう可能性があります。
しっかり運動量を管理してあげるのも飼い主さんの役目ですので、それなりの覚悟は必要です。
⑥抜け毛が多くお手入れや掃除の頻度が多くなる
ラブラドールレトリバーはダブルコートの犬種です。
簡単にいえば、毛の生え変わる時期が年に2回訪れます。
春先と秋口あたりが、毛の生え変わるピークの時期です。
この時期のラブラドールレトリバーの毛のお手入れ(ブラッシングやシャンプー)は、相当な体力が必要とされます。
大型犬ともなればその抜け変わる毛の量は、小型犬が1頭作れちゃうんじゃないかというほどの量ですから、「掃除をしても掃除をしても家の中は毛だらけ…」「シャンプーをした後の抜け毛量がひどい…」と悩む飼い主さんも多いものです。
あまりの抜け毛量に、掃除を諦めたくなる方もいるようですが、犬にとっても人間にとっても部屋の衛生管理は大事ですから、嫌でも掃除はさぼれませんしね。
また、短毛の犬種ということもあり、落ちた毛が服に付く、服に刺さる…なんてことは日常茶飯事!
もちろん、毛の生え変わる時期のみならず、毛は年中抜け落ちるものですから、生え変わる時期だけの我慢ではすみません…。
⑦誤飲に気を使う
犬って気になったものはなんでも口にしようとします。
人間からしたら「なんでそんなものを?!」と驚くようなものであっても、興味を持ったらなんでもパクッとしてしまうため、注意しなければなりません。
どんな犬種であろうと誤飲に関しては、飼い主さんがしっかり見ておかないといけない
のですが、ラブラドールレトリバーは大型犬ですから、口も大きいわけです。
どんな大きなサイズのものであっても、口に入れようとしてしまうため、「これはさすがに大丈夫でしょう」というちょっとした油断も禁物!
また、食べようとしていた場合ではなかったとしても、「はなせ」のトレーニングがしっかりできていなければ、口に咥えているものを取られまいと必死に逃げようとしたり、あるいは、「取ってみなよ!」といわんばかりに追いかけっこをして遊ぼうとしたりすることがあります。
そんな遊びのようなシーンでも、取られたくないあまりに飲み込もうとしてしまうこともあるものです。
小さなたまたま落としたものを、口の大きさゆえに、飼い主さんさえも気づかないうちに食べてしまうこともありますし、十分に注意してあげなければなりません。
⑧老犬や病気になると介護が大変
先ほど軽く体重について触れましたが、小柄な子でも25キロほどあるラブラドールレトリバー。
大きな子になってくると35キロ、あるいはそれ以上になる子もいます。
体重が重いということは、病院に行く時、具合が悪そうで動けないような時、老犬になって介護が必要になった時に、飼い主さんにも相当な負担になりかねないということです。
そんな重い体重の子を、病院の診察台にのぼらせてあげるために、抱っこをしないといけないこともあるでしょう。
散歩中に犬の具合が悪くなって、歩かなくなってしまった場合には、抱えてあげなければなりません。
老犬になり、寝たきりになってしまったら関節が固くなったり床ずれしたりしないように体を動かしてあげる、ご飯が自力で食べられなくなったらサポートしてあげるなども必要になります。
犬を飼う時って、元気な時の楽しいことばかり考えてしまいがちですが、病気になってしまう可能性や、いつかは老いて介護が必要になる時がくることも考えておかなければなりません。
それだけの体重があるラブラドールレトリバーを、生涯サポートする覚悟がなければ、後悔してしまう可能性は高くなってしまいます。
ラブラドールレトリバーの飼い方
ラブラドールレトリバーはいくら温厚で賢く、人懐っこい犬種とはいえど、やはり体も大きくパワフルな大型犬!
もちろん、大型犬ならではの存在感や癒し力、飼い主さんとしての喜びもあるのですが、犬を飼ったことがあるという方であっても、大型犬に慣れていない場合であれば、苦戦することがあるのも事実です。
それを踏まえた上で、飼い方のコツ・気を付けたいことなど、実際に一緒に暮らすために必要なことを紹介していきます。
飼うと決めたら、あとはしっかり受け入れる準備をして、健康的な暮らしをできるようにしてあげてくださいね。
子犬の値段
ラブラドールレトリバーを子犬から飼う場合は、おおよその想定額は20万から30万円と考えておきましょう。
値段に関しては、血統やその子の色などの個体差もありますし、ブリーダーから買うのか、ペットショップで買うのかなどで、相場にかなりの振れ幅があります。
また子犬とはいえど、月齢もピンキリです。
月齢が増えるほどに、値段も下がる傾向があります。
迎え入れに必要な準備
子犬の場合は、犬が安心できる場所を作るためにケージを用意しましょう。
いきなり家庭の中に放してしまうと、家具を破壊したり、粗相をしたりということもあります。
今後のしつけ(トイレトレーニングなども含め)のためにもケージは必要です。
また、フードボウル・水入れなども用意しなければなりません。
フードボウルや水入れは今は種類も豊富にありますが、今後大きくなることを考えると、安定性が良いものがおすすめです。
しばらくはフードをふやかして与えることが多いでしょうから、プラスチック製のものよりも、金属性・ステンレス製などの方がベター。
プラスチックから解け出る成分でアレルギーを起こす子もいるので、注意してくださいね。
成犬時のサイズ・体重
少し触れましたが、ラブラドールレトリバーが成犬になると、メスでも体高は50センチを越えるサイズになります。
オスの場合は、平均でも55センチほどの高さに!
個体差はあるので、オスメス関係なくそれ以上になる子もいますし、それ以下の小さめのサイズの子もいますが、一般的に足が太くてどっしりしている子は大きくなりやすいとも言われています。
体重は、メスで平均25キロから30キロ強、オスは30キロから35キロが目安です。
しつけ方法
大型犬ですから、しつけに関しては飛びつきや興奮癖、噛み癖だけは徹底しておく必要があります。
ただ、もともと狩猟犬だったラブラドールレトリバーは、本能的に人と行動を共にすることを好みますし、賢い犬種ですから、しつけは入りやすい犬種です。
他の犬種とは違う、特殊なしつけが必要などはありませんが、大きさゆえの今後の苦労を考えると、1歳までの間にたくさん経験を積ませてあげるといいでしょう。
たとえば、散歩の際に大型犬にグイグイ引っ張られてしまうと、運動量を満たす前に飼い主さんの方がばててしまいますから、引っ張り癖はつけないようにしておきたいですし、ラブラドールレトリバーは友好的な性格の犬種ですから、ドッグランに慣れさせてあげるというのもいいですね。
しつけに自信がない場合は、まずはブリーダーに相談です。
「相談できる人が近くにいない」「何回も質問するのは気が引ける」といった場合は【こいぬすてっぷ】などのしつけ教材を活用する手もあります。
お手入れ方法
大型犬だとお手入れも、小型犬よりも大変になることがあります。
シャンプーを自宅でしようにも、その大きさゆえに重労働に感じる方もいますしね。
ただ、シャンプーは月に1度程度でかまいません。
洗い過ぎると、皮膚の必要な油分まで落としてしまうことがあるので、注意してください。
また、歯磨きも基本的には毎日することが理想的です。
犬用の歯ブラシや、指サック型の歯磨き、フロスタイプ、噛むだけで歯垢を取るようなおやつもあります。
小さい頃から口や歯を触れるようにしておきましょう。
そして忘れてはいけないのは、爪のチェックも定期的に行うこと。
狼爪(人間でいう親指の爪)は気づくと案外伸びていることもありますし、たくさん歩かせている場合であっても、爪が上手に削れておらず、人の手で爪切りをしてあげないといけないケースもあります。
爪切りや歯磨きや肛門しぼりなどに関しては、どうしても自宅で難しい場合などは、動物病院に行った際やトリミングサロンなどでも依頼できることがあるので、通いやすいところにやってもらえるところがあるのかも、調べておくといいですね。
なお、ダブルコートですから、抜け毛の量が多いラブラドールレトリバー。
抜け毛の処理という意味・毛並み・毛艶の維持のみではなく、ノミダニ対策という意味でもブラッシングをしてあげる習慣をつけておきましょう。
散歩時間の目安
ラブラドールレトリバーの散歩の理想としては朝に60分、夕方に60分の計2回です。
朝から60分の散歩時間を犬のために割くというのは、飼い主さんも慣れるまではかなりのノルマと感じますよね…。
しかし、少なくとも朝であろうが30分は取るようにしてください。
ラブラドールレトリバーは暑さに弱いため、夏には暑くなる前に散歩を済ませるようにしてあげましょう。
また、そこまで時間を割けないという場合にはドッグランや水遊びなどをして、ストレスを溜め込まないようにしてあげるといいですね。
寿命・病気
ラブラドールレトリバーの平均寿命は10歳から12歳と言われています。
しかし、15歳まで生きる子もいますので、あくまで目安として考えておいてくださいね。
毛色によっても前後があり、チョコレート(黄色・黒の間の濃い茶色の毛色のラブラドールレトリバー)の場合は、若干寿命が短く10歳強とも言われています。
また、犬種特有のないりやすい病気や症状もありますが、ラブラドールレトリバーの場合は、
・胃捻転
・皮膚疾患
・股関節形成不全
・外耳炎
などが、かかりやすい病気として挙げられます。
肥満にもなりやすい犬種ですから、食事にも気をつけてあげる必要もあるのですが、胃捻転防止策としても、食事をゆっくりさせる工夫や食後の運動を控えるなどの注意も必要です。
ラブラドールレトリバーとゴールデンレトリバーはどちらが飼いやすい?
ラブラドールレトリバーと類似している犬種といえば、ゴールデンレトリバーがいますよね。
ラブとゴールデンどちらが飼いやすいかというと、これは一概にはいえません。
というのも、サイズもさほど違いはありませんし、性格もゴールデンレトリバーもラブラドールレトリバー同様に温厚で人懐っこい部分はほぼ同じ。
ゴールデンレトリバーがかかりやすい疾患なども、ラブラドールレトリバーとほぼ違いはありません。
どちらもダブルコートなのですが、唯一の絶対的な違いといえば、ラブラドールレトリバーは短毛種、ゴールデンレトリバーは長毛種ということ。
毛の長さが違うだけとはいえ、ブラッシングの手間はいうまでもなく、ゴールデンの方が大変です。
毛が長いので、からまってしまったり、生え変わる時期にはゴソッと大量に抜けたりするため、ブラッシングはラブラドールレトリバーに比べると重労働になってしまいます。
しかし、これは悪いことばかりではありません。
毛が長いということは、寒さには強いメリットがありますので、冬にも強いともいえますからね。
逆に、ラブラドールレトリバーは短毛ですから、ゴールデンレトリバーよりは夏の暑さには強いわけです。
「ラブとゴールデン、どっちがいいのかな…」と悩むようであれば、お住まいのエリアの特徴(夏は暑いエリア?冬の寒さが強いエリア?)なども加味してみましょう。
幸せに暮らすためには、環境・その土地の特色などを考えるのも必要なことといえますね。
まとめ:ラブラドールレトリバーを飼って後悔しないために
ラブラドールレトリバーを飼って後悔しないためには、メリットだけではなくデメリットもしっかり考えておく必要があります。
日本では昨今、小型犬が人気になっていますが、ラブラドールレトリバーのような大型犬を飼うのは、小型犬を飼うのとは全然わけが違うのですから。
せっかく家族として迎え入れたいという思いがあるのであれば、ご紹介した、
・食費や医療費も小型犬に比べると高額になる
・弱った時のサポート
・やんちゃな子だと犬も飼い主さんももろとも、大変な目に遭うことがある
なども、考えておくようにしましょう。
しつけに自信がない場合は、まずはブリーダーに相談です。
「相談できる人が近くにいない」「何回も質問するのは気が引ける」といった場合は【こいぬすてっぷ】などのしつけ教材を活用する手もあります。
いずれにせよ、覚悟と、心の余裕・金銭的な余裕がないと、お互い不幸になってしまうことがあるので注意してくださいね。