ビションフリーゼは臭いが少ない犬種
まんまるでふわふわ・クルクルな頭の被毛が綿毛のようでとってもキュートなビジョンフリーゼ。
貴族に可愛がられていた愛玩犬という歴史を持つだけあって、見た目からも気品が感じられますよね。
そんなビションフリーゼは、本来は体臭が少ない犬種です。
そのため室内で飼っていても、体臭で困るようなことはほとんどありません。
ただし、
・垂れ耳犬種なので耳の定期ケアをする
・目の周りや口周りのしわやたるみに汚れがついたままにしない
・被毛で体が蒸れて皮膚炎が起きないようにする
など、飼い方のポイントを押さえておく必要はあります。
ビションフリーゼが臭いときの原因と対処法
ビションフリーゼは体臭が少ないとはお伝えしましたが、「でも、うちの子は臭うんです…」という方もいます。
しかし、それにはなんらかの原因があるはずです。
愛犬のどのパーツから体臭を感じているでしょう?
臭くなってしまう原因と、それぞれの詳しい対処法についてもご紹介しますので、参考にしてくださいね。
逆にいえば、これらの対処法をとっていないまま生活をしていたら、いずれあなたの愛犬も臭くなってしまう可能性があるということです。
ここで挙げる原因や対処法は、ビションフリーゼ以外の犬種にも活かせることもあるため、知っておいて損はありませんよ!
体臭の原因
なんらかのトラブル・病気が愛犬の身に起きていることで、体臭の原因になることがあります。
その代表的な体臭の原因は、以下のとおり。
トラブル要因・疾患 | 症状 |
脂漏症(しろうしょう) |
体の油分バランスが壊れて乾燥気味、あるいは脂性になる。
・フケが出やすい ・被毛がベタベタする などの症状があり、ダブルコートで毛量の多い犬種がなりやすい。 |
外耳炎 |
耳の通気性が悪くなり雑菌が繁殖してしまう。
・耳を何度も掻く ・耳から異臭がする などの症状があり、垂れ耳の犬種がなりやすい。 |
涙やけ |
目に付着した汚れから雑菌が繁殖してしまう。
・涙や目やにが出る ・目を掻こうとする などの症状があり、短頭種がなりやすい傾向があるが、アレルギーの可能性も高い。 |
皮膚炎 |
皮膚に炎症が起きて痒みが起こる。
・しきりに体を掻く ・皮膚に湿疹や赤身が出る などの症状があり、短頭種や遺伝的にアレルギーが出やすい犬種がなりやすい。 |
これらは遺伝性・先天性の原因でもない限り、飼い主さんのケア次第で改善できるものもあります。
ではさっそく、具体的な対処法についてご紹介しますね!
対処法①ブラッシングで被毛ケア
ビションフリーゼはふわふわモフモフな毛が特徴な犬種ですから、ブラッシングが必要な犬種です。
ビションフリーゼのブラッシングを怠ると、
・高温多湿な環境で細菌が増えやすくなる
・散歩で付着したノミダニから皮膚の炎症を起こす
など、臭いのみならず、愛犬の健康をも揺るがすトラブルに発展してしまうことがあります。
また、ブラッシングで血行を促すことで皮膚の健康維持の効果も期待できるため、1日1,2回のブラッシングをするようにしてあげましょう。
ただし、強くブラッシングしてしまうと、被毛や皮膚を傷つける可能性があるので、注意してください。
対処法②定期的にシャンプーする
シャンプーは月に1回程度の頻度で、定期的に行うようにしましょう。
よかれと思ってショートスパンでシャンプーをするのは禁物です。
必要な油分や保湿性までも奪うことになり、皮膚はもちろん、被毛も乾燥させてしまう可能性があります。
「うちの子は丈夫だから大丈夫」という方もいますが、あまりおすすめできません。
皮膚が乾燥すると、湿疹ができたり、一層体臭がきつくなってしまったりする原因になってしまいます。
また、ビションフリーゼは被毛が多いので、シャンプー後にはドライヤーでしっかり乾かすようにしましょう。
湿ったままにしてしまうと、雑菌が増殖して、匂いの原因になってしまいます。
対処法③顔を拭く
被毛が多く、マズルが短めという特徴を持つビションフリーゼ。
この特徴ゆえに、マズル(目の周りや口周り)に汚れがついてしまったり、よだれや目やにが毛についたりしてしまうことがあります。
顔はシャンプーしにくい場所でもありますから、
・湿らせたティッシュ
・湿らせたコットン
・濡れティッシュ
などで、定期的に拭いてあげるようにしましょう。
ただし、目などデリケートな部分ですので、汚れが取れないからと力を入れてしまわないよう、優しく拭くようにしてください。
また、口周りを犬が舐めてしまいそうと心配な場合は、犬専用の舐めても問題ない成分のウエットティッシュなども販売されているので、ひとつ持っておくと便利ですよ。
対処法④トリミングで短めにカットする
毛が長い犬種は、毛の厚みで通気性が悪くなり、体臭がこもってしまうことがあるのですが、ビションフリーゼの被毛は量も多く、長さも10センチほどある犬種です。
つまり、体臭がこもりやすい傾向があります。
せっかくのモフモフの毛なのに…と思うかもしれませんが、からまって毛玉ができたり、体臭に悩んだりするよりも、トリミングで短くカットするのもひとつの手。
サマーカットにして体の毛をスッキリさせたり、モヒカンにして顔周りの毛を短くしたりするのがおすすめです。
モヒカンの場合は顔の丸みは残しつつも、モヒカンになるように幾分、顔周りの毛量を減らすカットですので、マズル周辺もお手入れもしやすくなりますよ!
耳の匂いの原因は雑菌の繁殖
みなさんのビションフリーゼのイメージって、頭がモフモフなたんぽぽの綿毛のような状態・アフロのような状態の印象が強いのではないでしょうか?
そのため意外に知らない人も多いのですが、ビションフリーゼは垂れ耳の犬種です。
垂れ耳の犬種は、その耳の構造から外耳炎になりやすい傾向があります。
耳をふさいでいる状態なので、耳の内部が湿って雑菌が繫殖しやすい環境になってしまうためです。
外耳炎で犬自身が痒そうにしているのも心配ですが、それ以外の症状として悪臭を放つようになることもあるため、耳の匂いが気になる場合は外耳炎を疑ってみてください。
・耳の内側が赤くなっていないか
・頭を左右に振ったり掻いたりして、耳が痒い素振りをしていないか
などを確認してみましょう。
該当するようであれば、外耳炎になっている可能性が高いといえます。
対処法:定期的な耳掃除
耳の匂いを抑えるため・清潔に保つためには、定期的な耳の内部のチェックと耳掃除が必要です。
綿棒で優しく耳の内側を掃除する、軽く湿らせたコットンなどで優しく拭き取るなどでも構いません。
また、犬用の弱酸性のウエットティッシュ・耳の洗浄液などの耳掃除グッズも販売されているので、衛生面が心配な方は専用グッズを使用するのもおすすめです。
どの方法で耳掃除をするにしても、
・耳の奥の方まではする必要はない
・耳掃除は月1,2回程度(チェックは週1程度)
などに、注意してくださいね。
口臭の原因は食べ物または歯周病が多い
愛犬の口周りから匂いがする、あるいは犬の息や口臭が気になるという場合は、食べ物や歯周病・歯石などが原因になっている可能性があります。
たとえば、ウエットフードを食べている子の場合は、
・湿ったフードが歯や歯茎の隙間にくっついてしまう
・フードがマズル周りに付着してしまう
などの原因から、ドライフードを食べている子よりも口臭がしやすい傾向があるのです。
人間だけではなく、犬にとっても歯は大事なパーツ!
愛犬の口元の健康という意味でも、歯のケアはしっかりしてあげるようにしましょう。
対処法①歯磨き
最低でも3日に1度の頻度で、歯磨きをしてあげるようにしてください。
可能であれば、1日1回できるのが理想的です。
犬用の歯ブラシ、デンタルフロス(シート)なども販売されています。
耳のケアと同様に、力を入れ過ぎてしまわないように注意しましょう。
また、本来はパピーの頃のしつけのひとつとして、マズルを含め、どこを触っても嫌がらないようにしておくのがベストです。
しかし、どうしても口元・マズルを触られることを嫌がる子もいて、飼い主さんの思うようにデンタルケアができないという場合もあります。
その場合には、おやつ感覚で与えられるデンタルケアのガムや、噛むことで歯石を取る効果が期待できるおもちゃなども販売されているので、試してみてくださいね。
対処法②動物病院で歯周病の治療・歯石除去
愛犬がすでに歯周病になっている場合には、動物病院に連れて行って治療をしてもらう必要があります。
・歯茎が赤く炎症を起こしている
・歯茎が腫れ上がっている
・歯ぐきから出血がある
・よだれの量が増える
・口臭がひどい
・歯石がたまっている
飼い主さんの日々のチェックで、変化に気づいてあげられるように心掛けましょう。
歯石が溜まると、歯周病の菌を増殖させてしまうため、治療は歯石の除去からスタートするのが一般的です。
また、歯周病予防として動物病院やトリミングサロンなどで、定期的に歯石除去をやってもらうようにしておくのもいいですね。
便臭の原因
犬の食べ物や、腸内環境で便臭が気になる場合があります。
便の状態・匂いの変化に気づくことも、飼い主さんにとっては大切なことなので、
・急に軟便になった
・便臭が普段よりきつくなった
など、便の形状・匂いについても確認するようにしておきましょう。
便も愛犬の健康のバロメーターですからね。
食べているフードで便臭が変わるのはわかりやすいのですが、腸内環境が乱れる原因には食べ物以外の要因もあります。
それはストレス。
たとえば、
・最近、長時間の留守番が増えがち
・運動不足や散歩不足になっている
・気候の変化による体への負担
・慣れない環境にいた
なども、犬にとっては十分過ぎるストレス因子といえます。
愛犬の体にストレスを与えないライフスタイルや食事を意識してあげましょう。
対処法①フードを変える
一番手っ取り早く、便臭を改善するためにできる対処法は、与えるドッグフードを変えることです。
ただし、突然ドッグフードを切り替えるのではなく、変更前のフードと新しく与えるフードを混ぜながら、徐々に新しい方のドッグフードに切り替えるようにしましょう。
繊細な子は急にドッグフードが切り替わると、食べなくなってしまうことがあるので、注意が必要です。
また、添加物が多いドッグフードや、粗悪な原材料を使用しているドッグフードの場合、便臭がきつくなることがあります。
ドッグフードは高ければいいというわけでもありませんが、安価で粗悪なドッグフードは避けるようにしましょう。
対処法②ペットシーツが汚れたらすぐ替える
ペットシーツは汚れたらすぐに、新しいものに取り替えるようにしてください。
取り替えずにそのままにしておくと、匂いがこびりついてしまうことがあります。
また、匂いの問題のみならず、糞尿のついたペットシーツを放置していると、雑菌が繫殖してしまう危険もあるため、衛生面の意味でも大事なこと。
消臭効果のあるペットシーツも販売されているので、そういったものを使用するのもありです。
ただし、消臭効果があるとはいえ、なるべくこまめに取り替えてくださいね。
トイレトレーを使用している場合は、トレーも定期的に掃除するようにしましょう。
対処法③脱臭機やペット用消臭剤で消臭
部屋にペット臭がこもるのが嫌な方は、ペット用のダッシュ機や消臭剤を使用するのもひとつの手段です。
ただし、ペット用の脱臭剤は、
・香りが強すぎないものを選ぶ
この2点には注意しましょう。
消臭剤にはさまざまな成分が入っており、消臭効果・除菌力が強いほど、強い化学成分が配合されていることがあります。
また、犬は香りに非常に敏感ですので、苦痛に感じてしまうこともあるため、人間にとっては心地いい香りだったとしても、香りがきついものは避けた方がいいでしょう。
脱臭機やペット用消臭剤の他にも、犬用の消臭・除菌シートもあります。
粗相をした後などのみならず、おもちゃなども定期的に掃除しましょう。
案外、おもちゃなども匂いの原因になりますからね。
肛門臭の原因は肛門腺
愛犬のボディー部分・顔の部分ではなく、お尻がとってもくさくなることがあります。
それは肛門腺に溜まった分泌物の仕業です。
ただ、肛門腺に関しては、排便時に自然と一緒に出る子もいるので、「うちの子はお尻そんなに臭くなったことはないかな」という飼い主さんもいます。
個体差があるため、お尻付近が必ず臭うということではありません。
肛門腺に分泌物が溜まっている場合には、
・お尻を床にこすりつけて歩く
・お尻からかなりきつい匂いがする
・お尻を気にしている素振りを繰り返す
などがありますので、そういったサインが見られたときには肛門腺絞りが必要になります。
参考:つだ動物病院-肛門腺絞り
対処法:肛門腺絞り
肛門腺絞りとは、肛門腺に溜まってしまった分泌物を人の手で絞り出してあげる作業のことです。
やり方としては
1.しっぽを持ち上げ、肛門にティッシュをあてる
2.肛門の斜め下、時計の4時と8時の位置を軽く押さる
3.肛門に向かって溜まった分泌物を押し出す
という手順でおこないます。
ただし、これも不慣れな方は上手にできないこともありますし、力を入れ過ぎると肛門腺を傷つけてしまうことがあるため、注意が必要です。
うまくできない場合は、動物病院やトリミングサロンでも対応してくれるので、やってもらうようにお願いしてください。
ビションフリーゼの子犬の値段相場
ビションフリーゼの子犬の値段は、おおよそ18万円から30万円程度が相場です。
しかし、値段に関しては、ペットショップで買って迎え入れる場合、ブリーダーから買って迎え入れる場合でも違ってきますし、血統にチャンピオン犬がいる、コンテストで賞をとったことがある犬の子どもなどになってくると、40万円、50万円なんて子もいます。
ペットショップなどでは、セールで割引になることもありますし、月齢が増えると値段が下がることもありますので、うまくいけば15万円以下で購入できることもあるでしょう。
ただ、犬を迎え入れるタイミングって、運命の出会いみたいなもので、値段に関係なく、「あ!この子!」という惹かれるものがあれば、その子に呼ばれた証ですよ!
ビションフリーゼを譲ってもらうことはできる?
なんらかの理由から、子犬であっても里親募集がかかることもあるため、購入するのではなく、できれば里親で…という方は、里親募集サイトなどで探すのもいいですね。
また、成犬でも、譲渡会や里親募集などに出ているケースもあります。
ブリーダー崩壊や、繁殖犬の引退、元の飼い主さんのやむを得ない事情などで募集されるケースもありますが、前の飼い主さんの飼育放棄や虐待、またはその犬そのものが病気を抱えている、シニア犬などの事情から里親募集が出ていることも…。
そういった場合は、飼ってから非常に怯えていたり、通院に費用がかかったりして、一般的な犬の受け入れよりも覚悟が必要なケースが多いもの。
里親になるには、厳しい条件もありますので、慎重に考えてあげましょう。
ビションフリーゼの特徴
ここからは、ビションフリーゼの特徴についてご紹介していきます。
ビションフリーゼって、そこまで珍しい犬種ではないとはいえ、かといって、たくさんいる犬種というわけでもありません。
ですから、実際に見たことはあっても、飼っている人が身近にいるという人って少ないのではないでしょうか。
そんな方のためにも、
・性格はどんな犬種?
・飼うとなると気をつけないといけないことは?
・どのくらいのサイズになるの?
・散歩や運動量はどのくらい必要?
など、一緒に生活していく上で、ビションフリーゼについて知っておくべきこと、知っておいた方がいいことはたくさんありますので、しっかり知識をつけておきましょう!
性格
見た目からかわいさが溢れるビションフリーゼですが、性格もかわいいんですよ!
・陽気で明るく元気
・人間とのコミュニケーションが大好き
・従順
・無駄吠えはあまりしいない
・フレンドリー
・素直
と、挙げればきりがないほどいいところがたくさんあります。
さすが、愛玩犬!
しかし、嬉しいことばかりではなく、甘えん坊ゆえに
・甘えさせ過ぎてわがままに育ってしまいがち
・ひとりの時間が苦手(ストレスを抱えやすい)
など、気を付けなければならない点もありますので、注意が必要です。
甘えられたら、飼い主さんとしてはかわいくてたまらないでしょうが、思うようにさせてばかりにならないようにしましょう。
また、共働き・家族が家を空けることが多いなどの家庭では、甘やかしすぎたてしまうと、ひとりの時間に耐えかねて、分離不安にもなる可能性も否めません。
子犬の頃から、程よく離れることを覚えさせておくようにするといいですね。
成犬の大きさ・体重
ビションフリーゼは愛玩犬ということもあり、小型犬に該当します。
毛がモフモフしてるので、そこそこのサイズに見えてしまうビションフリーゼですが、小さい子の場合は3キロ、大きい子でも6キロほどしかありません。
体高も、30センチを越える子はほとんどいませんし、平均としてもオスで25センチから30センチ、メスの場合は23センチから28センチ程度です。
ただ、あくまでこれらは平均値ですし、個体差もありますので、お伝えしているサイズから若干の前後することもあります。
しかし、体重に関しては瘦せすぎもよくありませんし、言うまでもなく太りすぎもよくないので、飼う場合には注意してあげてくださいね。
平均寿命は12~15歳
ビションフリーゼの平均寿命は12歳から15歳と、一般的な小型犬の寿命と同等レベルです。
ミックス犬の方が体が丈夫で純血種よりも長生きするなんて言われますが、実はビションフリーゼはミックス犬よりも長生きしやすい犬種と言われることがあります。
無論、個体差はあるので一概にはいえませんが、先天的なトラブルもなく、万が一不調があったときにも早期対応を心掛け、健康的な食事・運動管理ができていれば、十分に長生きできる要素がある犬種です。
飼い主さんができる、愛犬の健康管理はしっかりしてあげるようにしましょう。
かかりやすい病気
どんな犬種を飼う場合であったとしても気をつけておかなければならないこと、それはかかりやすい病気です。
犬種の特徴や性質から、かかりやすい病気があります。
鼻ぺちゃ犬だと呼吸器系が弱い、大型犬だと胃捻転になりやすいなどがありますが、ビションフリーゼの場合はどういった病気のリスクがあるのでしょう。
愛犬の健康を守るためにも、どういった病気になりやすく、どういったことに気をつけておいた方がいいのかは、知っておいて損はありません!
非常に大切な知識ですので、しっかり覚えておいてくださいね。
皮膚炎
ビションフリーゼの被毛はダブルコートです。
他のダブルコートの犬種よりも比較的抜け毛が少ないという特徴があります。
しかし、抜け毛が少ないとはいえ、もともと毛量が多い上に、カールしている毛質、かつ、体毛が密集していることもあり、抜けた毛がアンダーコートにからまって毛玉になってしまったり、ムレてしまったりしやすいのが難点。
こうなると、心配なのが皮膚炎です。
夏には特に、暑さが体毛にこもってしまい、急性湿潤性湿疹(ホットスポット)になるリスクがグンと上がります。
犬の皮膚炎の原因はアレルギーなども考えられるのですが、ビションフリーゼの場合は、夏の暑さから急性湿潤性湿疹になっているケースが大半。
カットやブラッシングで通気性がよくなるようにしてあげるよう、心掛けましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼(パテラ)とは、小型犬に多くみられる病気です。
膝蓋骨(しつがいこつ)とは、大腿骨(太もも)に繋がっている骨で、膝を支えるお皿の部分にある骨のこと。
それが脱臼してしまう、つまり、正しい位置から外れてしまう状態のことをいいます。
症状としては、
・スキップしているような歩き方をする
・後ろ足を地につけるのを嫌がる
・腰を下げて不自然な歩き方をする
などがあるので、歩き方がおかしいなと感じたら、膝蓋骨脱臼を疑ってみてください。
また、脱臼した際にキャンと鳴くこともあるので、チェックポイントとして覚えておきましょう。
先天的に、膝蓋骨の溝があまりなくて、もともと外れやすい子もいます。
しかし注意すべきは後天的な原因です。
・大きな衝撃を受けた(事故や階段から落ちた、ぶつけたなど)
・滑りやすいフローリングで生活していて関節の負担が大きい
などの理由から、関節に損傷が起きてしまうこともあります。
飼い主さんは愛犬のケガへの注意、フローリングには敷物を敷くなどして、対応してあげるようにしましょう。
外耳炎
先ほど軽く触れましたが、ビションフリーゼは垂れ耳の犬種。
垂れ耳の犬種は避けられない宿命でもあるのですが、外耳炎になりやすい傾向があります。
というのも、ただでさえ耳の上にかぶさるようになっている形状だから。
耳の中が蒸れて菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
特に、ビションフリーゼの場合、カット次第では耳を覆うようなカットになる上に、とにかく毛量が多いこともあり、一層注意が必要です。
耳のケアや、トリミングサロンなどでのカットで耳に気を配るもよし、定期的に耳の内部のチェックをしたり、痒そうにしている素振りがないかを確認したり、愛犬の変化に気づいてあげられるようにしましょう。
白内障
ビションフリーゼは、白内障にも注意が必要です。
白内障とは、黒目が白く濁って見える症状があり、悪化してしまうと目が見えなくなってしまう危険があります。
初期段階で、変化に気づけると手術や点眼薬で対処も可能ですが、一般的には初期段階で見つけるのは難しい病気とされているため、心配な方は、動物病院で定期的にチェックをしてもらうのもいいですね。
飼い主さんができる白内障対策としては、
・目にケガをしてしまわないように注意する
・紫外線が強い時間帯に散歩をさせない
・ビタミン摂取できるようにサプリメントを使用する
・糖尿病にならないようにする、肥満にならないようにする
などが挙げられます。
糖尿病は白内障の誘発要因でもありますので、食事や運動にも注意してあげましょう。
ただし、先天性な原因や老化といった避けられない要因から、白内障を発症することもあります。
流涙症(涙やけ)
他の犬に比べて、マズルが短めなビションフリーゼ。
マズルが短いと起こる可能性が高いトラブルは、流涙症(いわゆる涙やけ)です。
・鼻と目をつなぐ管が狭くなっていて詰まりやすい
・涙の量の調節がうまくできない
・その毛量ゆえに目にゴミや毛が入りやすい
・出た涙が毛についたまま雑菌が増えてしまっている
など、さまざまな原因があります。
しかも、ビションフリーゼは真っ白な毛色ですから、涙やけしてしまうと大変目立つんですよね。
目のチェック、ゴミやほこりが入っていないかもしっかり確認してあげましょう。
ただし、涙やけは、食べているフードの材料に対するアレルギー反応として起こることもあります。
もし、フードを切り替えてから目の周りにトラブルが起きているようであれば、フードを切り替えてみてもいいですね。
ビションフリーゼの飼い方
ビションフリーゼを飼うとなったら、どういった飼い方をしてあげればいいのでしょう。
性格を知る限りでは、明るく温厚でフレンドリーですし、サイズも小型なので飼いやすそうなのですが、気を付けておかないといけないポイントもあります。
さらに、ビションフリーゼは小型犬の中では、筋肉質な犬種です。
しかし、パテラにもなりやすい犬種ですから、どのくらい散歩や運動をさせるべきなのかなども、知りたいところ!
基本的なしつけから、運動量、ケアの頻度などについても、詳しく確認してみましょう。
必要なしつけ
賢い犬種でもあるビションフリーゼは、しつけしやすい犬種です。
子犬のうちにしっかり社会化をさせて、さまざまな環境に慣れさせてあげるようにしましょう。
おすわりや、まて、ふせなど基本的なしつけはマスト、人と遊ぶのが好きということもあるので、噛み癖はなくすようにしてください。
いくら小型犬とはいえ、幼い子供などを噛んでしまうと、ケガをさせてしまう危険はありますからね。
また、さほど吠える犬種ではありませんが、先ほど少し触れたようにビションフリーゼは甘えん坊なところがある犬種。
そのため、自分の思い通りにならないことがあったら、吠えることでアピールします。
耐えかねた飼い主さんが、そのまま甘やかしてしまうと、「吠えたら願いが叶う!」と覚えてしまうのです。
結果、無駄吠え・吠え癖がついてしまう可能性はあります。
なお、甘えん坊だからこそ、留守番トレーニングもしっかりさせておきましょう。
いつも人がいないと分離不安になってしまい、
・トイレトレーニングで完璧にできていた子が、失敗する
・部屋を荒らす、ものを壊す
・ひたすら飼い主さんについて回る
などの問題行動を起こしてしまう原因になります。
散歩の時間と頻度
先ほどお伝えしたように、ビションフリーゼはパテラになりやすい犬種ですから、運動のし過ぎは避けるようにする必要があります。
1日あたり10~30分程度、1~2回に分けておこなう程度で構いません。
ただし、運動量は個体差があるため、もっと歩きたがる子もいます。
愛犬の様子をみて飼い主さんが判断してあげるようにしましょう。
「かわいい愛犬をたくさん遊ばせてあげたい!」とドッグランなどに連れて行く場合にも、
・走り過ぎ
・他のワンちゃんとぶつかる、派手に遊ぶ
・はしゃぎすぎて壁やフェンスにぶつかる
などのトラブルから、パテラを引き起こしてしまう危険があるため、しっかり見守って、適度に遊びから切り上げさせるように気を付けてくださいね。
ブラッシングで毛並みのお手入れ
ビションフリーゼはダブルコートの犬種です。
しかも、ダブルコートの犬種の中でもアンダーコートもオーバーコートもどちらも、柔らかめな毛質。
だからこそ、ふわふわで触り心地のいい毛並みをしてるわけですね!
ただし、柔らかめの毛質ということは、毛玉もできやすく、ブラッシングを怠ってしまうと、ビションフリーゼならではのふわふわは維持できません。
皮膚炎などについても触れていますが、ビションフリーゼはとにかく被毛に関しては、注意してあげる必要がある犬種です。
毛並みの維持(毛玉防止)や被毛内の通気性という意味でも1日1回はご自宅でブラッシングをしてあげるようにしましょう。
トリミングは必須。目安は月1回
とにかく毛量が多いビションフリーゼは言うまでもなく、トリミングが必須な犬種です。
月に1回程度の頻度で、トリミングをしてあげるようにしましょう。
セルフカットでもかまいませんが、可能であればシャンプーとセットで、トリミングサロンに通うようにしておくと一度で済むので、犬への負担も少なく済ませられますよ。
トリミングサロンに愛犬のトリミングをお願いする醍醐味は、なんといってもカット方法の豊富さ!
・テディベアカット
・パウダーパフカット
・ロングブーツカット
・マッシュルームカット
など、さまざまなアレンジカットが楽しめます。
次はどんなカットにしてもうらおうか、お迎えに行ったらどんな風に愛犬がなっているか、飼い主さんの楽しみも増えるのでおすすめです。
抜け毛は少ない
ダブルコートと聞くと、みなさん、
・抜け毛の掃除が大変
・洋服に犬の毛がたくさんつきそう…
などのあまりよくないイメージがあるのではないでしょうか?
ビションフリーゼは、ダブルコートの犬種の中でも抜け毛が少ない犬種のため、室内で飼っていても、そこまで「抜け毛で掃除が大変!」ということはありません。
そういった意味でも、大変飼いやすい犬といえますね。
ただし、もちろん、抜け毛がないわけではありませんので、ブラッシングはしてあげてくださいね。
暑さは苦手。夏は冷房を
毛の量が大変多く、触るだけでも弾力を感じられるほどのビションフリーゼ。
保温性があるため冬には強い犬種ですが、暑さは苦手です。
特に、日本の夏は高温多湿ですから、毛量の多い犬種にとっては、かなり過酷な環境になってしまいます。
犬も夏バテはしますし、この毛量だと夏の暑さが原因でさまざまな不調に見舞われてしまう可能性は必然的に上がってしまうのです。
しっかりと室内の気温にも注意して、暑い日には冷房を使用するなど、犬が過ごしやすい環境を作ってあげるようにしてくださいね。