小豆柴がかわいそうと批判される理由は悪質ブリーダー
柴犬より小さい豆柴、さらに豆柴よりも小さい小豆柴と呼ばれるサイズの柴犬がいるのをご存知でしょうか?
とっても小さくてかわいいのですが…詳しいことを知りもせずに、「無理やり繁殖させて小さくして…」「人為的に操作して本来より小さくするなんて…」なんて考える人もいます。
品種改良されて生まれた愛玩犬も同じように、かわいそうと批判されるケースがありますが、その理由を先に結論からお伝えすると
・無理な繁殖を繰り返して小さくしているわけではないことを知らない人が多いこと
・犬の小型化ブームにのっかる悪質ブリーダーがいること
などが原因。
しっかりした信頼できるブリーダーの場合、無理やり繁殖をさせて手っ取り早く小型化しようなんて考えはありません。
長年の歳月をかけて、小さめの柴犬同士を掛け合わせ、かつ負担のない繁殖をして小型種の安定化を目指しているだけです。
この繁殖に関する話は、小豆柴ではない他のブリーダーも同じこと。
では…ここからは、もうひとつの理由でもある悪質ブリーダーについて、少し掘り下げてお伝えします。
①ふつうの柴犬をわざと発育不良にして譲渡
本来の飼育をしていれば、ふつうの柴犬になるサイズの子を、意図的に発育不良にして小さくとどめておいて譲渡する、悪質なブリーダーが世の中にはいます。
たとえば、
・小さくいさせたいからと意図的に食事を与えない、栄養不足にする
・本来すべき体調管理をせず放置する
・先天的な発育不良のある子を交配させる
などが挙げられるのですが、わざと大きくならないようにしているというわけです。
そのため、ちゃんとした管理をしていれば、通常のサイズの柴犬になる子なのに、ブリーダー自らが、未発達の状態にして譲渡だけしたら終わり。
あとは知ったこっちゃないような対応をしてくる場合も…。
しかし、本来はふつうのサイズの柴犬になるはずの子を、意図的に小さくとどめているのですから、健康状態も悪くなって体が弱い子になったり、骨が発達せずに未熟なままになってしまったりと、トラブル続きになりかねません。
結局飼い主さんの手に渡ってから、健康維持ができず、病気がちになることもあるのです。
②飼い主に食事制限を強要する
譲渡したもん勝ちと考えるブリーダーもいますが、譲渡後も飼い主となる方に、「〇グラム以上エサを与えないでくださいね」なんて釘を刺してくるブリーダーもいます。
要は大きくなって「小豆柴じゃない!」となるトラブルや、ブリーダーとしての信頼を失いたくないという思いがあるのでしょう。
みなさんご存知でしょうが、ペットフードのパッケージには月齢や体重に合わせて、与える適性量の表示がありますよね。
それを大きく下回る給餌量を強要して、飼ってからも意図的に体重をキープさせるような文言を押し付けるのです。
普通に犬を飼ったことがある方ならおかしいことに気づくでしょうが、
・昨今の小型化ブームで小豆柴を知った方
・「小さい=かわいい」という観念に縛られている方
・「特殊サイズの犬種=自慢のブランド」という特別感に浸りたい方
などの場合、ブリーダーを疑うこともなく、言いなりになってしまいます。
結果、言うまでもなく、その小豆柴はみるみるうちに不健康になってしまうのです…。
③成長すると通常の柴犬サイズになるトラブル
自分たちの手元を離れるときは、間違いなく小さかったと主張するブリーダー。
残念ながら、そもそも小豆柴ではないふつうのサイズになる柴犬を譲渡しておいて、知らん顔をしたり、サイズが大きくなったことを飼い主さんのせいにしたりするブリーダーがいるんです。
とりあえず小さいから、小豆柴と言っておけば高く・早く売れるという魂胆。
いざ、その「小豆柴と言われていただけのふつうの柴犬」を引き取った飼い主は、通常の飼い方をしていたらみるみる大きくなってしまい、「全然、小豆柴でも豆柴でもないんだけど!」なんていうトラブルに発展してしまいます。
確かに飼ってしまえばどんな子にも愛情は湧くものです。
「小豆柴と言われたのに、大きくなっちゃった」と笑いながら、可愛がってくれる飼い主さんもいます。
とはいえ、「小豆柴」という前提で飼った場合には、かわいい以外のなんらかの理由がある場合もありますから、想定外のサイズになって、
・住宅事情的に大きくなると困る(小型犬しか飼えない環境)
・体力的に(飼い主さんの年齢的に)通常サイズの柴犬は飼育が厳しい
・金銭的に小型犬じゃないと維持が厳しくなる
など、飼い主さんを困らせることになる可能性があるのは否めません。
子犬のときに引き取ると、どのくらいまで成長するかなんて、わからないこともありますからね。
④柴犬と小型犬のミックス犬の場合も
柴犬と小型犬を交配させて、意図的に小さな「小豆柴もどき」を誕生させ、小豆柴と謳って販売しようとする悪質なブリーダーもいるのが現実です。
子犬のうちは、ミックスされた小型犬側の遺伝子で、小さい体の犬として柴っぽさがあったとしても、成長していくと、柴犬とは見た目が違う子に成長することも、当然のことながらあります。
犬種にもよりますが、成長と共に、見た目に変化が現れることもありますし、子犬の時は「柴っぽさ」が出ていたとしても、徐々に別の犬種の特性が際立ってくることもあるのは当然です。
小豆柴はそもそも、純粋な柴犬の血を引いていることが大前提ですから、そもそも、ミックス犬である以上、小豆柴を名乗ることはできません。
その時点で、小豆柴のなんたるかすらも気にしないで、売れたらいいという感覚で販売しているブリーダーというわけですね。
小豆柴は奇形ではない
最初に軽く触れた、「無理な繁殖を繰り返して小さくしている」という批判についても、やはり誤解から始まっていることがしばしばあります。
そもそも第一に、小豆柴は奇形で小さくなってしまっているということではないのです。
何世代も交配を繰り返して、かつ、犬にも無理がない状態で長い歳月をかけて、小さいサイズの子が安定的に生まれ、固定化されていくようにしています。
1世代で作り出そうとするから無理が出てくるわけで、決して健康を害するような繁殖や、犬に明らかに負担のかかる頻度の交配をさせたり、意図的に奇形として小さくさせようとする繁殖などではありません。
まともなブリーダーであれば、犬に負担をかけて、健康を害させるようなことをして売ろうとすることはなく、むしろ、犬の健康を第一に考えています。
一部の心無いブリーダーが繁殖犬として、産ませるだけ産ませたら、もう引退、もう不要なんて扱いをすることもありますが、犬第一で考えているブリーダーもちゃんといるのです。
奇形か否か、犬の健康に関する話についても、少し掘り下げて考えてみましょう。
近親相姦で奇形のリスクは高まる
まず、奇形になるリスクが高くなる原因として挙げられる、近親相姦(近親交配)。
ブリーダー業界ではインブリーディング(あるいはインブリード)といわれるのですが、いわゆる親と子、兄弟姉妹など、遺伝子的な関係が非常に強い個体同士を交配することを指します。
確かに、同じ遺伝子であれば両親の優れている部分をそれぞれ引き継いだ、いいとこどりな子が生まれる可能性が高いのは事実です。
しかし、それ以上に、
・奇形
・突然変異
・発育に関するトラブル
などのリスクもあります。
先天的である以上、生まれてきたその子の健康状態は、それ以上よくなる可能性はほぼないということ。
つまり、飼い続けていくにつれて、病院にかかる費用もペット保険に入っていようが、かなりの負担になってしまうことがあります。
もちろん、必ずしも「インブリード=奇形・病気」という話ではありません。
しかしそのリスクを知りながら、「遺伝子的なトラブルなんて確率の問題。小さくすること優先」と軽く考えているブリーダーもいます。
心配であれば、親の情報をブリーダーに聞いてみるのもいいですね。
信頼できる、本当に犬を思っているブリーダーなら、このリスクに慎重に向き合っていることでしょうから。
純粋な柴犬ではなくミックス犬の可能性あり
少し触れましたが、小豆柴とは、そもそもは純粋な柴犬であることが前提です。
それにも関わらず、柴犬と、より小さな犬種を掛け合わせて、「強めに柴犬感が出ているだけな子」を小豆柴と謳っている場合もあります。
超小型犬と小さめな柴犬を交配させて、わざと小さめな柴犬を誕生させることで、「なんとなく見た目は小豆柴?!」というフォルムになることがあるのです。
実際に
・チワワ×豆柴などのミックス
・ポメラニアン×柴犬のミックス
などで、「小豆柴風」にはなります。
しかし成長と共に、掛け合わせた柴犬ではない方の犬種の特徴が徐々に出てきて、奇形に感じる見た目になることも否めません。
基本的には、小豆柴はペットショップで購入する機会はほぼなく、ブリーダーから購入するケースが大半ですが、もし、ブリーダーから、「小豆柴だ」と言われて血統書のない子だった場合、柴犬らしくない奇形感を感じたとしたら、実はミックス犬なだけだったということもあるので注意してください。
かわいそうな小豆柴と健康な小豆柴の見分け方
悪質なブリーダーがいることで、かわいそうな生き方を強いられている小豆柴。
一方、ちゃんとした責任感のあるブリーダーが犬の健康をしっかり考慮した上で誕生させた、元気に暮らせる小豆柴。
これらをしっかり見分ける方法をご存知でしょうか?
インターネットでも「小豆柴、ブリーダー」なんて検索すると、かなり多くのブリーダー情報が上がってくるのですが、
・ブリーダーに対する目利き
・健康な小豆柴に対する目利き
がないと、これまでにご紹介したトラブルに巻き込まれてしまう可能性が非常に高くなってしまいます。
また、すでに飼っている方の場合は、自身が飼っている小豆柴が、本当に真の小豆柴なのか…元気に今後も暮らしてくれる子なのかも心配になることでしょうし、これから飼いたいと思っている方も、自身が飼うことになる小豆柴が、かわいそうといわれる方の子だったら…。
想定外の悲しい思いやトラブルを経験しないためにも、いくつか見分け方についてもご紹介していきます。
①公的団体の発行した血統書があること
血統書は、しっかりと血筋や犬種が証明できるという意味でもあり、純粋な犬種であることを証明するものです。
つまり、同一犬種から誕生した子である証。
もしこれが、柴犬と別の小型犬種との掛け合わせで誕生した「小豆柴もどき」であれば、血統書は発行されないわけです。
ちゃんとした手続きを経て、承認された子にしか与えられないため、血筋を明確に知ることができます。
ただし、「血統書付き=必ず元気で健康」という保障ではありませんので、意味を受け取り間違えないようにしましょう。
また、血統書に関してはあくまでブリーダーの申請をもとに登録をすることが前提となっているため、もし仮に、ブリーダーが虚偽の登録申請をしていたら…。
その場合の虚偽審査までは、公的団体も精査しないこともあるので、注意は必要です。
②親が小豆柴であること
小豆柴を誕生させるには、両親のサイズが重要です。
基本的に、小豆柴同士の繁殖をすることで、健康な小豆柴が誕生します。
つまり、健康な小豆柴は、親も小豆柴であることが前提です。
しかも、先ほどお伝えしたように、親近交配ではリスクが高すぎるため、血縁関係がない小豆柴同士が親犬であることという課題もクリアできていなければなりません。
遺伝子や染色体の話をしてしまうと、ややこしくなるので簡単な表現にはなりますが、小さい体になる遺伝子同士を掛け合わせたら、小さい子が生まれる確率は必然的に上がるわけです。
逆に、両親のサイズが小豆柴ではない場合は、突然変異か、先祖から引き継いだ遺伝子がたまたま出るなどでもない限り、ある程度、両親のサイズに比例したサイズの子が生まれます。
至ってふつうのことですが、両親のサイズが大きいのにたまたまパピー期に小さかったからといって、「小豆柴です!」と売り出すブリーダーがいるわけです。
あるいは、インブリードなどの危険な繁殖や、過度な負担がある繫殖がために不健康な意味で小さく生まれただけの柴犬を、「小豆柴です!」と売り出すブリーダーもいるわけで…。
健康な小豆柴か否かを知るには、親の情報も鍵になるのですね。
③食事量に厳しい制限がないこと
ちゃんとしたブリーダーの場合は、食事を制限することで小ささを保とうなんて考えは一切ありません。
つまり、食事の量に関して厳しい管理を強いられているがために、小さいまま成長できないだけなんて場合は、言うまでもなく健康的な小豆柴ではない証拠です。
食事制限をされて、やっと小豆柴のサイズを保てているだけの子の場合、
・皮膚・被毛にトラブルが起きている
・骨格が成長できないため、運動力も少ない
・骨と皮に近い状態になる
・排泄が上手にできない
・不調を繰り返し病院にかかることが増える
など、明らかな不調が見られます。
逆に、健康的かつ、健全な方法で誕生した小豆柴であれば、そもそもの骨格が遺伝子レベルで小さいというだけですので、食事制限などさせずに、しっかり食べさせてくださいという助言をしているものです。
もちろん、だからといって、食べ過ぎ・給餌量が多すぎる場合は、太ってしまうため、適量を食べさせるようにという話をします。
食べさせたから大きくなって、サイズが小豆柴ではなくなるということではありません。
小豆柴は富士野荘が作り上げた犬種
ここで少しご紹介したいのが、静岡県にある柴犬ブリーダーの「富士野荘」さんの小豆柴のお話です。
富士野荘の小豆柴の繁殖は、
・過剰に近親交配をさせることはない
・餌は必要な量を健康的に与える
という徹底ぶりで、まずなによりも、犬の健康を第一に考えていることがわかります。
また、飼育環境に関しても、複数匹の飼育をしているにも関わらず、
・庭で遊ばせてしっかり運動する時間を設けている
・ブラッシングを怠らない
・餌のトレイもしっかり洗浄している
・タオルを敷いて足腰の負担がない環境にしてある
など、柴犬(豆柴、極小豆柴、小豆柴を含む)への愛と、ブリーダーとしての誠意やプライドも感じる柴犬ブリーダーさんです。
たまたま小さくできたという話でも、小さくしたら売れるだろうなんて話でもなく、長期スパンで「健康な小豆柴」を固定化させていく努力は本物といえますね。
参考:富士野荘-小豆柴
小豆柴は正式な分類ではない
一般的な柴犬に対して、サイズの小さいタイプの柴犬を、豆柴だとか小豆柴だとか呼び分けていますが、これらは、現時点では正式な犬種名ではありません。
・ジャパンケネルクラブ(JKF)
・アメリカンケネルクラブ(AKC)
・イングリッシュケネルクラブ(KC)
など、犬種として承認・登録する機関において、非公認になっているため、犬種としてはあくまですべて「柴犬」に該当します。
ただ、改良や交配を繰り返して固定化されて誕生した犬種なんて山ほどいるわけです。
それにプードルに関しても、過去には非公認であったサイズのプードルが、改正により公認犬種として記載されるようになった歴史もありますので、柴犬も近いうちに承認される可能性は十分にあります。
まともなブリーダーがしっかりと豆柴や小豆柴を固定化し、証明していくことで、犬種として認めざるをえなくなる日もくる可能性はゼロではないということですね。
参考:ジャパンケネルクラブ-犬種標準(スタンダード)の改正について
小豆柴の成犬の大きさ
上記でお伝えしたとおり、「小豆柴」という犬種としても明確な定義があるわけではないため、大きさに関しては公式に発表されているということではありません。
しかし、一般的に言われるサイズがあるので、サイズによって呼び方が変わってくるわけなのですが、
・一番大きい柴犬(公認されているサイズに当てはまるサイズ)
・柴犬より少し小さい豆柴
・豆柴よりもさらに小さい極小豆柴(ごくしょうまめしば)
・小さい極小豆柴よりも小さい小豆柴(最サイズの柴犬)
の4つに分けられます。
わかりやすく比較するために、表にまとめてみますと、詳細は以下のとおりです。
体重 | 体高 | |
柴犬 | 7kg~13kg | 33cm~45cm |
豆柴 | 5kg~6kg台 | 31cm~34cm |
極小豆柴 | 4kg前後 | 28cm~30cm |
小豆柴 | 3kg前後 | 25cm~27cm |
こうやって比べてみたら、
・「小豆柴だと思っていたのに、豆柴サイズになった、ふつうの柴犬サイズになった」という話がいかに想定外のトラブルなのか
・小豆柴ではない子を小豆柴サイズにとどめておくための飼育をする(飼い主さんに強要する)ということが、それだけ悪質なことか
…おわかりいただけるのではないでしょうか。
富士野荘はサイズ保証あり
先ほどご紹介した柴犬のブリーダー・富士野荘では、なんとサイズに関する保証があります。
もし万が一、ブリーダーが飼い主さんに伝えていたサイズ以上になってしまうなどがあった場合には、
・完全返金
・無償で犬を交換できる(代替えの犬を引き渡す)
などの制度を設けており、もちろん、これらの保証を受けるには審査はありますが、一般的に起こりがちな「にせ小豆柴ブリーダー」の明らかな虚偽や知識不足によるサイズオーバーがない自信があるからこそできるわけです。
それだけ、真剣に犬と飼い主さんに向き合っている証拠ですし、相当なプライドや実績がないとできることではありません。
小豆柴を飼って起きがちな、サイズに関するトラブルは、やはり本気でまじめに頑張っているブリーダーからしたら侵害でしなかいのですよね。
補足までに、これまでに富士野荘では、サイズに関する苦情などは一切入ったこともありません。
小豆柴の寿命
健康的に生み出された小豆柴の場合であれば、平均的に12歳から15歳と一般的な柴犬と一切遜色はありません。
なんなら、健康で病気などもない子の場合は17,8歳まで生きることもあるんですよ。
ただし、調べてみると「11歳で短命」などと書かれていることもあります。
しかし、それは健康的に発育させなかった、悪質なブリーダーによって「小豆柴」を名乗っているだけの、かわいそうな個体も含まれているのでしょう。
「無理やり小さくしたから短命なのでは?」と思う方もいるでしょうが、健康を第一に考えているブリーダーの場合であれば、そのようなことはありません。
ちなみに、小豆柴の散歩量に関しても、ふつうの柴犬と同様、朝晩の2回、20分から30分必要です。
あくまで体が小さいだけであって、ふつうの柴犬と違うということではありません。
悪質ブリーダーから買うと死亡リスクが高まる
悪質なブリーダーの場合、これまでにもご説明したように、
・ただ小さくしたらいいと考えている
・食事を意図的に必要以下に制限して大きくならないようにしている
など、犬の健康をまったく考えていないケースがあるため、言わずもがな、短命になってしまったり、命に係わるトラブルを抱えたりと、死亡リスクが高まることがあります。
そもそも、子犬の時期に発育に必要な食事を与えないなんて行為は、犬のことを第一に考えていたら絶対的にありえない話です。
子犬期は犬の生涯で一番栄養が必要な時期であり、このときに食べるものは、高カロリー・高栄養価であることが当たり前。
骨や筋肉がどんどん発達する時期ですから、それだけ栄養が必要なんですよね。
それにもかからず、食べさせないままで成犬に仕上げているのであれば、
・栄養不足で免疫力が低下する
・筋力も脂肪もないため病弱な体質になる
など、短命になるトラブルを自ら生み出しているようなもの。
見た目の「小ささへのかわいさ」や「小豆柴というブランド」が優先で、犬の健康を度外視していては、死亡リスクが上がるのは当然といえますね。
富士野荘は満1歳までの生命保証あり
富士野荘の豆柴、極小豆柴、小豆柴に関しては、満1歳までの生命保証がされています。
その保証内容は
・同一性別
・同一の被毛色
・同一の種類(柴、極小豆柴、小豆柴)
の代替犬を完全にブリーダー負担でおこなうというもの。
もちろん、それを受けるには富士野荘が定める規定に則っている必要があるとはいえ、規定も決してハイレベルな内容ではありません。
病院に連れて行く、飼い主さんに過失がないなど、ふつうに犬を大事に飼っている方にとっては、むしろ当たり前の規約です。
さらに、引き渡しから1ヶ月以内の保証も別途、設けています。
引き取って1ヶ月以内に発覚した病気があれば、治療費を全額負担するというものです。
つまり、そこまでできるほど、小豆柴を大事に作出しているということ。
実際に他のブリーダの場合は、
・「指定する有料の保険」に入ってもらうと180日、2割の補填を支給する
・大手保険会社の保険を1ヶ月無料でプレゼント、代替80%のみ負担
・サイズが大きくなった場合は無料交換はするが、病気はノータッチ、死亡したら応相談
・そもそも保証がない
など、富士野荘とは比べものになりません。
大手保険会社に強制で入らせるなどは、ブリーダー側にインセンティブなどが発生する契約になっているのがみえみえで、本当に犬を思っているとは言えなさそうですね。
小豆柴の値段と購入方法
富士野荘で小豆柴を購入する場合は、それだけ手厚い保証と、これまでの長い歴史を経て小豆柴を生み出してきただけあって、100万円を越える値段になるのが妥当です。
もちろん、毛色や性格、顔つきなどによっても金額は前後します。
ただ、他のサイトなどを調べると20万から35万円なんて記載がありますが、そもそも小豆柴は富士野荘が生み出したサイズの柴犬のこと。
調べてみると、「小豆柴」という言葉が一人歩きしてしまっており、あまりちゃんとした情報を知らないままただ情報をまとめているだけなのでしょう…。
しかし、ブリーダー側も「小さめの極小豆柴」「超極小」「特別小さい極小豆柴」などと記載してあるケースが目立ちます。
「小豆柴」とは記載せずに、体重をあえて記載することで、アピールしている節もあるので見極めが重要です。
購入したい場合は、基本的にはペットショップには出回らないため、原則として小さめの柴犬を扱うブリーダーから購入する流れになっており、ブリーダーに相談(来舎)予約をして、
・現在犬舎にいる子から選ぶケース
・要望を聞いて事前予約をするケース
があります。
小豆柴と極小豆柴の違い
富士野荘の場合で、豆柴より小さく小豆柴より大きいものを「極小豆柴」と読んでいます。
小豆柴と極小豆柴の一番の違いはサイズです。
サイズの違いについては先ほど触れましたが、今一度ご紹介しますと以下のとおり。
極小豆柴 | 小豆柴 |
4kg前後 | 3kg前後 |
28cm~30cm | 25cm~27cm |
ただし、極小豆柴に関するサイズの規定は、ブリーダーによって判断基準が異なります。
そのため、複数の豆柴ブリーダーのもとを訪れてみると、「A社ではこのサイズが極小豆柴ですと説明していたけど、B社ではA社にとっては豆柴に過ぎないサイズのことを極小豆柴と言っていた」なんてことも出てくるものです。
また、性格や筋肉量などについては、あくまで柴犬のよさをそれぞれ引き継いでいるため、小豆柴だからどう、極小豆柴だからどうということはありません。
そして、サイズ以外にも違う点は金額です。
極小豆柴 | 小豆柴 | |
富士野荘 | 55万円から | 100万円から |
その他ブリーダー | 22万円から | 35万円から |
ブリーダーによって、保証や飼育環境なども違うため、金額に誤差が出るのは致し方ないのでしょうが、これらの違いも、ブリーダーを見極める参考になるといえますね。
まとめ:適切な交配と生育がなされた小豆柴は健康そのもの
しっかりしたブリーダーのもとで誕生した小豆柴は、至って健康なものです。
適切な交配と生育を受けていれば、決してかわいそうな子ではありません。
もし周りに、小豆柴や極小豆柴を飼っている方がいて、見るからに不健康そうな子なのであれば、それは悪質なブリーダーによって生み出された「小豆柴もどき」なのでしょう。
・小さいからかわいい
・小さくしておけば高く売れる
・小さい柴犬が話題だから小さくしたらいい
…なんて気持ちで売ろうとしているブリーダーからは、健康な小豆柴は生まれず、俗に言う「かわいそう」な小豆柴を生み出す原因になってしまいますが、健康で元気に暮らしていける小豆柴はいます!
ちゃんと、犬に対しての健康管理や愛情を持っているブリーダーから引き取った小豆柴であれば、決してかわいそうな個体ではありませんよ。