犬の胆泥症にささみを与えても大丈夫!

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犬の胆泥症にささみを与えても大丈夫

犬の胆泥症にささみは大丈夫

胆泥症の犬は、基本的に薬の内服と食事療法により対処します。

胆泥症では、本来サラサラしている胆汁が、胆嚢内で泥状になり、総胆管を塞ぐことによって十二指腸にうまく排出されなくなります。

胆汁は脂肪の分解に関与するため、胆泥症の犬では脂肪がうまく分解されなくなり、消化吸収に影響が出てきます。

そこで食事療法では、低脂肪で消化吸収の良いものを与えるようにします。

ささみは、下の表を見ても分かる通り、他のタンパク質と比べ低脂肪で消化もよいため、胆泥症の犬に与えても問題ありません。

ただし、胆泥症の犬では肝炎を併発している場合もあるため、タンパク質の摂取量にも配慮しなければなりません。

そのため、ささみを与える場合は少量にしましょう。

肉100gあたりのタンパク質、脂質、エネルギー

タンパク質[g] 脂質[g] カロリー[kcal]
馬赤身生 20.1 2.5 110
牛赤身生 20.2 12.2 201
豚赤身肉生 20.9 3.8 125
鹿赤身生 22.3 1.5 110
鶏胸生皮なし 23.3 1.9 116
鶏 ささみ 24.6 1.1 114

参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ささみのおやつも大丈夫

犬のささみを原料としたおやつには、チップ、フリーズドライ、ジャーキーがあります。

もちろん、これらのささみのおやつは、胆泥症の犬に食べさせても問題ありません。

ただし、おやつですので、少量与えるようにしましょう。

チップは、平べったくて薄い形にして加熱乾燥させており、パリッとした食感が特徴です。

フリーズドライは、食品を急速凍結し、更に真空状態で水分を昇華させ乾燥させたものです。

加熱処理しないため、熱に弱いビタミンなどの栄養がそのまま含まれています。

シャーキーは、チップほど薄くありまでんが、加熱乾燥させたものです。

チップよりも固いものが多いですが、手作りの場合は固さを調整できます。

最近のおやつは、国産で無添加、さらに不要な味付けをしていないものが増えてきました。

市販のものを購入する場合は、特に味付けをしていないものを選ぶようにしてください。

チップとジャーキーは、オーブンレンジを使用し手作りすることもできます。

手作りする際にも、もちろん味付けはしないようにしましょう。

また、手作りしたものは無添加で安心である一方で、うまく水分が抜けきれず保存が難しいという欠点があります。

よって手作りしたものは、市販のもののように保存せずなるべく早く食べさせるようにしましょう。

肝炎・膵炎・腸炎を併発している場合でも問題なし

胆泥症では、肝炎や膵炎、腸炎を併発していることがあります。

それぞれの病気の進行具合にもよりますが、これらを併発している場合であっても、ささみを与えることに問題はありません。

ささみは、高タンパクで低脂肪であることに加え、消化性が良いタンパク源だからです。

療法食にてタンパク源にささみが使用されているものを与える場合は、製品に記載どおりの量を与えることで、その他の栄養もしっかりと摂取することができるので安心です。

一方で手作りのものを与える場合には、量に気を付けましょう。

特に肝炎を併発している場合は、健康時と比べ、タンパク質の量も調整しなければなりません。

肝臓には解毒作用があり、タンパク質が分解されてできたアンモニアを尿素に変換する作用があります。

肝臓が侵されていると、この作用が上手く働かずに体にとって有毒なアンモニアが体内に溜まってしまい、悪影響を及ぼすことになります。

よって、肝炎を併発している場合は、タンパク質の量もしっかり考慮しなければいけないのです。

いずれの病気も食事療法が重要となってきますので、与えるフードに関しては、獣医師に相談することをおすすめします。

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犬の胆泥症とは

犬の胆泥症

肝臓には、胆嚢という袋がついており、胆嚢には肝臓で生成された胆汁が溜められています。

胆汁はサラサラとした黄褐色の液体で、90%は水分であり、他にビリルビンという黄色の色素やコレステロール、胆汁酸塩などから成り立っています。

食事をすることで胆嚢は収縮し、胆汁は胆嚢から総胆管を通って十二指腸へと排出されます。

そして胆汁は脂肪を乳化することで、膵臓から排出された膵液に含まれるリパーゼが脂肪を分解しやすいよう助ける役割を果たしています。

何らかの影響で胆汁の性状が変化すると、サラサラだった胆汁は、泥のようになってしまうことがあり、これを胆泥といいます。

胆嚢内に胆泥が存在するだけでは、特に症状は認められませんが、この胆泥が溜まって総胆管に詰まってしまうと、消化器症状の他に黄疸や腹膜炎といった症状がみられるようになり、治療が必要となります。

犬の胆泥症の症状

胆泥症は、なかなか症状が現れないことが多く、健康診断などで偶然発見されることが多い病気です。

胆嚢の中に胆泥が増えてくると、その分十二指腸に排出される胆汁の量が減り、消化不良となることから消化器症状が現れることがあります。

具体的には発熱、元気消失、食欲不振の他に、軟便や下痢、黄色や緑色のものを吐く、腹痛などの消化器症状が現れます。

また胆泥が胆管に詰まってしまうと、消化器症状の他にも、胆汁が逆流し血液の中に入ってしまうことで黄疸を引き起こしてしまいます。

黄疸になると、皮膚や粘膜、目の白い部分が黄色になります。

更に胆泥が溜まりすぎて胆嚢や胆管が破裂すると、腹膜炎を起こすこともあります。

このように重症化すると命にかかわる危険もありますので、早期に獣医師に相談する必要があります。

犬の胆泥症の原因

胆泥症の原因は、はっきりとは分かっていませんが、以下のようなことが原因として考えられます。

まず、胆嚢炎です。

細菌感染や、肝炎、膵炎、腸炎から波及して胆嚢炎になると、胆汁の性状が変化し、胆嚢に胆泥が溜まることがあります。

また、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患になると、同じく胆汁の性状が変化し、胆泥が溜まることがあります。

更に、他の病気でもだいたいそうですが、加齢により胆泥症を発症する可能性は高くなりますし、ミニチュアシュナウザーやコッカースパニエルなどの犬種は遺伝的に胆泥症になりやすいです。

胆泥症はなかなか症状が現れないため、他の病気が発見された際に見つかることも多いです。

逆に言うと、上記に示したような他臓器の炎症や内分泌疾患と診断された場合には、胆泥症を発症している可能性もありますので、注意深く診察してもらいましょう。

犬の胆泥症の治療方法

犬が胆泥症は、超音波や血液検査により診断します。

そして胆泥症と診断された場合には、基本的に内科療法と食事療法の二本立てで治療していくことになります。

ただし、胆嚢に大量の胆泥が貯留することで胆嚢が腫大した場合や、胆嚢壁が脆く破裂しやすい場合、または総胆管が閉塞する危険性が高い場合には、外科的に胆嚢を切除することもあります。

なお、胆嚢は食事に合わせて胆汁を多く排出できるように胆汁を溜めておく役割がありますが、胆嚢がなくなっても、肝臓で生成された胆汁は少量ずつ十二指腸に排出されますので、大きな問題はありません。

以下に、内科療法と食事療法について詳しく説明していきます。

内科療法(投薬)

胆泥症に対する内科療法では、目的に応じた投薬を行います。

胆汁の生成を促し、胆嚢から胆汁の排出を促進させるウルソデオキシコール酸などの利胆剤は、胆汁の粘度を下げてくれる可能性があります。

また、胆汁排出を促進させる目的で、胆嚢を収縮させるエリスロマイチンという薬を使うこともあります。

肝炎を併発している場合には、肝臓の機能を改善するために、タウリンやスルフォアデノシルメチオニンなどが使用されます。

更に、肝炎や膵炎、胆嚢炎で細菌感染が疑われる場合には、抗生物質を使用することもあります。

その他、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患に併発して胆泥症が起こっている場合は、まず内分泌疾患に対する治療を行います。

内分泌疾患に対する治療の結果、胆泥が減少することもあります。

参考:若山動物病院-犬の胆泥症

食事療法(低脂肪食)

胆泥症になった場合、食事療法も重要となります。

胆泥症では、脂肪分解に関与する胆汁がうまく分泌されないため、摂取する脂肪の量を制限しなければなりません。

具体的には、質の良い脂肪を含んだ低脂肪食を与えるようにしましょう。

質の良い脂肪とは、酸化されていない脂肪のことです。

空気に触れると、脂肪は酸化してしまいます。

ですので、開封後時間が経ったドッグフードはなるべく与えないようにし、少量タイプのフードを購入するようにするとよいでしょう。

また、オメガ3脂肪酸は健康によい脂肪酸であり、質のよい脂肪です。

このように、脂肪の質にこだわり、1回の食事に含まれる脂肪の量は10%未満にしましょう。

また、胆泥症では肝臓疾患も併発しやすいため、肝臓に負担をかけないよう高タンパクのものは避けるようにします。

更に、胆泥症では消化の良いものを与えることも重要となります。

犬の胆泥症の予防方法はない

犬の胆泥症は、はっきりとした原因が分かっていないため、予防するのも困難です。

胆泥症はなかなか症状が現れにくいため、まずは早期発見・早期治療のために定期健診を受けることが、予防の第一歩になります。

また、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患や胆嚢炎では、胆泥症を併発する可能性が高くなりますので、これらに罹患した場合は、注意が必要です。

更に、遺伝的に発症しやすい犬種では特に日頃から気にかけてあげてください。

胆泥症に限らず、病気を予防するためには、健康な体づくりが重要となります。

高カロリーな食事や高脂肪の食事は、決して健康によくありません。

栄養バランスのとれた質の良いフードを選んであげましょう。

そして、適度な運動も心掛けてください。

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犬にささみを与えるときの注意点

注意点

犬にささみを与えるとき、注意しなければならないことがあります。

まず、他の肉と同様、ささみももちろん生のままで与えてはいけません。

調理法は、焼くよりも茹でることをおすすめします。

また、大好きなお肉を前にすると、犬は興奮して噛まずに丸呑みする可能性が高いです。

そのため、犬にささみを与える場合は、丸呑みしても問題ないくらい小さく切ったものを与えるようにしましょう。

そして、欲しがるだけ与えるようなことをしてはいけません。

好きなものを好きなだけ与えていると、犬は我儘になり、好きなものしか食べなくなります。

そうなると栄養に偏りが生じ、健康な体を保つことができません。

このように、ささみを与える際にはいくつか注意点がありますので、それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

生のささみはNG、茹でて与える

生肉には、大腸菌やサルモネラなどの細菌、ウイルス及び寄生虫が付着しており、食中毒や感染症を引き起こす可能性があります。

そのため、ささみに限らず人間の生食用として売られている馬肉以外の肉は、加熱処理して与えるようにしましょう。

その際油を引いて焼くと、せっかく低脂肪なのに意味がなくなりますので油は使いません。

また、油を引かずにフライパンで焼くと、中まで火が通る前に表面が焦げてしまってなかなか調理が難しいため、ささみは焼くよりも茹でることをおすすめします。

犬は、肉そのものの味や香りが大好物ですので、犬に与える場合には一切味付けは必要ありません。

特に塩分には十分に気を付けてください。

犬は人間と違い汗をほとんどかかないため、人間ほど塩分を必要としません。

1日に必要なナトリウム摂取量から換算すると、1日の塩分摂取量は、体重1㎏あたり0.127gです。

塩分は過剰でも不足しても体に悪影響が及びます。

手作りの食事を毎食与える場合は、塩分を加える必要がありますが、食事にささみをトッピングする、またはおやつとして与える場合は塩分を始めとした調味料は使用しないようにしましょう。

丸呑みしてもいい大きさにカットして与える

犬は歯の構造上、噛みちぎることは得意ですが、すり潰すことは苦手です。

そのため、ある程度の大きさであれば丸呑みしてしまうため、異物が食道や消化管に詰まってしまう事故が度々起こります。

異物が食道に詰まった場合は、よだれが大量に出る、嘔吐しようとするが何も出てこないなどの症状がみられます。

また気道を閉塞すると呼吸困難となり、大変危険な状態となります。

消化管に詰まった場合は、時間の経過とともに嘔吐や下痢といった症状がでてきます。

詰まってしまうと、動物病院にて処置してもらう他に方法がありません。

このため、ささみを与える場合は、丸呑みしてもいい大きさにカットしてから与えるようにしましょう。ペットフード1粒くらいの大きさにすると、心配なく与えることができます。

与えすぎに注意、栄養バランスが大切

ささみに限ったことではありませんが、どの食材においても与えすぎは決してよくありません。

栄養バランスが重要となります。

特に犬は、自分で栄養のことを考えるわけではないため、美味しいものがたくさんあれば、そればかりよく食べます。

肉は基本的に犬の大好物ですので、ペットフードにプラスしてささみを与える場合にささみの量が多いと、ささみだけを食べてペットフードを食べなくなるという事態になりかねません。

総合栄養食と記載されたフードであれば、それと水のみで、1日の栄養をバランスよく摂取できています。

そのため、トッピングやおやつとしてささみを与える場合は、与えすぎには十分に注意してください。

手作りのものを与える場合も、1種類の食材だけにせず、複数の食材をよく混ぜ込み、偏食しないようにさせてください。

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犬にささみを与える適量

適量

ささみが高タンパクで低脂肪、おまけに消化の良い食材であっても、いくらでも与えていいわけではありません。

ペットフード公正取引委員会の指針によると、「健康な犬の間食は、1日の給餌量(カロリー)の20%以内にするのが望ましい」とされています。

ささみは高タンパクで多量に与えると栄養バランスが崩れる可能性があるため、健康な犬におやつやトッピングとしてささみを与える場合は、1日の食事量の10%以内を目安として与えると良いでしょう。

何らかの病気の犬で食事療法が必要な場合には、食事はもちろん、おやつについても、獣医師に相談することが重要です。

食事療法は重要な治療の一つですので、犬の体を守るためにも自己判断はやめましょう。

小型犬

小型犬とは、ボストンテリア、シーズー、パグ、ミニチュアダックスフンド、柴犬といった体重10kg未満の犬を指します。

体重5~10kgの犬の食事量は、体重に合わせて300g~500gですので、ささみはその10%程度を与えることができます。

つまり30~50g、ささみ1本程度となります。

ちなみに、近年人気のあるチワワやトイプードルなどの体重が4kg未満の犬は、超小型犬と言われています。

超小型犬になると、ささみを半分や2/3本程度しか使用しないことになりますが、残りはまた翌日あげるなどせず、新鮮なものを与えるようにしてください。

中型犬

中型犬とは、ジャーマンピンシャー、ブルドッグ、ボーダーコリー、ビーグルといった体重10kg~25kgの犬を指します。

体重10~25kgの犬の食事量は、体重に合わせて500g~1000gですので、ささみはその10%程度を与えることができます。

つまり50~100g、ささみ1本半~2本程度となります。

体が大きくなると、少しくらい大きくても食べられるだろうと気を抜きがちですが、丸呑みして詰まってしまうと大変危険です。

よってささみを与える場合は、小さくして与えることを忘れないでください。

大型犬

大型犬とは、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、シベリアンハスキー、ダルメシアンといった体重25kg以上の犬を指します。

体重25kg~40kgの犬の食事量は、体重に合わせて1000g~1450gですので、ささみはその10%程度を与えることができます。

つまり100~145g、ささみ2本~2本半程度となります。

なお、子犬にもささみを与えることはできますが、消化管の未熟な子犬では、ささみを食べて消化不良を起こす可能性があります。

また、成長期の子犬にとって栄養バランスのとれた食事は、とても重要となります。

よって、成長期には栄養に偏りが生じないよう市販の子犬用の総合栄養食と記載のあるペットフードのみを与えることをおすすめします。

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犬の胆泥症の手作りささみレシピ例

胆泥症の犬でも食べられるささみを使った手作りレシピを紹介している動画がありましたので紹介します。

材料
ミニトマト:3個
しめじ:小さじ1
キャベツ:50g
ブロッコリー:30g
オクラ:3本
ささみ:100g
手羽元:4本
くず粉:小さじ1
りんご酢:小さじ1
桜エビ:少々

まず、消化しやすいようにしめじ、キャベツ、ブロッコリー、オクラ、ささみ、トマトを細かく刻みます。

次に鍋に水を250mL入れ、沸騰したら手羽元を入れて出汁を取ります。

さらにささみを入れ、3分ほど煮込みます。

続いて、刻んだ野菜を全て投入し、しっかり混ぜて5分ほど煮込みます。

火を弱め、とろみをつけて食べやすくするために少量の水で溶いたくず粉を入れてよく混ぜます。

出来上がったら、お皿に移し替えて冷ましましょう。

最後に手羽元をほぐし、骨を取り除いたら完成です。しっかり冷ましてから与えてください。

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まとめ:犬の胆泥症の食事

犬の胆泥症では、食事療法が重要となります。

低脂肪の療法食が売られており、市販の療法食であれば、他の栄養バランスについてもよく考慮された上で開発されているため、安心して食べさせることができます。

一方で手作りの場合は、低脂肪を基本と考え、タンパク質もある程度の制限が必要となります。

たまに手作りのものを与える分には構いませんが、手作りではやはり栄養が偏りがちになってしまいます。

そのため、獣医師と相談の上、基本的には市販の療法食を与えるのが良いでしょう。

また、栄養過多になりやすいため、胆泥症では基本的におやつを与えてはいけません。

もし与える場合は、野菜などの脂肪分の少ないものを少量与えるようにしてください。

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