犬に鹿肉を与えるデメリット
鹿肉は、高タンパクで低脂肪、更に様々な栄養素が豊富に含まれており、とても良質なタンパク源です。
栄養面でいうと、タンパク源の中でも素晴らしい食材でありますが、値段や犬との相性もよく考えなければなりません。
人間と同じで、犬にも好みがありますので、全ての犬が鹿肉を好むわけではないことを飼い主は理解しておきましょう。
鹿肉を使用したフードは、他のフードと比較して高めに価格が設定されているものが多いです。
せっかく高いものを買ったのに…と、無理に犬に食べさせようとすると、せっかくの食事が愛犬にとってストレスになってしまいますのでやめましょう。
無理に価格の高い鹿肉を食べさせる必要はありません。
飼い主と愛犬どちらにとっても負担のない食事の時間にしてください。
デメリット①値段が高い
牛肉や豚肉及び鶏肉と比較すると、鹿肉は値段が高いです。
ペットフードを製造するにあたって、人間の食品工場のような厳しい衛生基準は設けられていませんが、ジビエブームで鹿肉に注目が集まり、人間用の鹿肉をさばく工場でペット用として製造されているものは、特に値段が高くなっています。
鹿肉に限らずですが、近年、愛犬の健康を願ってペットフードの材料の品質や衛生管理について気にする飼い主さんが増えてきました。
人間と同じく、愛犬の体も毎日の食事が大いに影響しますので、食事に気を付けるようになったことはとても素晴らしいことです。
ただ、食事は毎日するものですので、好きなだけお金をかけられるわけではありません。
どうしても鹿肉を食べさせたい場合は、普段は品質のよくお手頃なフードを食べさせ、たまにご褒美などで、価格の高い鹿肉を使ったものを食べさせてあげるようにしてもよいでしょう。
デメリット②最初は軟便になることもある
鹿肉は、高タンパクな食材です。
タンパク質を過剰に摂取すると、浸透圧性下痢が生じることがあります。
タンパク質は、胃液や膵液、および小腸から分泌されるアミノ酸ペプチダーゼにより最終的にアミノ酸に分解され、小腸上皮から吸収されます。
しかし、タンパク質を一度に多く摂取すると、十分に分解・吸収されずに、大腸まで流れてきてしまいます。
本来、大腸では消化管内の水分が吸収されて適度な硬さの便が作られます。
しかし、分解・吸収しきらなかったタンパク質が消化管内にあると、浸透圧の関係で消化管内に水分を多く保持されるため、浸透圧性の下痢が生じるのです。
ワンちゃんは美味しいものは与えられただけ食べますし、更に欲しがります。
飼い主さんが適切な量を与えるよう気を付けてください。
デメリット③鹿肉を食べない場合がある
鹿肉は犬の好みに合っていると考えられているため、海外のペットフードでもタンパク源として鹿肉を使ったドッグフードはしばしばみられます。
しかし、やはり鹿肉を好まないワンちゃんも存在します。
また、鹿肉は低アレルゲン食材と言われますが、アレルギーを発症する場合もあります。
そのような場合は、無理に食べさせずに他のタンパク源に切り替えてあげましょう。
鹿肉のような高タンパクで低脂肪、更にDHAなどの不飽和脂肪酸や鉄分が豊富なものとして、馬肉があります。
鶏の胸肉も、高タンパクで低脂肪です。
魚はDHAなどの不飽和脂肪酸を多く含みます。
このように他のタンパク源にもメリットがありますし、総合栄養食と記載しているドッグフードであれば栄養バランスはきちんと設計されていますので、鹿肉に固執しなくても大丈夫です。
犬に鹿肉を与えるメリット・効果
鹿肉・赤身・生100gには、下の表に示すような栄養素が含まれています。
タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | ナトリウム | カリウム | カルシウム |
22.3g | 1.5g | 0.5g | 58mg | 350mg | 4mg |
マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 | マンガン |
26mg | 200mg | 3.1mg | 3.1mg | 0.1mg | 0.02mg |
ビタミンA | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン |
3μg | 0.5mg | 4μg | 0.21mg | 0.35mg | 8.0mg |
ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビタミンC | |
0.54mg | 0.6μg | 1μg | 0.81mg | 1mg |
牛肉や豚肉と比較して高タンパクで低脂肪、更に低カロリーであるため、代謝機能が落ちて必要カロリーが低くなった老犬のタンパク源として特に適しています。
また、鹿肉には、不飽和脂肪酸や鉄分、カリウム、ビタミンも豊富に含まれており、栄養たっぷりな食材です。
更に低アレルゲンであることから、アレルギーのある犬にとっても選択しやすいタンパク源です。
それぞれのメリットについて、これから詳しく見ていきましょう。
メリット①高タンパク
鹿肉は高タンパクな食材です。
100gあたりのタンパク質は、牛赤身肉で20.2g、豚赤身肉で20.9gですが、鹿赤身肉は22.3gと高めです。
そしてエネルギーは、鹿肉は牛肉の2分の1です。
1日あたりに必要なエネルギーは体重を基に計算されるのですが、単純にエネルギーとタンパク質の関係だけでみると、同じエネルギーを補給するためには、牛肉に比べ鹿肉は2倍多く摂取することになり、結果的に鹿肉をタンパク源とした方がタンパク質を多く摂取できることになります。
実際は、タンパク質も適正量がありますし、他の栄養のバランスも考慮することになるため、単純に2倍にはなりませんが、鹿肉をタンパク源に選択した方が多くタンパク質を摂取できることは確かです。
参考に、ここで1日に必要な栄養量の計算式を提示します。
『 1日に必要なカロリー[kcal]=安静時エネルギー必要量 ×活動係数』で求めることができます。
計算方法は、以下のとおりです。
安静時エネルギー必要量=70×体重の0.75乗
ちなみに計算機で計算する場合は、体重×体重×体重をした値に√を2回押し、更に70を掛けると、安静時エネルギー必要量が出てきます。
また、活動係数は以下と決められています。
犬の状態 | 活動係数 |
生後4ヶ月まで | 3 |
生後4ヶ月~成犬 | 2 |
成犬(避妊・去勢なし) | 1.8 |
成犬(避妊・去勢済) | 1.6 |
肥満気味の成犬 | 1.0~1.2 |
減量が必要な犬 | 1 |
シニア犬(避妊・去勢なし) | 1.4 |
シニア犬(避妊・去勢済) | 1.2 |
例えば、5kgの避妊済みの成犬の1日に必要なカロリーは、374kcalとなります。
メリット②低脂肪・低カロリー
牛肉、豚肉、馬肉、鹿肉、鶏ムネ肉100gあたりのタンパク質、脂質、およびエネルギーを下記の表に示します。
肉100gあたりのタンパク質、脂質、エネルギー
タンパク質[g] | 脂質[g] | エネルギー[kcal] | |
牛赤身生 | 20.2 | 12.2 | 201 |
豚赤身肉生 | 20.9 | 3.8 | 125 |
馬赤身生 | 20.1 | 2.5 | 110 |
鹿赤身生 | 22.3 | 1.5 | 110 |
鶏ムネ生皮なし | 23.3 | 1.9 | 116 |
この表からも分かるように、鹿肉は5種類の中で最も脂質量が低く、エネルギーは馬肉と並ぶ低さだということが分かります。
更に高タンパク質であることから、鹿肉は、高タンパク質で低脂肪、更に低カロリーな食材なのです。
このため、健康な犬用のドッグフードにはもちろん、腎臓や肝臓が悪くタンパク質を制限しなければならない犬のための療法食のタンパク源としても鹿肉は使用されています。
また、基礎代謝の落ちたシニア犬は、成犬と同じ量のエネルギーを摂取すると肥満になってしまうため、低カロリーな鹿肉は適しています。
メリット③不飽和脂肪酸が豊富
脂肪酸は、主に動物の脂に含まれる飽和脂肪酸と、魚の脂や植物に多く含まれる不飽和脂肪酸に分かれています。
鹿肉は動物に関わらず、不飽和脂肪酸が豊富に含まれているのです。
不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
多価不飽和脂肪酸は、更にオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸に分けられます。
オメガ3脂肪酸にはα-リノレン酸、EPA、DHAがあり、脳や目の健康、血管の健康に欠かせない栄養素です。
また、α-リノレン酸の一部は体内でEPAやDHAに変換されます。
一方でオメガ6脂肪酸にはリノール酸があり、血中のコレステロールを下げる働きがあります。
しかし、リノール酸は体内でアラキドン酸に変換されると、アラキドン酸は炎症反応を誘発し、発がん性や動脈硬化のリスクが高くなってしまいます。
オメガ3脂肪酸及びオメガ6脂肪酸は必須脂肪酸であり、体内で合成できないものなので、食物から摂取しなければなりません。
しかし、オメガ6脂肪酸については特に摂りすぎに注意しなければなりません。
メリット④鉄分が豊富
鹿肉には、牛肉や豚肉、鶏肉と比較して鉄分が豊富に含まれています。
鉄は体内で機能鉄と貯蔵鉄に分類されます。
機能鉄は赤血球中のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンというタンパク質の構成成分で、ヘモグロビンは、呼吸によって取り込んだ酸素と結合し、全身に酸素を運んでくれます。
一方、肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵された貯蔵鉄は、機能鉄が不足した際に使われます。
総合栄養食を与えていれば、鉄分が不足したり、または過剰に摂取することにはなりませんが、手作りフードを与えている場合は、注意が必要です。
鉄分が不足すると貧血になり、歩くときにふらつく、免疫力が低下する、疲れやすく息切れをする、被毛に艶がなくなるなどの影響があります。
また、鉄分を過剰に摂取してしまうと食欲低下や下痢を引き起こすことがあります。
メリット⑤カリウムが豊富
鹿肉は、鉄分の他にもカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは、体液のpHを保ち、神経や筋肉の活動及び酵素活動などに必須なミネラルです。
また老廃物の排出にも関わっており、血圧を下げてくれる効果があります。
AAFCOの基準では、フード中のカリウムは0.6%以上1%の範囲内と設定されています。
カリウムが欠乏すると、幼犬では健全な成長が阻害されます。
重症例では、食欲不振、嘔吐、便秘、筋肉の衰弱などの症状がみられます。
また、心臓では収縮能の低下、心拍出量の減少、不整脈などが生じます。
総合栄養食と記載されたドッグフードを与えていればカリウムが不足することはありませんが、食欲不振でフードを食べない場合や、利尿剤により必要以上にカリウムが排出された場合、また嘔吐や下痢が続く場合はカリウム欠乏を起こしやすいので気を付けましょう。
メリット⑥ビタミンB群が豊富
鹿肉には、ビタミンB2、ビタミンB6 、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸といったビタミンB群も豊富に含まれています。
これらは水溶性ビタミンで、尿中に排出されるため、毎日継続的に摂取する必要があります。
これらはエネルギーを作り出す過程のエネルギー代謝に重要な物質で、相互に働きあいます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ビタミンB2は、特に脂質の代謝を促したり、肌や爪、被毛の発育に関与します。
ビタミンB6は、特にタンパク質の分解やアミノ酸の再合成に関与し、爪や被毛、歯の健康も守ってくれます。
ビタミンB12は、核酸やアミノ酸の代謝に関与したり、葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けてくれます。
ナイアシンは、エネルギー産生に関わったり、ステロイドホルモンの合成、DNAの修復や合成、アルコール代謝など、様々な機能に関与しています。
パントテン酸は、免疫抗体を合成したり、薬物を解毒させる作用があります。
また、副腎皮質ホルモン合成にも関与し、抗ストレス作用をもたらしてくれます。
メリット⑦低アレルゲン
アレルギーを引き起こす物質としてタンパク質がよく挙げられますが、鹿肉は低アレルゲン食材です。
そのため、牛肉や豚肉、鶏肉でアレルギーがでた場合は、鹿肉をタンパク源として試してみるとよいでしょう。
ただし、すべての犬でアレルギーが起こらないとは限りません。
そのため、初めは少量を与えます。
そして、食後は犬の様子をじっくりと観察してください。
犬によっては、アレルギーでなくても、新しいフードに消化管が慣れておらず嘔吐や下痢をすることがあります。
アレルギーの場合は、消化器症状に加えて、顔が腫れたり皮膚の発赤や発疹、痒みなどの皮膚症状が現れることがあります。
アレルギーが疑われる場合は、そのフードは中止し、速やかに獣医師に相談してください。
鹿肉を与えるときの注意点
犬に鹿肉を与えるとき、決して生で与えてはいけません。
犬は生肉の方が喜ぶだろうと思うかもしれませんが、鹿肉には細菌、ウイルス、寄生虫などの様々な病原体が付着しており、犬への病原性が分かっていないものが多いです。
これらの病原体を死滅させるために、必ず加熱して与えるようにしてください。
また、腎臓病や肝臓病などの病気の犬には、鹿肉に限らず飼い主さんの独断で肉を与えてはいけません。
これらの病気の場合には、人間と同じく、病気に対して食事療法が重要になります。
更に、鹿肉はアレルギーになりにくい食材だと言われていますが、中にはアレルギーを発症する犬もいます。
鹿肉について、メリット・デメリットを十分に理解し、更に愛犬の状態をよく知った上で鹿肉を与えるか判断してください。
何か不安なことがある場合は、迷わず獣医師に相談しましょう。
注意点①生肉は寄生虫など感染の可能性があるため加熱して与える
生肉には、細菌やウイルス、寄生虫がいる可能性がありますので、基本的に加熱して与えなければなりません。
馬は馬刺しとして生で食べることもありますが、馬の筋肉にはサルコシスティス・フェアリーという寄生虫が住み着いている可能性があり、生肉専用として販売されている馬肉以外は、加熱して食べなければなりません。
また、鹿やイノシシ、豚では、E型肝炎というウイルスが肝臓にいる可能性があります。
E型肝炎ウイルスが人へ感染すると、肝炎を発症してしまうため、これらの肉は絶対に生で食べていけません。
犬がE型肝炎を発症した報告はこれまでありませんが、100%発症しないとは言い切れません。
また、鹿肉からは、食中毒細菌である腸内出血性大腸菌や、肝蛭や住肉胞子虫などの寄生虫が高率に検出されています。
これら病原体の感染を防ぐためには、肉を加熱して病原体を死滅させるしか方法はありません。
病原体を死滅させるために加熱時間及び温度はとても重要で、肉の中心温度が75℃で1分以上加熱された状態になるよう注意しましょう。
参考:
食品安全に関するリスクプロファイルシート(サルコシスティス・フェアリー)
日本獣医学会-犬もE型肝炎に感染するか
日本獣医学会-犬、猫に生の鹿・猪肉を与えてよいか
注意点②腎臓病の犬には避ける
腎臓病の犬は、タンパク質を制限しなければなりません。
タンパク質は、消化される過程でアンモニアを生成し、アンモニアは肝臓で尿素に変換されることで無毒化されます。
通常ならば尿素などの老廃物は腎臓でろ過され尿として体外に排出されるのですが、腎臓が悪い犬は、ろ過機能がうまく働かず体に老廃物が貯まり、尿毒症を発症してしまいます。
腎臓は障害されてもなかなか症状がでにくい臓器ですので、尿毒症を発症すると命の危険があります。
よって、腎臓病の犬には、鹿肉に限らずタンパク質を制限した食事を与えなければならないのです。
健康な犬が食べるドッグフードも与えてはいけませんし、おやつとしてジャーキーを与えるのもいけません。
腎臓病の犬には、専用の療法食がありますので、獣医師の支持に従い療法食を与えてください。
注意点③アレルギーの可能性はゼロではない
鹿肉は低アレルゲンの食材と言われていますが、全ての犬がアレルギーを起こさないわけではありません。
よって、アレルギーを引き起こす可能性を考慮して、初めて鹿肉を食べさせる場合は少量から始めます。
鹿肉に限らず、フードを変更する際は、新しいものは少量ずつ、これまでのフードと混ぜて与えます。
始めは1割を新しいフードに置き換え、よく混ぜて与え、1~2週間かけて少しずつ置き換える量を増やしていくとよいでしょう。
フードを新しくすると、アレルギーでなくても、消化管が変化に対応できず嘔吐や下痢を起こすことがあるため、食後の犬の様子はよく観察してください。
アレルギーの場合は、消化器症状だけでなく、顔が腫れる、顔や耳の内側、お腹や足を痒がるなどの皮膚症状も現れます。
アレルギーが疑われる場合は、速やかに獣医師に相談しましょう。
犬に与える鹿肉の種類
犬に鹿肉を与える場合として考えられるのは、
①手作りごはんで鹿肉そのものを与える
②鹿肉を使ったドッグフードを与える
③おやつとして鹿肉のジャーキーを与える
の3つです。
自分で鹿肉を使ったごはんを作る場合は、栄養バランスを考えてください。
ドッグフードであれば、総合栄養食と記載してあるものならばそれだけで栄養は十分ですので、手軽に鹿肉を与えることができます。
また、おやつは食事にプラスして与えるものですので、カロリーが過剰にならないように少量与えるようにしましょう。
種類①ドッグフード
鹿肉のドッグフードは、牛肉、豚肉、鶏肉など他のタンパク源よりも種類は少ないですが、海外産のものも国産のものもあります。
そして他のタンパク源のものと比較して、使用している素材はヒューマングレードで無添加など、品質にこだわりをもっている製品が多いのが特徴です。
その分価格も高いですが、安心、安全な製品となっています。
毎日価格の高いものを食べさせるのが難しい場合は、トッピングやおやつとして与えてもよいでしょう。
その場合は、栄養やエネルギー過剰にならないように気を付けます。
種類②ジャーキー
ジャーキーを選ぶポイントは、国産で無添加、低カロリーのものです。
2007~2014年にかけて、中国産のジャーキーによる死亡例がアメリカで相次ぎました。
原因はジャーキーの添加物と言われています。
鹿肉のジャーキーは、国産で無添加のものが多いですが、その他の肉のジャーキーは、食塩などで味付けしているものがしばしばあります。
国産、無添加のものは価格が高いですが、ワンちゃんの健康のためにも質の良いものを与えてあげてください。
種類③手作り
ドッグフードの多くはドライフードであり、製造工程で素材本来の味や香りがなくなってしまうこともしばしばあります。
そのため、本来の味や香りを楽しんでもらい、更に色々な形や硬さの食材を経験してもらうことも、ごはんを手作りするメリットです。
ただし、ごはんを手作りするのは、栄養バランスを考慮しなければならないためとても難しく、飼い主の負担も大きくなります。
そのため、毎日、毎食手作りするのではなく、飼い主自身も楽しめる程度に留めてあげて、普段は総合栄養食のドッグフードを与えていれば、栄養面でも心配はないでしょう。
また、ごはんを手作りする際は、ワンちゃんの健康のためにも味付けはしないようにしましょう。
鹿肉レシピ例①ハンバーグ
紹介するのは、「鹿肉ハンバーグ」です。
材料は、鹿肉:100g、好みの野菜:適量、オリーブオイル:少量です。
野菜には、ワンちゃんがアレルギーをもつものや、犬に中毒を起こす玉ねぎなどのネギ類は絶対に入れたらいけません。
作り方は、まず、鹿肉をミキサーなどでミンチ状にします。
次に野菜を小さく切ってレンジで加熱し、柔らかくします。
柔らかくなった野菜と鹿肉をまぜ、形を整え、オリーブオイルを引いたフライパンで、中まで十分に火が通るように焼けたら完成です。
ワンちゃんが丸飲みしないような大きさにしてあげることが重要です。
鹿肉レシピ例②鹿肉煮込み
次に紹介するのは、「鹿肉煮込み」です。
これは体重4kgの犬に対する分量です。
材料は、鹿肉:60g、大根・しいたけ・小松菜・昆布・いりこ:適量です。
まず、材料をすべて細かく切ります。
次に小松菜以外を鍋に入れ、適量の水を入れて煮込みます。
具材が柔らかくなったら、更に盛り付け、レンジで加熱して柔らかくした小松菜を混ぜ込めば完成です。
犬の歯は、すりつぶすよりも嚙みちぎるような構造のため、しいたけや昆布など、弾力のあるものは特に小さく刻んであげてください。
鹿肉を使ったドッグフードの例
鹿肉を使用したドッグフードはこれまでも海外製のものが流通していましたが、近年ジビエブームに伴い、鹿肉を使用したドッグフードが日本でも開発、販売されています。
高タンパク・低脂肪なため、健康な犬のフードにはもちろん、療法食にも使用されています。
また、最近開発されているものは、ヒューマングレードの素材を使用し、無添加で、人間の食品工場と同等の衛生基準を順守した工場で作るという品質にこだわりをもった商品が多いため、飼い主にとってはより安心・安全なドッグフードを選ぶことができるようになりました。
これから、鹿肉を使ったドッグフードを紹介していきます。
ファインペッツ
「ファインペッツ」の商品は、ヒューマングレードの原材料を使用し、化学合成された着色料や香料、酸化防止剤などの添加物を一切使用しないドライフードです。
遺伝子組み換え作物や中国産原料を使用しない徹底ぶりで安心して与えることができます。
更に消化吸収率は87%と高く、日本で流通しているペットフードの中でもワンランク上を誇ります。
このため、少量のフードで必要栄養量を満たすことができ、少食な犬にも合った製品です。
ファインペッツの製品で鹿肉を使用したものには、小型犬用の小粒タイプと中~大型犬用の大粒タイプの2種類があります。
タンパク源は鹿肉、鶏肉、鮭で、粗タンパクの割合は27.1%と高タンパクなフードです。
炭水化物としてオートミールを使用しています。
オートミールには食物繊維、カルシウムや鉄などのミネラルやビタミンが豊富に含まれています。
他に注目する材料としては、タイムやローズマリーが配合されています。
タイムはシソ科の植物で強い殺菌作用や抗ウイルス作用、防腐作用があるため、ドッグフードの劣化を防いでくれます。
ローズマリーは抗酸化作用があるため、ドッグフードの酸化を防ぐとともに体内でも抗酸化作用を発揮してくれ、健康に寄与してくれます。
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和漢みらいのドッグフード
「和漢みらいのドッグフード」は、東洋医学に基づき89種類の和漢植物を最適な比率で配合した国産・無添加のドッグフードです。
和漢植物には、食物繊維やファイトケミカルが多く含まれ、免疫力を上げてくれる効果があります。
ファイトケミカルとは、ポリフェノールなど、主に植物性食品に含まれる色素、香り、渋みなどの機能性成分のことで、人間だけでなく犬にも有用性が認められています。
また、低温・低圧製法により、素材の栄養やうま味を最大限に生かす工夫がされています。
和漢みらいのドッグフードでは、ドライフードとウェットフードどちらもあり、様々な病気に対応した療法食を取り揃えています。
使用されているタンパク源は、鹿肉及び魚です。
更にオメガ3脂肪酸を豊富に含むサチャインオイルを配合することで、血液がサラサラになり腸内環境も整えられ、体全体の免疫力を上げてくれます。
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このこのごはん
「このこのごはん」は、ヒューマングレードの素材を使用し、香料、保存料、着色料などの人工添加物を一切使用していない国産のドライフードです。
粒の大きさは7~8mmと小さめで、小型犬が食べやすい仕様になっています。
タンパク質分解酵素が豊富な青パパイヤが、タンパク源として使用されている鶏ささみ肉と鹿肉の消化・吸収を促進してくれることで、毛艶がよくなります。
他に、食物繊維やポリフェノールがたっぷり含まれるモリンガや、オメガ3脂肪酸が豊富なまぐろが含まれており、便通を良くすることで体内の老廃物を外に排出しやすくします。
また、善玉菌を増やす目的で、お米由来の乳酸菌も配合されています。
更に、タンパク質の他に鉄分や葉酸などのミネラル、ビタミンA1、B1、B2が豊富な鶏レバーが、皮膚の健康を守り、健康的な体作りを促進してくれます。
また、小麦グルテンフリーのため、小麦アレルギーの犬にも安心して食べさせることができます。
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