ココグルメは膵炎の犬に食べさせても大丈夫?
「ココグルメって膵炎の犬に食べさせても大丈夫なの?」
嘔吐を繰り返す愛犬を見ていると、本当に心配になりますよね。
なんとかしてあげたい、身体に良さそうな食べ物をあげて栄養をつけてあげたい。
ココグルメは獣医師監修の手作りフードですし、野菜もしっかり使っていて、イメージ的にも体に良さそうに見えます。
しかし残念ながら、ココグルメを膵炎の犬に与えるのは避けたほうが良いです。
ココグルメは総合栄養食であり、膵炎用の療法食ではありません。
健康な犬に与えるのであれば何ら問題ありませんが、膵炎の犬には専用の療法食を与えるのが正解です。
膵炎の食事は「低脂肪」が絶対条件
ではなぜココグルメは膵炎の犬にダメなのか?
理由は、膵炎の食事は「低脂肪」が絶対条件だからです。
膵炎は膵臓で生産される膵液が膵臓自身を消化してしまうことで起こる病気です。
手術や投薬でサッと治る類の病気であれば安心ですが、膵炎は根治療法がなく、いったん発症したら腰を据えて長く付き合っていかなければいけない病気です。
そこで食事療法が必須になってきます。
脂肪が多い食事を摂ると、膵臓はがんばって消化酵素「リパーゼ」をたくさん分泌します。
(肥満の犬が膵炎になりやすいのは、高脂肪の食事を続けたことで膵臓を酷使してきたことが大きな原因です)
具合が悪い膵臓をさらに鞭打って働かせると、膵炎が悪化してしまいます。
そこで脂肪を少なくすることで、膵臓があまりがんばらなくていいようにしてあげる必要があります。
膵炎は再発しやすい病気なので、いったん発症したら、治ったように見えてもずっと低脂肪食を与え続けるほうがベターです。
ココグルメと膵炎用療法食との違い
ここまで読んだ方の中には、
「ココグルメってそんなに脂質が多いの?」
と思う人もいるかもしれませんね。
ココグルメの脂質は3.6%以上。
ウェットフードの総合栄養食としてはふつうで、多くも少なくもありません。
しかし、膵炎の犬に与えるには、脂質の量は「ふつう」ではダメで、もっと少なくしてあげる必要があります。
たとえば膵炎用の療法食「ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪 ウェット 缶」の脂質は0.5%以上。
ココグルメの3.6%と比較すると、わずか1/7です。
膵炎の犬にココグルメを与えるということは、適量の7倍の脂質を食べさせていることになります。
健常な犬にとってはなんら問題ない「ふつう」程度の脂質量ですが、膵炎の犬にとってはどれだけ過剰であるかがわかりますね。
ココグルメに代わる膵炎の犬におすすめのドライフード
ここではココグルメに代わる膵炎の犬におすすめのドライフードを紹介します。
良かれと思ってあげた食事で、さらなる体調悪化をまねくのは絶対に避けたいもの。
専用の療法食を食べさせて、身体の負担を軽くしてあげましょう。
ロイヤルカナン 犬用 消化器サポート(低脂肪)ドライ
ロイヤルカナンは低脂肪療法食をウェット・ドライの2種類で販売していて、この商品はドライバージョンです。
通常のドライフードの脂質は12~15%が一般的ですが、この商品は5%と低く抑えられています。
米や小麦に加え、高消化性の加水分解タンパクを配合することでさらに消化に優しい構成になっています。
また、ビートパルプやサイリウムといった食物繊維やプレバイオティクスのフラクトオリゴ糖を配合することで、善玉菌に栄養を届けて腸の健康のサポートも期待できます。
膵炎のほか、肥満で併発しやすい高脂血症も同時にケアできます。
総じて膵臓や肝臓に負担をかけにくいドッグフードといえます。
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット i/dローファット ドライ
「ヒルズ プリスクリプション・ダイエット i/dローファット ドライ」は名前の通り低脂肪のラインナップです。
脂質の配合量は8.9%。
ヒルズは乾物量(水分を除いた量)で表しているため、水分が10%含まれると考えると、実際の脂質割合は8%程度です。
ロイヤルカナン低脂肪と比べると多いですが、通常のドライフードに比べて40%OFFです。
すぐれた消化性と、血中脂肪レベルに配慮した構成で、膵臓の負担を少なくできます。
ヒルズ独自の「アクティブバイオームテクノロジー」でマイクロバイオーム(腸内細菌叢)を元気にし、腸内の健康と健康なうんちをサポート。
ドッグフードとしては珍しいことにショウガが配合されています。
ショウガは胃の中の消化物を小腸に送り出す胃腸の働き促進機能のほか、ショウガオールやジンゲロールなどの成分が殺菌や免疫の維持も担ってくれます。
成犬以降なら年齢・犬種を問わず食べさせることができます。
犬心 糖&脂コントロール
「犬心 糖&脂コントロール」は膵炎をはじめ、併発しやすい7疾患(膵炎、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、胆泥症・胆嚢粘液嚢腫、糖脳病、メタボ・肥満)を同時にケアできる療法食です。
脂質だけでなく血糖値にも配慮しているため、肥満にかかわるこれらの病気を併発しているならうってつけのドッグフードといえるでしょう。
脂質は5~9%と低い水準に抑えられています。
逆に穀物やイモ類からとれる食物繊維は5~8%と豊富な配合量。乳酸菌もあわせて配合することで、理想的な腸内環境を作る手助けをしてくれます。
はなびらたけ由来のβグルカンとLPSという免疫サポート成分を配合した初のドッグフードでもあります。
→犬心公式サイトをみてみる
.jpg)

関連記事:犬心の口コミ
ココグルメに代わる膵炎の犬におすすめのウェットフード
膵炎はただでさえ食欲減退しやすい病気ではありますが、そんなときこそしっかり食べてエネルギー補給する必要があります。
ドライフードを食べてくれるのが家計的にも手間的にも負担は少ないですが、そうはいっても愛犬の健康に勝るものはありません。
そこで、ここでは食欲の落ちた犬でも食べやすいウェットフードを紹介します。
ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪 ウェット
先ほども紹介したロイヤルカナン消化器サポート(低脂肪) ウェット缶は膵炎の犬にとって優れた療法食です。
0.5%という低脂質に加え、高消化性の原材料で消化管に負担をかけないフードになっています。
さらにコーン・セルロース・ビートパルプを配合し、プレバイオティクスを含む豊富な食物繊維で腸のはたらきを促します。
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット i/dローファット缶 チキン&野菜シチュー
ドライフードのほうで同じヒルズのローファットを紹介しましたが、今回はウェットフード版です。
脂質は乾物量換算で8.7%。実際は約2%といったところですね。
同じヒルズのフードと比べて脂質40%OFFです。
「チキン&野菜シチュー」という商品名ですが、主原料は豚肉。
スクロースやビートパルプなど難消化性の食物繊維で健康なウンチに配慮。
オメガ3脂肪酸も豊富に配合していて
ミネラル量を調整することで尿路結石のリスクも下げられます。
ココグルメに代わる膵炎の犬におすすめの手作りレシピ
ココグルメに代わる膵炎の犬におすすめの手作りレシピを紹介します。
膵炎に限らず、療法食は健康なワンちゃん用の手作り食より難易度高め。自信がなければドッグフードを買うほうが無難です。
膵炎は低脂肪が条件なので、牛肉や豚肉、マグロのトロなど脂の多い肉・魚は避けます。
肉類でOKなものは、
・馬肉
・鹿肉
・鶏は胸肉またはささみ
といった低脂肪肉です。
これらを混ぜて、たんぱく源:炭水化物源:野菜=1:2:1程度になるように作ります。
タラなどの白身魚もいいですね。
生は避け、茹でてほぐしてから与えましょう。
他にもたんぱく源なら豆腐も有効です。
おやつをあげる場合もジャーキーなどの肉類は避けます。
また、同じ食事ばかりだと飽きて食べなくなるので、複数のレシピを作ってローテーションすると良いでしょう。
レシピ例①鶏ささみとキャベツご飯
1食あたりの材料:
・鶏ささみ10g
・白米20g
・キャベツ10g
(体重3kgを想定しています)
鶏ささみとキャベツは茹でます。茹でた汁はとっておきます。ゆであがったら鶏ささみをほぐします。
これを炊いた白米と混ぜて完成です。
味付けは基本的に不要ですが、食が進まない場合はささみのゆで汁やかつお出汁、ガラスープを使って香りを立たせると食いつきがよくなります。
レシピ例②タラとジャガイモご飯
1食あたりの材料:
・タラ10g
・ジャガイモ20g
・ブロッコリー10g
(体重3kgを想定しています)
すべて同じ鍋にいれて一緒に茹でます。ゆで汁はとっておきます。
ゆであがったらタラはほぐし、ジャガイモは潰し、ブロッコリーは刻みます。タラの骨が入らないように気を付けましょう。
全部まぜて完成です。食べないようなら先ほどのゆで汁を足してみましょう(常温まで冷ましてあげてください)。
このような要領で材料をそれぞれのジャンルで入れ替えていくと栄養バランスも偏りませんし、いくらでもバリエーションが作れます。
1食で完全に栄養バランスを満たす必要はなく、低脂肪という点にだけ注意して、複数回の食事でまんべんなく栄養を摂るという意識で臨みましょう。
関連記事:ココグルメ口コミ