子犬のドッグフードの選び方
子犬と成犬との違いは数多くありますが、注意すべきなのは、パピーは成犬に比べ体力や免疫力がなく病気にかかりやすい点です。
子犬は、脳や感覚器官のほか、骨格や筋肉や内臓器官などが未発達のため、パピーの時期は手厚い健康管理を行うことが大切です。
なかでも重要なのは、子犬が離乳してから成犬になるまでの間の食事管理でしょう。
また、子犬は人間の赤ちゃんと同じで、パピーの時期の食生活によって、成犬になってからの体質や健康が大きく左右されます。
子犬のフードを安易に選ぶことは避け、美味しく安全で健康面もサポートできるフードを選びましょう。
パピー用のフードは種類も豊富で、選ぶのに迷うことも多いかもしれません。
そこで今回は、子犬の健やかな成長に役立つドッグフードの選び方や、正しい与え方などについてご紹介していきます。
選び方①子犬(パピー)用または全年齢対応の総合栄養食
ドッグフード(総合栄養食)には、「子犬(パピー)用」「成犬以降用」「全年齢(オールステージ)対応」のものがあります。
「総合栄養食」とは、AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準を満たしたペットフードを指します。
「全年齢対応」のフードは子犬に必要な栄養素もしっかり摂れるため、子犬だから「子犬(パピー)用」のフードを与えなければならないというわけではありません。
重要なのは、「子犬(パピー)用」と「全年齢用」のどちらのフードであっても、子犬にとって望ましい栄養バランスが取れたものを選ぶことです。
子犬の時期は、成犬よりも「高たんぱく・高脂肪」の食事が必要になりますが、パピーは消化吸収の機能が未発達のため消化不良や下痢を起こしやすいものです。
主原料に、消化吸収の良い肉や魚などの動物性のたんぱく質を使用し、炭水化物は少なめのフードを選びましょう。
また、子犬には「脂肪」も必要ですが、「動物性油脂」などの表記ではなく、「サーモン油」「鶏レバー油」などと明確に記載されているものを選びましょう。
選び方②アレルギーがある場合はアレルゲン食材を外す
犬のアレルギーは「皮膚炎」や「涙やけ」のほか、「下痢」や「嘔吐」などの症状を引き起こすこともあります。
犬の食物アレルギーは、アレルゲンになる食材を食べさせないようにして防ぎましょう。
犬がアレルギーを発症しやすい原材料は、「鶏肉」「牛肉」などの肉類や、「卵」「乳製品」のほか、「小麦」などの穀物、と広範囲に及びます。
肉類では、「鹿肉・馬肉」など、アレルギーのリスクが低いとされている主原料を使用しているものを選びましょう。
また、穀物類のアレルギーには、穀物不使用の「グレインフリー」や、小麦不使用の「グルテンフリー」のフードがお勧めです。
さらに、原材料の種類が少ないドッグフードを選ぶことで、アレルギーの発症を抑えられる可能性が高くなります。
選び方③粒の大きさ・硬さ
ドッグフードは、「ドライ」と「ウェット」の2つのタイプと、この中間に位置し、しっとりと柔らかい「セミモイスト」のタイプがあります。
「ドライ」と「セミモイスト」のドッグフードには「大粒・小粒」のタイプがありますが、粒の大きさや硬さは、子犬でも食べやすいものを選びましょう。
歯が十分に発達していない子犬がフードを噛まずに呑み込むと、吐き戻しのほか、喉に詰まらせたりする危険もないとはいえません。
大型犬や中型犬と比べて、とくに口の小さい小型犬の子犬には小粒のフードを与えてください。
ドッグフードは、粒の大きさや形状など、犬の嗜好性が高くなるようにメーカーが研究を重ねて製造していますが、愛犬が食べやすいかどうか、実際に食べている様子を観察して選びましょう。
選び方④添加物ができるだけ少ないもの
子犬のフードは、人工の添加物ができるだけ少ないものを選びましょう。
わが国のペットフード安全法では、安全基準が定められている添加物はほとんどありません。
ドッグフードの中には、「酸化防止剤」や「保存料」のほか、「香料」「着色料」「発色剤」「凝固剤」など、様々な人工の添加物が使用されている製品が数多くあります。
これらの合成された添加物は、ドッグフードの品質を保つ目的のほか、人間の印象を良くするために使用されています。
しかし、フードに使われている合成添加物は安全性が確保されているとはいえず、子犬の体に負担をかけてしまう可能性もあります。
子犬だけではなく成犬にも、できるだけ「ビタミン」や「ミネラル」など、天然由来の添加物を使用しているドッグフードを選びましょう。
選び方⑤安心感がほしいなら国産
人間が食べる食材を選ぶ際、国産にこだわって購入することが多いように、ドッグフードも国産のものが安心だと思う人は多いかもしれません。
しかし、外国産の原材料を使用していても、日本の国内で製造されたものなら「国産ドッグフード」と表記されるのをご存知でしょうか。
したがって、「国産」のドッグフードでも、すべての原材料が「国産」というわけではないので「国産だから安全」とはいいきれません。
しかし「国産ドッグフード」には、安心を得られる大きな利点があります。
外国産のドッグフードは海路で輸送されることが多いため、コンテナ内が高温になる状態が長く続くと品質が低下する可能性がないとはいえません。
対して、国内で製造されるドッグフードなら、自宅に届くまでの時間が短いため新鮮な状態がキープできる可能性が高いといえます。
選び方⑥情報開示・トレーサビリティがしっかりしている
子犬のフードを選ぶ際には、原材料の産地や生産国のほか、工場などの情報開示がされているかどうかも考慮しましょう。
「製品が、いつ、どこで、誰によって作られたのか」は、「トレーサビリティ」というシステムによって知ることができます。
この「トレーサビリティ」を取り入れているメーカーの製品は、生産から流通の履歴までしっかりと情報開示されているため、製造ロット番号からトラッキング(追跡)することが可能になるのです。
例えばフードの原材料の不具合や異物混入などが起こった場合でも、「トレーサビリティ」がしっかりしているメーカーの製品なら、速やかに回収や廃棄などの行動に繋げることができるため安心です。
選び方⑦胃腸が弱いなら乳酸菌など腸内ケア成分配合
子犬は、脳や骨格や筋肉のほか、内臓や消化器官も未発達です。
なかでも胃腸の弱いパピーには、「乳酸菌」や「オリゴ糖」などの、腸内ケア成分配合のフードを選びましょう。
これらの腸内ケア成分を配合したフードを子犬に与えると、消化吸収をサポートでき、腸内環境が整いやすくなり、免疫力をアップさせることにも繋がります。
犬も人間と同様で、免疫力がアップすると、病原菌やウイルスなどの異物から体を守ることができるため、アレルギーや病気にもかかりにくくなります。
病気に強い健康な体をつくるため、とくに成長期の子犬には、腸内ケア成分を配合したフードを与えるとよいでしょう。
また、胃腸の弱い子犬に食物繊維を与える場合は、腸の動きを整えてくれる「水溶性食物繊維」がおすすめです。
子犬向けドッグフードおすすめランキング
子犬の時期に摂取した栄養は、体の構造や成長の速度のほか、免疫機能などにも大きな影響を及ぼします。
子犬が成犬の体に成長するまでの期間は犬種によって異なり、超小型犬では8カ月程度、小型犬から中型犬では約1歳、大型犬では約1歳半です。
子犬が健やかに成長するためには、成犬になるまでのこの時期のフード選びが非常に重要だといえるでしょう。
子犬の時期は、パピーの成長に十分な栄養素が摂取でき、体の大きさに合った栄養バランスのドッグフードを選びましょう。
また、成犬の体に成長している犬に子犬用のフードを与えたり、全年齢用のフードでも適切な量より多く与えたりすると、肥満の原因になってしまうこともありますので注意が必要です。
次は、子犬におすすめのドッグフードをご紹介していきます。
カナガン
「カナガン」は、ペット先進国と呼ばれるイギリスが原産地で、FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)の栄養基準を満たす、全年齢対応のドッグフードです。
「カナガン」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・原材料の50%以上にチキンが使用されており、高タンパク。
・「グレインフリー(穀物不使用)」で、小麦やトウモロコシの代わりに、エンドウ豆やサツマイモを配合している。
・チキンは、人間が食べられる「ヒューマングレード」で、高品質で新鮮な生肉を使用。
・フードの粒は、子犬や小型犬でも食べやすい小さめのサイズで、中心部に穴があるため口の小さなパピーでも噛み砕きやすい。
・保存料、着色料などの人工添加物は使用していない。
・オメガ3脂肪酸を豊富に含むサーモンオイルを使用。
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ナチュロル
「ナチュロル」は、AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準を満たした、全年齢対応の国産のドッグフードです。
「ナチュロル」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・動物性食材は全体の55%以上で、牛、鶏、馬、魚と、種類の多いたんぱく源を使用している。
・原材料は、「ヒューマングレード」で、「グレインフリー(小麦やトウモロコシなどの穀物不使用)」。
・着色料や保存料などの人工添加物は使用していない。
・オイルコーティングはしていない。
・品質や衛生管理が徹底された「GMP認定」の工場で製造されている。
・高濃度の、安定・持続型のビタミンCや、天然バイオフラボノイドを配合している。
・生魚に含まれるオメガ3脂肪酸を使用している。
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このこのごはん
「このこのごはん」は、小型犬の「涙やけ」や「体臭」、「毛並み」などの、気になる悩みに向き合って開発された国産のドッグフードです。
「このこのごはん」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・主原料に「高タンパク・低カロリー」の鶏のササミを使用している。
・「ヒューマングレード」の原材料を使用している。
・保存料や酸化防止剤などの人工添加物を使用していない。
・アレルギーの原因になりやすい「小麦グルテン」を使用していない。
・オイルコーティングしていない。
・食物繊維を多く含む「モリンガ」、カリウムが豊富な「サツマイモ」、DHA・EPAが豊富なマグロを使用している。
・乳製品が苦手な子犬のために、お米由来の乳酸菌を配合している。
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ヤムヤムヤム
「ヤムヤムヤム」は、口の小さい小型犬でも食べやすい小粒タイプで、全年齢対応の、国産のドッグフードです。
「ヤムヤムヤム」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・「ドライタイプ」と「やわらかドライタイプ」の2種類がある。
・主原料に宮崎産の若鶏の生肉を使用している。
・穀物は、玄米・大麦を使用している。
・善玉菌を増やす働きのある、フラクトオリゴ糖やビール酵母を配合。
・オメガ6脂肪酸・オメガ3脂肪酸を配合している。
・主原料は国産で「ヒューマングレード」の食材を使用している。
・人工添加物は使用していない。
・国産のカツオ節や、シイタケ、昆布を使用し、香りとうま味を引き立たせている。
・レシピは獣医師が監修している。
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アカナ パピー スモールブリード
「アカナ パピー スモールブリード」は、小型犬の子犬におすすめの、カナダ産のドッグフードです。
「アカナ パピー スモールブリード」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・成犬時の体重が最大で9㎏程度の、小型犬の子犬の口のサイズに合った小粒タイプ。
・主原料に、放し飼いの鶏肉、天然カレイ、卵などを使用し、高タンパク質で低炭水化物。
・新鮮なサーモンに含まれる、オメガ6脂肪酸・オメガ3脂肪酸を配合している。
・グルコサミン・コンドロイチンを配合している。
・アレルギーや血糖値に配慮し、穀物やジャガイモを使用していない。
・BHA、BHT、などの人工的な酸化防止剤を使用していない。
・カナダのアルバータ州にある自社工場で製造している。
子犬ドッグフード比較一覧表
カナガン ドッグフード | ナチュロル | このこのごはん | ヤムヤムヤム |
アカナ ドッグフード
|
|
原材料 | 骨抜きチキン生肉26%、乾燥チキン25%、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモ、エンドウタンパク、アルファルファ、鶏脂3.1%、乾燥全卵3.1%、チキングレイビー1.6%、サーモンオイル1.2%、ミネラル(硫酸第一鉄水和物、硫酸亜鉛一水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、無水ヨウ素酸カルシウム、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン(ビタミンA 16,250IU/kg、ビタミンD3 2,400IU/kg、ビタミンE 240IU/kg)、グルコサミン1000mg/kg、メチルスルフォニルメタン(MSM)1000mg/kg、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、オオバコ、海藻、フラクトオリゴ糖、コンドロイチン700mg/kg、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、クランベリー、アニスの実、コロハ | 牛肉,馬肉,鶏肉(むね皮なし),魚,タピオカ,紫さつまいも,チーズ,ココナッツ,りんご繊維,胡麻,ひまわり油,乳清,安定・持続型ビタミンC,天然バイオフラボノイド,海藻,脱脂粉乳,オリゴ糖,乳酸菌 | 鶏肉(ささみ、レバー)、大麦、玄米、ビール酵母、鰹節、米油、乾燥卵黄、鹿肉、まぐろ、 青パパイヤ末、モリンガ、さつまいも、わかめ、乳酸菌、昆布、ミネラル類(牛骨カルシウ ム、卵殻カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルコン酸亜鉛、ピロリン酸第二鉄、 グルコン酸銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB2、パントテン酸カルシウム、ビタミンB12、 ビタミンD、ビタミンE) | 鶏肉、大麦、玄米、ビール酵母、かつお節、全卵、 チキンエキス、酵母エキス、オリゴ糖、にんじん、発酵調味液、 ブロッコリー、かぼちゃ、昆布、しいたけ、ミネラル類(牛骨カルシウム、卵殻カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、グルコン酸亜鉛、 ピロリン酸第二鉄、グルコン酸銅)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、 ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール) |
新鮮鶏肉(11 %)、鶏肉ミール(10 %)、七面鳥肉ミール(10 %)、赤レンズ豆、丸ごとグリンピース(9%)、そら豆(8%)、新鮮鶏臓器, (レバー、ハツ、腎臓)(6 %)、ニシンミール(5 %)、鶏脂肪(5 %)、緑レンズ豆(5%)、丸ごとイエローピース(4%)、新鮮全卵(4 %)、新鮮丸ごとカレイ(4 %)、ニシン油(3 %)、日干しアルファルファ(3%)、エンドウ豆繊維、新鮮鶏軟骨(2 %)、乾燥ブラウンケルプ、新鮮丸ごとカボチャ、新鮮丸ごとバターナッツスクワッシュ、新鮮丸ごとパースニップ、新鮮ケール、新鮮ほうれん草、新鮮カラシ菜、新鮮カブラ菜、新鮮丸ごとニンジン、新鮮レッドデリシャスリンゴ、新鮮バートレット梨、フリーズドライ鶏レバー、フリーズドライ七面鳥レバー、新鮮丸ごとクランベリー、新鮮丸ごとブルーベリー、チコリー根、ターメリック、オオアザミ、ゴボウ、ラベンダー、マシュマロルート、ローズヒップ 添加栄養素(1kg中):亜鉛キレート:100 mg 畜産学的添加物: 腸球菌フェシウム |
成分 | タンパク質33% 脂質17% 繊維3.5% 灰分9% 水分8.5% オメガ6 2.8% オメガ3 0.9% リン 1.42% マグネシウム 0.1% ナトリウム 0.6% カルシウム 1.86% カリウム 0.6% エネルギー 361kcal |
タンパク質23-27% 脂質10%以上 繊維2-4% 灰分?% 水分9%以下 (炭水化物約46%?) エネルギー 400kcal 安定・持続型ビタミンC1000mg/kg 天然バイオフラボノイド 200mg |
タンパク質 21.3%以上 脂質 8.2% 粗繊維 0.9%以下 灰分 6.7% 水分 10.0%以下 |
粗タンパク質21.5%以上 粗脂肪10.7%以上 粗繊維1.5%以下 粗灰分6.0%以下 水分10.0%以下 |
タンパク質29%以上
脂質17%以上 繊維5%以下 灰分7%以下 水分12%以下 (炭水化物約30%) カルシウム 1.3%以上 リン 1%以上 オメガ6 2.6%以上 オメガ3 1%以上 グルコサミン 1200mg/kg以上 コンドロイチン 900mg/kg以上 |
カロリー100gあたり | 376 | 400 | 343 | 358 | 351 |
内容量(g) | 2000 | 850 | 1000 | 900 | 2000 |
定価 | 4,356円 | 3,300円 | 3,850円 | 3,558円 | 5,500円 |
kg単価(定価) | 2,178円 | 3,882円 | 3,850円 | 3,953円 | 2,750円 |
グレインフリー | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
ヒューマングレード
|
〇 | 〇 | 〇 | 記載なし | |
保存料・酸化防止剤 | ビタミンE | – | ビタミンE | 酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール) | なし |
安全性 | FEDIAF基準をクリア 香料・着色料不使用 |
グルテンフリー | 保存料・酸化防止剤無添加 国産 ノンオイルコーティング 人工添加物フリー グルテンフリー ヒューマングレード |
国産
合成添加物不要 ヒューマングレード 獣医師監修 AAFCO基準 第三者機関検査 |
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生産国 | イギリス | 日本 | 日本 | 日本 | カナダ |
犬種・ライフステージ | 全犬種・全ライフステージ対応 | 全犬種・全ライフステージ対応 | 小型犬・全ライフステージ対応 | 全犬種全ライフステージ対応 |
全犬種全ライフステージ対応
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子犬にドッグフードをふやかすのはいつまで?
子犬の成長はとても早いため、短期間でしっかりと栄養を摂って健康な体をつくらなければなりません。
人間の赤ちゃんと同じで消化器官が未発達なパピーには、離乳食としてドッグフードをふやかして与える必要があります。
子犬にフードをふやかして与えると、消化しやすくなるほか、フードが喉に詰まりにくくなります。
ふやかしたフードからドライフードに切り替えるタイミングには個体差がありますが、生後3カ月から4カ月くらいが多いようです。
ふやかしたフードからドライフードに移行するのは、10日程度時間をかけて徐々に行いましょう。
この期間は、犬の便をチェックしながら、ふやかしたフードの水分を少しずつ減らしていきます。
便が硬すぎる場合は水分が足らず、緩すぎる場合は消化不良の可能性もあるため、上記の切り替えのタイミングや移行期間は目安として考え、犬に合ったフードを与えましょう。
関連記事:ドッグフードのふやかし方
子犬用ドッグフードを与えるのはいつまで?切り替え時期
子犬に「全年齢対応」のフードではなく、「子犬用(パピー用)」のフードを与えている場合は、徐々に成犬用のものに切り替えていく必要があります。
体が成犬に成長しているのに子犬用のフードを与え続けると、栄養過多による肥満など、健康に悪影響を及ぼしかねません。
犬が成犬になる月齢は犬種によって異なり、「小型犬」の子犬期は生後8カ月から9カ月程度、「中型犬」は生後10カ月から12カ月程度、「大型犬」は、生後17カ月から18カ月程度といわれています。
ただし、この月齢は目安であり、小食な犬や食欲が旺盛でない犬には、成犬になっても子犬用のフードを与える場合もあります。
成犬用のフードへの切り替え時期は、かかりつけの獣医師に相談されることをおすすめします。
子犬がドッグフードを食べないときの原因と対処法
しっかりと栄養を摂らなければならない成長期の子犬がドッグフードを食べない、というのは深刻な事態といえます。
子犬がフードを食べないときには、「フードが食べづらい」場合や、「環境変化などによるストレス」や「病気」など、様々な原因が考えられます。
「水も飲まない」「下痢」「嘔吐」「震え」「ぐったりしている」など、明らかに子犬の様子がおかしいときは、速やかに動物病院で診てもらいましょう。
元気そうに見える子犬がドッグフードを食べないときは、「与えられたフードが気に入らない」場合や、「食欲がない」というケースもあります。
次は、子犬がフードを食べないときに考えられる原因が、「フードの匂いが嫌い」「食欲がない」「カリカリ(ドライフード)が嫌い」というケースでの対処法をご紹介していきます。
原因①匂いが嫌い
子犬がフードを食べないときに考えられる原因に、「フードの匂いが嫌い」というものがあります。
犬の嗅覚は人間の数千倍から1億倍優れているといわれており、人間が感じることのできない微かな匂いを感知したり、複数の匂いを識別したりする能力を備えています。
対して、犬の味覚は、人間と比較すると「味蕾(味を感じる小さな器官)」の数が少ないため、感じ取りにくい味もあります。
このことから、犬のフードの好き嫌いは味よりも匂いによって決まる、と考えられています。
犬と人間では食事に対する感覚が異なるため、たとえ子犬にとって優れた栄養バランスのフードでも、匂いが嫌いならパピーが喜んで食べることはないでしょう。
犬が「匂いが嫌いでフードを食べない」と思われる場合には、次のような対処法があります。
対処法:フードを替える・またはトッピング
フードに匂いの強いトッピングを使うことで、犬が「食べたい」という欲求が高まることがあります。
ごく少量でも食欲アップ効果が期待できる、香りの高い「鰹節」や、優しい甘い香りと味の、子犬用の「粉ミルク」を活用しましょう。
少量の「鰹節」や「粉ミルク」をそのままフードにふりかけてもよいのですが、ぬるま湯で溶かした「粉ミルク」をかける方法もあります。
これらのトッピングでも犬の食欲が刺激されないようなら、フードを替えることを考えた方がよいかもしれません。
原因②食欲がない
子犬は体の器官が未発達で体力も免疫力もないため、成犬に比べると病気にかかりやすく体調も崩しやすいものです。
そのため子犬は、寒暖差の影響を受けると様々な不調を引き起こし、食欲がなくなることがあります。
急激に気温が変化する春先や季節の変わり目などは、子犬の免疫力が低下しやすいので注意しましょう。
また猛暑の夏はとくに注意が必要で、気候変動により夏の平均気温が上昇し続けている近年は、犬も夏バテ状態に陥るケースが増えてきました。
子犬が夏バテなどで体調を崩して食欲がなくなると、急激に体力を失ってしまいますので、ぐったりしているようなら早めに獣医師に相談してください。
子犬の食欲がない場合に、フードに次のような対処をすることで、食欲が刺激されることもあります。
対処法:ふやかす
「犬のフードの好き嫌いは味よりも匂いによって決まる」と先述したように、犬の食欲を高めるポイントは「匂い」です。
フードをぬるま湯でふやかすと香りがたち、美味しそうな匂いが強くなります。
また、ふやかして水分を含んだフードはやわらかいため、子犬が食べやすくなり消化も助けます。
ただし、ふやかすときのお湯の温度には注意が必要です。
熱湯をフードに注ぐと栄養素が破壊されてしまう恐れがありますので、必ずぬるま湯を使用しましょう。
原因③カリカリ(ドライフード)が嫌い
子犬は、次のような理由で「カリカリ(ドライフード)」が嫌いになり、食べなくなることがあります。
・おやつをよく与えている。
食いつきやすさを高めたおやつの味に慣れてしまうと、栄養バランス優先のドライフードの味に満足できなくなることがあります。
・ドライフードを置いたままにしている。
ドライフードがいつも目の前にあると、「いつでも食べられるから」と食べなくなることがあります。
また、長時間フードを放置すると酸化や劣化が起こることもあります。
・歯の生え変わり時期のこともある。
歯の生え変わり時期は、ドライフードを食べにくいことがあります。
「食事の時に痛そうにしている」「口臭や、口まわりに違和感がある」「口周辺から出血している」などの様子が見られたら、歯の生え変わりの可能性があります。
上記のほかの理由でも、ドライフードが嫌いな子犬には次のような対処をしましょう。
対処法:ウェットフードに替える・ふやかす
子犬がドライフードを食べない場合は、先述の「食欲がないとき」の対処法と同様に、フードをふやかすと食いつきが良くなる可能性もあります。
また、ドライフードをレンジなどで温めるだけでも、匂いが強くなりますのでおすすめですが、この場合も温めすぎないように注意してください。
どうしても愛犬がドライフードを嫌がるようであれば、ウェットフードに替えてみましょう。
ただ、ウェットフードは水分量が約75%もあるため、犬の歯に歯垢が付きやすく虫歯になりやすくなるため、しっかりと歯磨きをするようにしましょう。
子犬のドッグフードの量と回数
子犬から成犬になりシニア犬になるまでの、基本的な健康管理の中でも重要なのは食事管理です。
とくに、体力も免疫力もない子犬の食事は大切で、パピーの時期に十分に栄養を摂っていないと病気にかかりやすくなるほか、成犬になってからの体質や健康にも悪い影響を及ぼします。
子犬に与えるドッグフードは、「子犬用(パピー用)」でも「全年齢対応タイプ」でも、栄養バランスの取れた良質なものを選びましょう。
また、子犬の時期のフードは、離乳食からドライフードにいきなり切り替えるのではなく、徐々に行うようにしましょう。
子犬にフードを与える際には、必要な栄養素やエネルギーをきちんと摂って健康が維持できるように、量や回数にも細心の注意を払わなければなりません。
次は、子犬のドッグフードの量の計算方法と回数について、ご紹介していきます。
量の計算方法
子犬の給餌量は、パッケージに記載されたものは目安と考え、適切なフードの量は計算して与えましょう。
体重や成長の段階に応じて計算した量のフードを与えると、食べ過ぎや栄養不足を防ぎやすくなり、子犬から成犬への健康的な成長につながります。
愛犬に適切なフードの量は、「√」ボタンのある電卓があれば簡単に計算することができます。
生後4カ月未満の子犬の場合は次のように行ってください。
1 体重×体重×体重=√√(√を2回押す)×70×3.0
2 1の数値÷フードの100gあたりのkcal数×100
次は、生後4カ月から9カ月の場合です。
1 体重×体重×体重=√√(√を2回押す)×70×2.0
2 1の数値÷フードの100gあたりのkcal数×100
生後9カ月を過ぎると、去勢や避妊の有無などによって係数は変わりますので、愛犬の体重や成長などに合わせて適時計算するとよいでしょう。
関連記事:犬の餌の量
回数は1日3~4回
子犬の時期にドッグフードを与える回数は、1日に3~4回程度にしましょう。
子犬の給餌回数は月齢に応じて変更していきますが、月齢は目安として考えてください。
子犬の月齢と1日の給餌回数は、以下を参考にしましょう。
・生後2カ月から3カ月の給餌回数は、3回~5回。
・生後4カ月から6カ月の給餌回数は、3回~4回。
・生後6カ月から1歳の給餌回数は、2回~3回。
・1歳以降は、2回程度。
子犬の成長には個体差がありますので、上記はあくまでも目安と考え「食べ方」や「便の硬さや形状」を観察しながら回数を調節していきましょう。
便が緩い場合は、1回に与える量が多すぎることも考えられますので、量を減らして回数を増やすとよいでしょう。
また、愛犬におやつを与える場合は、食事と食事の中間ぐらいの時間帯に、カロリーが少ないものを少量にしましょう。
早食い対策はフードボウルを替える
子犬がフードを噛まずに呑み込む、など「早食い」をしていたら、速やかに対策を行いましょう。
子犬が早食いをすると、フードを喉に詰めることもあり、非常に危険です。
子犬用のフードは小さな粒ですが、唾液の水分で膨らんだフードを噛まずに呑み込むと、パピーの細い食道に詰まり固まってしまうことがあるのです。
また、胃腸が未発達な子犬が早食いをするとうまく消化できず、下痢や嘔吐を引き起こすこともあります。
子犬の早食い対策には、フードボウルを早食い防止のものに替えるのがおすすめです。
早食い防止のフードボウルは、凹凸型やボール型や芝生型などがありますので、フードや口のサイズのほか、マズルの長さなども考慮のうえ愛犬に合ったものを選びましょう。