犬のダイエットフードの選び方
人間と同様で、犬にとっても肥満は万病の元です。
犬の体重が適正な範囲をオーバーしてしまうと、関節の痛みや糖尿病などの生活習慣病の症状が出たり、心臓や呼吸器の病気の悪化などが起こりやすくなったりします。
愛犬が肥満で健康を損ねることがないよう、ダイエットフードで体重をコントロールし、減量や肥満予防の対策に役立てましょう。
ダイエットフードといえば、まず頭に浮かぶのは「低カロリー・低脂肪」ですが、それだけでダイエットの効果が出るわけではありません。
大切なのは、愛犬に継続して与えることで太りにくい体質にする、良質のダイエットフードを選ぶことです。
そこで今回は、「犬が美味しく食べながら減量できる」ダイエットフードの選び方をご紹介していきます。
選び方①低カロリーの目安
ダイエットフードを選ぶ際、「まず低カロリーのものを」と考えがちですが、カロリーの低さだけでフードを選んでも、健康的に減量できるとは限りません。
犬にとって必要なカロリーは、骨格や、「パピー・成犬・シニア犬」といったライフステージによって異なります。
また、「大型犬・中型犬・小型犬」などの犬種や、運動量によっても、1日の食事量は大きく異なるものです。
一般的には、低カロリーのフードは与える量が多くなり、高カロリーのフードを与える量は少なくなります。
したがって、ダイエットフードのパッケージに記載されている体重とフードの量は目安として考え、食事量の多い犬には低カロリーのものを、小食の犬にはカロリーが低めのもの~普通程度のものを与えましょう。
100gあたりの低カロリーの目安は360kcal以下、普通のカロリーは360~380kcal、高カロリーは380kcalを超える数値です。
選び方②高タンパク低脂肪
犬のダイエットを成功させるためには、「高タンパク・低脂肪」で低カロリーの、動物性たんぱく質の摂取が有効です。
主原料に良質の動物性たんぱく質が使用されているフードは、筋肉を維持増進し、基礎代謝を上げて太りにくくすることができる上、ほかの栄養価や味の良さも期待できます。
とくに「鹿肉」や「馬肉」、「ささみ」は、動物性たんぱく質の中でも「高タンパク・低脂肪」で脂質が低くダイエットに適しています。
ダイエットフードは、主原料にこれらの良質な食材が使われている、表記成分の数値が25%以上の「高タンパク」のものがお勧めです。
また、ダイエットフードだからといって「脂肪」が一切不要というわけではありません。
「脂肪分」は、犬の毛のツヤや食いつきの良さなどに影響するため、脂肪分の低すぎるフードは選ばないようにしましょう。
選び方③低GIの炭水化物
炭水化物は犬のエネルギー源のためダイエット中でも必要な栄養素ですが、消費しきれなかった場合は肥満の原因になってしまいます。
そこでおすすめしたいのは、炭水化物に「低GI」の穀物を使用しているフードです。
「GI」とは、炭水化物が糖に変わるまでのスピードをあらわした数値のことで、「低GI」の炭水化物とは、血糖値が急激に上がらないように抑える効果があり太りにくいものを指します。
ダイエットフードの中にも、血糖値が急激に上昇する「高GI」の「米・トウモロコシ」などを使用しているものがありますので、「低GI」の「玄米・大麦・サツマイモ・ひよこ豆」などを使っているものを選びましょう。
また、「低GI」の原材料を使用しているものが比較的多い「グレインフリー」のドッグフードを選ぶのもよいでしょう。
選び方④繊維質が多い
食欲旺盛な犬は、目安量のダイエットフードだけでは満腹感を得られず、空腹を抱えたままの状態が続くこともあります。
そんな犬を満足させるためには、繊維量の多いフードを選びましょう。
ドッグフードに含まれている繊維質は、犬に満腹感を与え排泄を促す作用があるため、減量に役立ちます。
ただし、繊維であれば何でもよいというわけではなく、繊維の質にも注意が必要です。
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」がありますが、「水溶性」の食物繊維は胃の中で膨張するため犬が満腹感を感じることができます。
「水溶性」の食物繊維は果物や海藻類やごぼうなどに含まれていますので、これらの食物繊維を使用しているダイエットフードを選びましょう。
また、繊維質の量が多すぎると必要な栄養素まで排出されることもあるため、高繊維のフードは犬の状態を見ながら少しずつ与えるようにしてください。
選び方⑤L-カルニチン配合
「L-カルニチン」は、犬の減量に役立つといわれている成分ですので、ダイエットフードが「L-カルニチン配合」のものか確認してみましょう。
アミノ酸に分類される成分の「L-カルニチン」の主要な役割は、エネルギーを産生することです。
「L-カルニチン」は、エネルギーの産生が行われる細胞のミトコンドリア内に、原料の脂肪酸を運び、燃焼させるという働きをします。
「L-カルニチン」は犬の体内で合成され、骨格筋や心筋細胞内に多く存在しますが、加齢とともに合成量が減少していきます。
脂肪を燃焼させるには、適切なレベルの「L-カルニチン」が必要になりますので、「L-カルニチン配合」のダイエットフードを与えることにより犬のダイエット効果が期待できます。
選び方⑥良質な油
ダイエットフードを選ぶ際は、良質な油が配合されているかチェックしましょう。
低脂肪のフードは、オメガ3脂肪酸などの「不飽和脂肪酸」が不足しがちです。
「不飽和脂肪酸」とは、生魚や魚油や亜麻仁油などに多く含まれ、コレステロールの抑制などに効果があるといわれている、健康に良い油です。
「不飽和脂肪酸」はダイエットをサポートするほか、毛のツヤや皮膚の健康にも役立つため、フードの原材料にオメガ3脂肪酸などの数値が記載されているものがお勧めです。
対して、牛脂や豚脂やチキンオイルなどの動物性油脂は脂肪に変化しやすいため、避けた方がよいでしょう。
また、原材料に記載がない場合でも、動物性油脂などでフードがオイルコーティングされていることもありますので注意が必要です。
選び方⑦安全性が高いもの
犬のダイエットフードは、「減量に成功するまでの短期間だけだから」と、人工添加物や犬に体によくない原材料を使用しているものを与えてしまうことがあります。
しかし、たとえ短期間であったとしても、犬に危険性のある添加物などを摂取させるのはお勧めできません。
また、犬によってはダイエットの期間が長期に及ぶ可能性もあるため、安全性が高いフードを選びましょう。
安全性の高いドッグフードとは、人工の添加物を使用せず、「オーガニック」で「ヒューマングレード」の食材を使用し、主に国産の原材料を使用している製品のことです。
原材料に「○○副産物」や「○○ミール」などと表示されていることがありますが、これらの食材はヒューマングレードではない場合がありますので注意しましょう。
犬のダイエットフードおすすめランキング!低脂肪低カロリーで美味しいのはこれ!
犬のダイエットも人間と同様で、食べる量を一気に減らして急激に減量させるのはお勧めできません。
ダイエットフードを上手く活用し、犬にストレスを与えることなく、緩やかに体重を減らすことを目指しましょう。
犬にダイエットをさせる場合、減少させる体重は1週間に1~2%ずつ程度がよいといわれていますので、愛犬には美味しく食事を楽しみながらダイエットしてもらいましょう。
低脂肪・低カロリーのダイエットフードといっても、原材料に新鮮なヒューマングレードの食材を使用し、素材の味をそのまま味わえる製品なら、愛犬の食いつきの良さも期待できます。
次は、そんな、美味しくて低カロリー・低脂肪の、おすすめダイエットフードをご紹介していきます。
犬心 糖&脂コントロール
「犬心 糖&脂コントロール」は、犬の肥満によって起こる高血糖や高脂血症などの病気をサポートする、食事療法食です。
「犬心 糖&脂コントロール」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・低脂肪・低糖質・低カロリーで、犬の肥満にかかわる様々な病気のサポートに役立つ。
・ナチュラル品質の原料や、製法にこだわっている。
・主原料は「牛・鶏・馬・魚」などの生肉を使用している。
・炭水化物は、低GIと高GIの「玄米・大麦・サツマイモ・ジャガイモ・トウモロコシ」などを使用。
・油は、オメガ3とオメガ6を含むひまわり油を使用している。
・L-カルニチンを配合。
「犬心 糖&脂コントロール」は、とくに肥満にかかわる症状や悩みのある愛犬におすすめです。
→犬心公式サイトをみてみる
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関連記事:犬心の口コミ評判!糖&脂コントロールのドッグフード
和漢みらいのドッグフード特別療法食D
「和漢みらいのドッグフード特別療法食D」は、製薬会社が製造している特別療法食です。
「和漢みらいのドッグフード特別療法食D」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・キノコの種類の霊芝など数多くの薬膳食材を配合し、犬のダイエットをサポート。
・主原料に「鹿・魚」の生肉を使用している。
・炭水化物は、低GIの「玄米・大麦」を使用。
・180℃でも破壊されない、熱と酸化に強いオメガ3脂肪酸を含む、グリーンナッツオイルを配合。
・2種類の食物繊維「イヌリン・セルロース」を配合。
上記の特徴のほか、他に類を見ないほど高級健康食材が多く使われている「和漢みらいのドッグフード特別療法食D」は、フードのみで体全体のケアや健康を維持したい愛犬におすすめです。
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うまか(UMAKA)
「うまか(UMAKA)」は、九州の料亭が原材料にこだわって作ったドッグフードです。
「うまか(UMAKA)」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・主原料は、九州産の銘柄鶏の華味鶏を使用している。
・炭水化物は、低GIの「玄米・大麦」を使用。
・主原料の他の野菜や果物などもメインは国産で、ヒューマングレードのものを使用。
・ノンオイルコーティングで、人工添加物も使用していない。
・グルコサミンやコンドロイチンなど、足腰をサポートする成分を配合している。
「うまか(UMAKA)」は、人間でも美味しく食べられる良質の鶏肉を使用して製造されている「高タンパク・低脂肪」のフードのため、ダイエットが必要な愛犬におすすめです。
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関連記事:UMAKA(うまか)ドッグフードの口コミ!美味華の評判は悪い?
犬のダイエットフード通販売れ筋ランキング
近年では、ダイエットに特化したものだけでも、各メーカーから数多くのドッグフードが販売されています。
大切な愛犬の健康のために、多様で豊富な種類の商品の中からどのダイエットフードを選ぶべきなのか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
ダイエットフードの選び方には、使用している原材料や添加物などのほか、犬種やライフステージや安全性など、様々なポイントがあります。
間違ったフードを選ぶことで愛犬の健康に悪い影響を及ぼすことがないように、愛犬の飼育環境などにも合ったものを探してみましょう。
犬のダイエットフードを通販で購入すると、重いフードを持ち帰る必要がなく、定期購入なら買い忘れの心配もありません。
ここからは、「犬のダイエットフード・通販売れ筋ランキング」をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
ロイヤルカナン ミニ ライトウェイトケア
「ロイヤルカナン ミニ ライトウェイトケア」は、減量したい小型犬用のダイエットフードです。
この商品は、ロイヤルカナン社の標準的なフードと比較して脂肪が31%オフされ、高タンパク・低脂肪のため、小型犬の健康的な体重のコントロールをサポートします。
「ロイヤルカナン ミニ ライトウェイトケア」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・2種類の食物繊維(水溶性・不溶性)を配合しているため、低カロリーでも満腹感が持続しやすい。
・主なたんぱく質の原料に、肉類(鶏・七面鳥)を使用し、たんぱく質は28%以上。
・主な炭水化物は、大麦、米、トウモロコシなどを使用している。
・グルコサミン、コンドロイチンなど関節をサポートする成分が配合されている。
・100gあたり319kcal、と低カロリー。
関連記事:ロイヤルカナンの口コミ!ドッグフードの安全性を評価
アカナ ヘリテージ ライト&フィットレシピ
「アカナ ヘリテージ ライト&フィット」は、1歳以上のすべての犬種用のフードです。
この商品は、カナダの数々の受賞歴のあるペットフードメーカーで、最高品質で新鮮な食材を使用して製造されています。
「アカナ ヘリテージ ライト&フィット」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・主原料に新鮮な放し飼いの鶏肉を使用し、たんぱく質の数値が35%以上で高たんぱく。
・高GIの原材料は使用せず、丸ごとカボチャやスクワッシュなどの低GIフルーツと野菜を使用している。
・ダイエットフードの中では脂質の量は普通程度なので、シニア期ではない活発な犬のダイエットに向いている。
・L-カルニチンを配合。
・粒が大きめで食べ応えがあるが、小型犬には切ったり割ったりして与えた方がよい。
・100gあたり307kcal、と低カロリー。
ヒルズプリスクリプションダイエット i/d 体重管理用
「ヒルズプリスクリプションダイエットi/d」は、ヒルズ社が獣医師と協力して開発した特別療法食です。
「ヒルズプリスクリプションダイエットi/d」の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
・厳しい検査をクリアした原料だけを使用している。
・工場の衛生管理や製品の検査が徹底して行われている。
・優れた消化性と低脂肪
・合成保存料や酸化防止剤を使用していない。
・マイクロバイオーム(腸内細菌叢)を活性化させる繊維の配合で、腸内細菌のバランスを改善し便の質を良くする。
・オメガ3脂肪酸を配合。
・ミネラルを調整している。
・100gあたり335kcal、と低カロリー。
【犬のダイエットフード】適正体重をBCSで把握する
愛犬が肥満で健康を損ねることがないよう、適正体重をBCSで把握しましょう。
BCSとは、ボディ・コンディション・スコアの略で、犬の体型を知る目安としての評価方法です。
愛犬の体型を、肋骨と腰をポイントにしてチェックしてみましょう。
BCSでは、5段階で評価する場合は「BCS 3」が理想的な体形になります。
・BCS 1(痩せ) 肋骨や腰椎や骨盤がすぐに見え、触っても脂肪がわからず腹部が吊り上がって見える。
・BCS 2(やや痩せ) 肋骨にすぐに触れ、上から見ると腰のくびれがはっきりとわかる。
・BCS 3(理想的) 過剰な脂肪の感触なく肋骨に触れ、上から見ると肋骨の後ろに腰のくびれがある。
・BCS 4(やや肥満) 脂肪はやや多いが肋骨に触れ、上から見ると腰のくびれは、はっきりとは見られない。
・BCS 5(肥満) 厚い脂肪で肋骨に触れず、腰椎や尾根部も脂肪に覆われ、腰のくびれはなく、腹部は垂れ下がっている。
【犬のダイエットフード】食べ方を工夫してダイエット効果を高める
犬の肥満は、糖尿病などの生活習慣病や関節トラブルを引き起こすこともあるため、適正体重をキープする必要がありますが、極端な食事制限はおすすめできません。
人間と同様に、犬のダイエットも、ゆっくりと時間をかけて適切な方法で行いましょう。
愛犬にストレスを与えることなくダイエット効果を高めるには、良質のダイエットフードにプラスして、与え方や食べ方に工夫することも大切です。
「高たんぱく・低脂肪・低カロリー」のダイエットフードで1日のエネルギー摂取量を減らし、食事の回数を増やすことも一つの方法です。
そのほかにも、飼い主が愛犬のダイエット効果を高めるためにできる工夫は、次のようなものがありますので、ぜひ参考になさってください。
トッピングでかさ増し
犬に良質のダイエットフードを与えていれば栄養としての野菜は必要ありませんが、野菜のトッピングで食事にかさ増しすることで、愛犬が満腹感を得られます。
野菜を与える際は、下痢にならないように野菜の水分に注意しましょう。
犬が食べられる野菜は、次のようなものが挙げられます。
・キャベツ 食物繊維が豊富で胃腸に良い。
・人参 細かく刻めば生でも食べられる。
・トマト 生でも加熱しても食べられる。
ほかにも、犬に与えてもよい野菜は「白菜・キュウリ・大根・ブロッコリー・レタス」などたくさんあります。
ただし、「タマネギ・長ネギ・ニラ・ニンニク」など、ごく少量でも犬が中毒を発症する可能性のある危険な野菜は、絶対に与えないようにしてください。
早食い防止のフードボウルに変更する
犬にダイエットフードを与える際の食器を、早食い防止のフードボウルに変更しましょう。
犬は優れた嗅覚を持っていますが、味覚はあまり発達していないため、人間のように食べ物をよく噛んで味わって食べるということをしません。
また、野生の本能から、目の前にある食べ物をほかの動物に奪われないように丸飲みするのが、犬の基本的な食べ方です。
早食いは消化不良や肥満につながるため、ダイエット中の犬には早食い防止のフードボウルでゆっくり食事をしてもらいましょう。
早食い防止のフードボウルは、サイズや機能性など様々なタイプのものが市販されています。
早食い防止のフードボウルのタイプは、凹凸型やボール型や芝生型などがありますので、犬種やフードのサイズや犬との相性を考慮して選びましょう。